2002年11月22日

  「新たな人事評価制度」試行校からの声 

「学校の活性化?・・・職員の分断で、
やる気がなくなっちゃうよ」


 4月から行われた「新たな人事評価制度」が、学校目標を踏まえた自己目標の設定と校長・教頭による指導・助言、授業観察、および、自己観察記録の記入をもって10月に終了した。私たちは、この制度が東京都で実施されているものと同じで、教員を5段階評価に分け、教職員をランクづけし、分断するものと批判してきた。

  9月、県教育委員会は、東京都と同じ5段階評価による「試行校のみなさまへ ― 試行評価のあらまし ―」を配布した。教育活動に全くなじまない、教職員の分断を図り、管理強化を進めるこの制度の定時制試行校からの声を拾ってみた。

「自己目標の記入はもっと具体的に・・・」

  教科指導・教科外指導・学校運営の自己目標の記入に関して20分くらいの個人面接があった。校長・教頭から「もっと具体的に、手立てはどのようにするのか」、「t部活の技術指導に関しても具体的に、週何回練習をするのか。その指導方法は・・・」を書くようにほとんどの人が言われている。「自分の評価の資料を相手に渡し、さあ評価をして下さいと思うとばからしくなる。真面目に書けない」、「管理職と教育についてもっと話し合いたいが、何か校長・教頭が遠ざかっていく感じがする」

「授業観察って、何をチェックするのか」

  9月から校長・教頭による授業観察が始まった。打ち合わせで授業観察を始めることは聞いていたが、いきなり後ろのドアーを黙って開け、何やらチェックし、15分くらい観察して帰っていく。「感じのいいものじゃないよ」校長・教頭が4回も来たという人もいる。何回来るのか、いつ来るのかもわからない。教えやすいクラスの時にきて欲しかったという人もいる。「私たちの授業を評価する、あの人たちはそんなに偉いの。模範授業を見せて欲しい」

「生活指導・担任のなり手がいなくなっちゃう…」

  人事評価制度によって、困難な分掌・担任・委員会のなり手が少なくなることが予想され、来年度の学校運営が心配だという声。生活指導・担任など生徒と直接ぶつかり合う分掌は、うまくいって当たり前でなかなか評価されない。結果や業績が短期間で見える分掌に希望が集中し、、学佼運営上間題が生じることへの懸念がある。学校の活性化ではなく、職員の分断と、やる気をなくすこの制度に大きな疑問がある。

  以上、定時制試行校からの率直な声である。今、定時制では、不登校やいじめ、不本意入学による中退、学力遅滞、家庭問題、心身の障害などさまざまな困難を抱えて学んでいる定時制生徒に対して、教科指導・生活指導・部活動等を通して全教職員が力を合わせ対応している。
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