2001年7月2日
横浜市立定時制の「ストップ!!募集停止」シンポに参加して

 

 6月9日、横浜の市従会館で横浜市立高等学校教職員組合主催のシンポジウム「ストップ!!募集停止」が約70人の参加で開かれました。県立高校からも、パネラーとして出席した鈴木功氏(神奈川高教組書記次長)を含め、6人が出席しました。
                                                                              
市立定時制5校(520名入学)をすべて募集停止し、夜間は70名のみの高校へ改編

 横浜市は、高校「再編整備計画」で現在5校ある市立定時制高校をすべて募集停止にし、代わりに三部制総合学科高校を新設することを一方的に発表しました。5校のうち、横浜工業、港、横浜商業の3校は来年度にも募集停止されようとしています。
 今年4月の市立定時制の入学者数は約520人。にもかかわらず、計画が強行されれば夜間は2クラスで70人だけになります。これでは、入学できない生徒が出てしまう、と反対の声が広がっています。
 
生徒会が反対決議。卒業生などで、「定時制の灯を消さない会」を結成
 以下、パネラーのお話の中で、印象深かった点を報告します。
・中学教員(山岸さん):「全日制の教室や制服が恐い、定時制は面白そうだ」という卒業生がいる。そういう子や全日制を落とされた子が行ける高校を残してほしい。
・弁護士(中久木さん):再編で最も影響を受ける子ども、親、現場の声をきかないのは、意見表明権を侵害している。代わりに作る総合学科高校が、今の定時制のような懐の広さを持っているか、疑問だ。
・港高校PTA会長(吉田さん):市教委と会うと、まず計画の死守ありき、と感じる。港高校は新入生175名、入学定員以上応募者があるのになぜつぶすのか。

・灯を消さない会
(二見さん):定時制の卒業生や同窓会、保護者、元教師、弁護士などで「横浜市立定時制高校の灯を消さない会」を結成した。市教委に要望書を提出し、市議会全会派に協力要請をした。
 また、横浜商業定時制の生徒会は、昨年5月募集停止に反対する決議を行い、今年5月には「あくまで募集停止に反対します」という生徒大会宣言を採択したそうです。
 フロアー発言として、県立の希望ヶ丘高校や翠嵐高校の定時制から、近年志願者が増えて多くの不合格者(20〜30人)を出さざる得ないこと、市立定時制がなくなっても県立では受け入れる枠がないため、定時制に入学できない人がさらに増える、これは大変なことであるという報告がありました。
 以上、横浜市の計画の理不尽さと一方的な手法が浮き彫りになったシンポジウムでした。希望しているのに高校に行けない中卒者をこれ以上増やさないために、反対運動を盛り上げて、是非計画の見直しをさせたいと思いました。


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