2005年11月16日

  教職員の心身の健康は大丈夫か? 

県教委は、教職員を大切にしてこそ、
よい教育が保障される


 
 7月、第2回県公私立高等学校協議会の席上、県教委のある課長が県立高校定時制教職員の勤務に言及、「定時制ではキメ細かい指導が必要だが、(この2、3年、生徒が定時制に殺到する事態が続いており)先生方から、指導上たいへんだと悲鳴が上がってきている。定時制にはかなりムリをお願いしている。」との発言があった。

 これは私たちが、神奈川県の公立全日制高校への進学率が全国最低水準に落ち込む下で、そのツケを定時制が負わされていると指摘してきた、非常な事態を裏付けるものであった。

 ここ数年、公立高校数職員をとりまく勤務条件は、強制的な管理一辺倒ともいうべき行政施策によって、教育の場としてはきわめて硬直したものとなっている。

  これに加えて多くの定時制では、過剰な生徒の詰め込みとそれに伴うと思われる問題行動の発生に教職員が追い回されている。多大のエネルギーを生活・学習指導に注ぎ込まねば教育現場を維持できないような、息の抜けない日々に晒されている。

実態に逆行する、教育条件の改悪

 しかし、現場のこの実態に伴って条件改善がなされるどころか、改悪されている。

・クラス定数が35人から40人に、定時制としては過大で安易なクラス数の増加。
・定時制という変則勤務による疲労の回復を図るには困難な、午後1時ごろから10時ごろまでを拘束時間としたこと。
・定通振興法に基づく定時制手当を減額。
・自主研修が認められなくなったこと。
・現場実態に即した教職員の専任化や非常勤講師の充当がなされていないこと。

 こうした条件下でも定時制教育が日々営まれているのは、健気にがんばる生徒とそれに応える教職員の姿勢があるからである。しかし、無責任で配慮に欠けた先の「改悪」の反映は、定時制への異動希望がなくくなり、当局が「定時制から定時制への異動は可」と異動方針を転換するほど、人材確保の困難となって現れている。

全教職員の健康調査とアンケートを

 こうした下で危ぶまれているのは、現場教職員の心身にわたる健康管理である。もちろん、学校保健法による健康診断は行われている。しかし、地方教育行政法第23条〔教育委員会の職務権限〕にある、

 九  校長、教員その他の教育関係職員並びに生徒、児童及び幼児の保健、安全、厚生及び福利に関すること。〉

十七 教育に係る調査及び指定統計その他の統計に関すること

を教育現場の実態に対応して、施策的に生かすということが必要になっているのではなかろうか。

 具体的にいえば、県教育委員会が早急に全教職員の健康調査と、勤務・健康・その他に関するアンケートも実施し双方の統計的数値を公表することである。当局のこうした資料の不備はおかしい。
 

教職員も県の大切な人的資産

 地方自治体という法人にとって、教職員も県民の子女の教育に携わる、たいせつな人的資産である。その健康管理が逐次図られてしかるべきであろう。

 こうしたデーターを踏まえた条件・環境改善計画を、ぜひ行政プランに上せるよう要求したい。特に定時制については速やかに改善をはかり、原状回復すべきである。

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