2002年11月15日


定時制は人間的な場、削減しないで!



  10月27日、秋晴れの絶好の行楽日和にもかかわらず、NPO法人東京シューレ理事長の奥地圭子さんを囲んで、開港記念会館で開催された「定時制っていいよね」不登校問題の講演と交流の集いに約60名の方々が出席され、終了時間ぎりぎりまで熱い話し合いが行われました。今回は、「かながわ定時制教育を考える会」と「よこはま定時制父母の会」が、初めて共催してひらきました。




不登校の子どもたちの多くが定時制を選ぶのは


  一部は奥地さんの講演、二部は現役の生徒2名、先生2名、保護者1名の構成で定時制教育の現状について話し合われました。

  奥地さんは、「高校時代、部活が終わった後、教室に灯がつくのがとても印象的だった」と定時制との出会いを述べておられました。その後、小学校の教師時代に教育に行き詰まった時に、ある定時制教師の方の著作に啓発されたことや、不登校の子どもたちの多くが定時制を選ぶのは、暖かくいやすい場所で、先生と生徒の関係が他と違う面や、競争がなくて窮屈でないなど語っておられました。

  また、二部では、生徒、教師、保護者がそれぞれの立場で定時制の現状を報告しました。印象的だったのは、定時制に入学したおかげで、英語が好きになり、勉強が楽しくなったという生徒の発言でした。参加した方々はメモをとったり、うなずいて熱心に聞いていました

 以下に、この「定時制っていいね」の集いに参加された方の感想を紹介します。


●人生、選択肢が沢山あると思いました。参考になる話を有難う御座いました。

●今目語られた「定時制っていいよね」の定時制の良さは、本来全日制の中でも追求していかなくてはいけない部分なのだと思っています。知的障害児の高校進学を進める運動をしていますが、希望する全ての子どもたちが養護学校ではない普通の高校へ通う事ができるように願っています。全日制の方が格が上とか言う事ではなく、全日制に入学出来ない子どもたちの行き場にならざるを得ない現実もあると思います。定時制の空間の良さが他の多くの学び場の理想となって伝わっていく事を願っています。

●不登校児以外での入学者について知りたかった。

●不登校や定時制と関係ない一般市民も参加出来るので良い。(プレスリリーフ等としても良かったのでは)。現役の生徒、教員の自由な発言は大変参考になった。本アンケートに参加理由を載せても良かったと思う。

●定時制の暖かい感じ、人間同志の学びの場という思いが感じられ、好感を持ちました。中1から不登校の子供ですが、今年の定時制の説明会に親子で参加して子どもは定時制3部制の学校へ行きたいと思っているようです。

●現在不登校のど真ん中にいる3年生の親です。本人の希望で学校説明会にも行っていますが、私立の通信、技能連携、サポート校はどこも制服があったり、専願で年内といった話ばかりです。定時制は公立の中学の担当ははなから無理との考えのようです。少子化なのに不登校児は増える傾向の今、両手を広げて迎えてくれる受け皿が欲しいです。

●参考になりました。色々考えるところがあり、今日伺ったお話を無駄にせぬようにしていきたいと思います。

●定時制0Bの方、進学、就職している若者の意見も詳しく聞きたかったです。

●フリースクール、定時制高校の存在意義についてとても良く分かった。とてもいい集会でした。

●実際に在籍している方の話を闘いて、定時制高校は人間的な場(他の人と認め合い、自分も信じられる場)という事が分かりました。本来、人は安心して教育を受けられるもの。定時制高校等は各区に一校ずつあってもいいのではないか。今全国的に削減をしようとしている。この政策は違っていると思う。

●自分の中のモヤモヤが少し晴れた気がした。

●参加した人に勇気を与えてくれたと思います。不登校等に悩む家族の肩のカを軽くして、何か先の見える気持ちで帰れたのではないでしょうか。ご苦労様でした。

●私たち「大人のカ」で子どもを守っていかなけれぱならないのですね。ネットワークを太くして力を合わせて子どもを守って行きましょう。

●私たち親子(小学4年)は未だ暗いトンネルの中にいて、抜け出せず不安な日々を送っております。そんな中で少しでも将来を明るくゆったりと考えたいと思い、救われるような気持ちで参加しました。もともと、マイペースな娘にとって学校での生活はとても辛く、忙しく、疲れきってしまうような生活そのものでした。そういう意味では定時制の本当の意味でのゆとりがやっぱり合っているんだな一と心より思います。そして、とても内容ある会で驚かされました。有難う御座います。

