2005年8月5日

 「かながわ定時制教育を考える会」は、今年度入試の実績が明らかになったことを受け、『ニュース85号』で「県は、計画進学率実現に責任をもち、不退転の決意で公立全日制枠の拡大を」という声明を発表しました。以下、その声明を紹介します。


  今年の入試の実績、発表される

全日制進学率90.1%(全国最低水準),私立「空枠」2,571人

   生徒の希望そっちのけの定員計画の結果は、教育最後進県
                  そのすべてのしわ寄せが、生徒・中卒者と定時制に


県は、計画進学率実現に責任をもち、不退転の決意で公立全日制枠の拡大を

1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年
@計画進学率(全日制) 93.0% 93.0% 93.5% 94.0% 94.0% 94.0% 94.0% 93.8% 93.5%
A実績進学率(全日制) 92.3% 91.9% 92.0% 91.8% 91.3% 90.1% 91.1% 90.7% 90.1%
A−@ −0.7 −1.1 −1.5 −2.2 −2.7 −3.9 −2.9 −3.1 −3.4
県内の私立高校「空枠」 812 1,978 2,456 1,760 2,340 2,646 2,047 2,074 2,571
定時制入学者 1,443 1,844 1,953 2,017 1,975 2,331 2,095 2,383 2,670
定時制二次不合格者 6 2 6 0 1 13 5 101 55
 

 02年、04年に続き、大混乱を生み出した今年の入試の実績(仮集計)が7月13日に発表された。それによると、全日制への進学率は90.1%と、計画93.5%を大きく下回り、再び1970年代前半の水準に落ち込んだ。全国最低かそれに近いことは間違いない。この直接の原因は、私立高校の「空枠」2,571人(計画16,100人−実績13,529人)にある。


公私間の「密約」ではなく県民への「公約」に責任を!

 全日制の進学率が、5年連続で計画から大幅に下回り続けていることは、絶対許されることではない。5年続けて2,000人以上の本来全日制へ行ける中卒者の希望が、失政によって摘み取られ、また、本来定時制に行けるはずの多くの人たちが、定時制への入学を拒否されているのだから。

 県教委は、1980年代の「密約」(急減期に私学の定員を確保するとした)にとらわれるのではなく、中卒者等の希望を実現する立脚こたって、「公約」である計画進学率実現に責任をもち、不退転の決意で、公立全日制枠の拡大をすべきである。

 もちろん、全国最低水準の私学助成に対する抜本的改善は、県教委の義務である。

トップ(ホーム)ページにもどる