2006年3月19日

10回定通父母の会交流会に参加して

― 1月7日〜8日つくば国際会議場にて ―

県立高校定時制 教員

 未だ正月気分の抜けきらない7日の朝、つくばへ向けて横浜を出発。完成間もない「つくばエクスプレス」に乗れると浮かれていた私は、それがJRだと思いこんでいたが、朝から窓口で「私鉄である」と職員から優しく指導されてしまいました。

気を取り直して、秋葉原から45分という快適な旅、車窓からは神奈川ではあまり見られない地平線が左右にパノラマで広がり、平野ばかりの茨城県を体感できました。茨城の報告にも、「人が密集せず、何処に行っても人がいる土地柄であり、定時制高校も必然的に点在している。簡単に統廃合といっても、通学するものにとっては深刻な問題なのだ」とありました。なるほど、納得。

会場には、7都道府県から約100名の参加者が集まり、まずは足りなくなったイス出しから始まりました。力仕事の熱気をそのままに、オープニングへ突入。定時制の生徒が自分たちで作った歌『定時制の灯を消さないで』を歌い、彼らの自作自演VTR上映では、統廃合の計画に直面している高校の生徒たちが、定時制高校への熱い想いや存続への願いを切実に訴えていました。毎年の学級増に苦しむ横浜の私たちにとっては、どこか他人事に思える統廃合でしたが、当事者の生の声を聞いて、母校がなくなるということの痛みを改めて知りました。

 各地の報告では、第9回交流会から4ヶ月しか経っていないということでしたが、卒業生や父母や先生方が元気に参加してくれました。

 400名もの会員が県下の定時制高校36校中30校で活動している愛知県は、14年目を迎え、さらに「未加入の6校にも私たちの願いを届ける」と意欲を見せています。しかし昨年、校長・教頭が組織する定通制フェステバルで進学説明会が開催されました。これは、「父母の会」と対峙する上からの組織化と考えられるとのことでした。

神奈川県からは川崎市立高校定時制の生徒が報告しました。自分で行ったアンケートから、定時制高校が全日制高校の受け皿となっている実態、横浜を追い出され川崎市立に入学してきた生徒が4分の1にもなる事実から、定時制高校再編の矛盾を指摘しました。

埼玉県は、統廃合で募集停止となった浦和商業高校の61歳の現役3年生が自らの体験談とともに学校への思いを綴った詩『きっといつかは学校へ』を朗読してくれました。貧しさから学校へ行けなかった自分のぬぐいきれない「きっといつかは学校へ」の思い。参加者みんなが、息を呑んで聴き、感動の拍手を送りました。

他に、京都、大阪、茨城、北海道からも参加されていました。

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