●私の子どもが定時制に通っていますが、子どもの口から学校のことを聞く事はめったにありません。パネルディスカッションでのお話はとても聞けて良かったです。

●生徒さんの生の声がとても生き生きしていて、とても参考になりました。

●私はパンフレット等で現在の定時制高校の統廃合についての多少の知識はもらったが、この現状を知らない受検者者とその親たちも沢山いると思う。広報運動を活発にしなければと思う。

●実感があって良かった。本当の多様性は対等性だという事、その通りです。高校の在り方として全日制高校をスタンダードとする常識を疑うことが、大変大切な事だとよくよく納得しました。

●今までほんの少しの協力しかしてこなかった事に申し訳なかった思いです。現実に目をそむけていた自分を反省しております。私にも出来る事をしていこうと思いました。N先生、S先生、感動しました。すぱらしい方々、有難う御座いました。Sさん、K君、りっぱでした。

●このような「集い」から大きな運動につなげるようにお互いに努力していきましよう。

●保護者のBさんのお話がとても良かったです。

●ディスカッションに参加出来なかったので、また、お知らせで少しでも内容を教えて頂けれぱと思います。

●定時制の良さが具体的に心情的によくわかりました。人間らしい子どもの成長には、時間のゆとりがどうしても必要であり、予算上,便宜上、切り捨てはいけないと強く思いました。また、横浜総合高校では、現状まだまだ生活環境の整備が遅れており、このまま2、3年たって人数が増えて、益々混雑,混乱が起きるのではないかと心配です。各先生方は親身に温かく生徒に対応して下さっていますが、PTA総会での校長の話では3年間で卒業するのを基本に考えている旨の内容、色々な可能性を求めてチャレンジしていくための学校だといったニュアンスが強く、それぞれのぺ一スで学ぶゆっくりでも良いという感覚がありませんでした。不登校経験者など様々な理由で学習面、精神面で再出発をしようという生徒には冷たく感じられました。現在我が子は学校が気に入っており、一日も欠席せずに通っておりますが、休みがちな生徒、様々なトラブルを起こす生徒も少なくはないようです。3部制総合学科の試みは良い方向性にある事は確かなのですが、先生、生徒、親、皆がゆとりを持てるよう運営していくことが肝要だと思っているこの頃です。

●各定時制高校ごとに教員、及び父母の通信員がいて市民が学校経由で通信員との連絡がとれるようになると有難い。

●定時制の問題も知らずに来てしまいました。今日は考えさせられました。有難う御座います。

●このような会がある事を始めて知りました。なかなか外に広報されないので、情報をキャッチ出来にくい現状があると思います。大変でしょうがその点のカバーをお願い出来たらと思います。存続のために頑張ってください。今日の話は友人、知人に知らせます。

●定時制教育の存続やいろいろな学ぴの場が必要な事を多くの人に認められたらいいなあと思います。

●11月頃にでも来春に向けた運動の集会など出来たらと思っています。宜しく。

●高校時代、私のバイト先には土地柄か沢山の定時制の仲間がいました。今思うと彼らは回り道はしたけど、すごい充実していたように思います。改めて人生長いのだから急ぐ事はないと思いました。やはり色々な形で学ぶ場をなくしては欲しくないと思います。

●私も子どもが不登校のはじめは、パニックでどう自分の気持ちを処理したらと思い悩んだ時、父親の存在が助けになってもらえなかった事がありました。こういう会をどんどん広げて、お父さんがもっと参加し、意見が聞けたり出来たらと思います。

●出来る協力をします。

●広く市民の理解を得られるような活動をしてください。

●情報発信の場として、市民全体に対する活動をされていて、すぱらしいと思います。色々な市民が集まって子どもたちと共に育ちあう広場に成長していくように私も何か出来るかなと思っています。

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