2003年2月28日
定時制教職員の勤務に、準夜勤務であることに対する配慮を
夜間定時制の教職員は、2000年の後半頃から、それまで教育公務員特例法にもとづき認められていた打ち合わせ(午後4〜5時頃)までの自主研修が一方的に不許可とされ、研修のための施設や資料が不十分な校内に拘束され、準夜勤務であるにもかかわらず正常勤務と同時間の勤務時間を強いられている。
こうした勤務実態の変化から何が起こっているかについては、昨年6月に神奈川県高等学校教職員組合定時制教研委員会が発表した『勤務実態と定時制教育のあり方についてのアンケート調査 報告』が唯一の資料となる。この中から注目される点を拾ってみる。
「体調の変化あり」65%、「昼食が通常の時間帯にとれない」78%
質問「現在の勤務形態になって、体調の変化がありますか」に対し、65%が「ある」と答えている。記述された体調の変化の主なものは、「疲れがとれない」「疲れやすくなった」39%、「胃腸の調子が悪くなった」「食事が不規則」16%、「睡眠不足」「寝付かれない」10%である。このことは、昼食を通常の時間帯(12〜13時)にとれる人が22%しかいないようになったこと、就寝が1時以降になった人が51%にものぼること、などとも関わっていよう。
「教材研究が十分できなくなった」69%
質問「校外での研修が大幅に制限されるようになって、教材研究や授業準備はどのようになりましたか」に対し、69%が「十分にできなくなった」と答えている。理由は、「集中できない」31%、「資料が無い」25%、「時間が無い」21%である。以前は、校内での施設・資料の不足を自宅や図書館等での研修で補って授業等を充実させてきたが、それができなくなったことを示している。
「準夜勤務に対する配慮を」 「生徒と向き合う時間に集中できる勤務を」
「現在の勤務形態についての意見」の中で最も多いものは、「準夜勤務(本来の生体リズムと違う)であるのに正常勤務と同じであるのは納得できない」「昼〜夜の8時間労働は、朝〜夕方と同じではない。身体の疲れ方、精神的疲労も考えられるべき」という内容の意見と、「生徒と向き合う時間に気持が集中できる勤務にしてほしい」という内容の意見である。「研修を認めないのは教育公務員特例法に違反している」という内容の意見も多い。
最大の被害者は生徒、県教委は教職員の生の声を聞き施策に反映させよ
このままでは、定時制の教職員の健康は悪化し、意欲はそがれるばかりである。また、研修も不十分となる。その最大の被害者は生徒である。
教職員の健康に責任のある県教委は、65%が体調の変化を訴えているのであるから、定時制教職員の生の声を聞き、健康実態調査を行い、準夜勤務に配慮した勤務の扱いにすべきである。
また、授業に支障のない校外研修を認めている教特法にのっとり、教職員の自主研修を認めるべきであることは当然である