2001年11月23日

 「よこはま定時制父母の会」が11月13日に横浜市教育委員会で意見陳述を行いましたが、陳述に先立ち市民の皆さんに横浜市の定時制統廃合計画を知ってもらうために配布していたビラの内容を資料として紹介します。

 

高秀市長さん、僕たち、私たちの学びの場、市立定時制高校を奪わないで!!

 みなさん、横浜市教育委員会の市立高校定時制「統廃合」計画をご存じですか

 

  横浜市には市立の夜間定時制高校が5校あります。それを来年度、港、横浜商業、横浜工業の3校を皮切りに、鶴見工業、戸塚と順次募集停止(廃校)する計画です。各校はそれぞれ特色があり、『ゆめはま教育プラン』をそのまま絵にかいたような、ゆとりと潤いのある環境の学校としていずれも必要とされています。

  それを全部潰して、狭い空間に朝から晩まで12時間フル稼働、超効率型の三部制総合学科高校1校(定時制課程)に変えようと言うのです。それも募集定員は現在の半分以下で、夜間の部は540名からたったの70名に減らされるのです。

  この新しく開校される三部制は現横浜工業高校に設置されるため、3年間は工業高校の生徒と同居するにもかかわらず、説明会でも一切その事に触れられていません。また、新校開校予算は一銭も計上されておらず、施設設備も整わない開校です。

  しかし、他都道府県の先行事例が示すように、単位制総合学科はとても人気が高く、非常に高倍率の入試になっています。過去、市立中学校の進路指導に一度も登場しなかった定時制高校ですが、教育委員会の画期的な誇大広報活動により、本来、全日制を受験するような生徒まで志願した場合、全日制に定員割れを起こしつつ、今まで定時制に入学できた人たちを含め、大量の高校進学出来ない生徒を生む可能性もあります。

  『ゆめはま教育プラン』とは、少数者切り捨てのプランのでしょうか?そうだとしても、少子化で児童生徒が激減している中、定時制入学者はこの計画が発表された3年前からの推移だけを見ても実数で全く減っていません。高校中退者、不登校児童生徒の増加は今年も記録を更新しました。これは定時制を必要としている生徒が激増しているとも解釈できるデータです。

  定時制高校は、高校中退者、不登校経験者を初め、従来の勤労者、その他様々な事情を抱えた生徒を一手に引き受けてきた、文字通りの『砦』です。今の市教育委員会の計画は、さも、それらの定時制生徒をそのまま三部制高校に移行し得る様なキャッチコピーに乗せて、実はそんな生徒たちの教育を受ける権利を奪い取るものです。

  ワールドカップもMM21開発も横浜の発展には大切だと思いますが、将来の納税者を育成することはそれにも増して重大な事ではないでしょうか?一人ひとりを大切に育てる『ゆめはま教育プラン』を偽らない、一人も切り捨てない教育を私たちは望んでいます。定時制を縮小したいのであれば、新校の動向に合わせて緩やかに実施すべきです。

  新校開校と同時の募集停止は中止し、新聞発表された公立高校入学定員を直ちに訂正するよう、11月13日、私たち生徒、父母は教育委員会において意見陳述を致します。是非、市民の皆さんに私たちの趣旨をご理解頂き、この計画が再検討される様、ご協力をお願いしたいのです。

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