2000年11月4日
10.14 教育講演会に参加して子どもたちは今、『太い助けのロープ』を欲している!
神奈川県立高校定時制教員
さる10月14日、秋の土曜日の昼下がり、希望ヶ丘高校にて「不登校・登校拒否をどう理解するか」というテーマによる教育講演会が開催されました。
これは、保護者と教職員がともに教育問題を考えていく目的で、「かながわ定時制教育を考える会」が毎年講師をお招きして行っているものです。
今回は、不登校問題に長らく携わってこられた中央大学教授で臨床心理士の横湯園子さんのお話をうかがいました。
当日は、不登校のお子さんを持つ保護者や小中高の教職員など多数(48名)が参加し、講師のお話に熱心に耳を傾けました。
講師の横湯園子さんは、学校現場でもカウンセラーとして活躍しておられ、具体的な事例をもとにわかりやすくお話ししてくれました。その語り口はやわらかく、おだやかな雰囲気を醸し出しながらも、言葉の端々から子どもたちへの真剣で誠実な対応が想像され、自然に話に引き込まれていきました。
「いじめ・暴力」がいかに、「不登校・自殺」に結びついていくのか、その過程を科学的に解き明かし、子どもたちが「大人を頼らなくなった」現状を最近の一連の事件から分析した話には専門家としての研究の深さを感じました。
また、現在の不登校生徒を取りまく状況を少しでも良くするには、不登校をした生徒がどんな道を選ぼうと不利にならない基盤作りが必要であると説き、同じ苦しみを感じた子が集える場の設定が大切であると述べていました。
そして、定時制、通信制の高校や不登校のサークルは、閉塞状況にある日本社会にひびを入れる可能性を持っていることも示唆されました。
日々接している子どもたちの心の奥底にある思い、悩み、悲しみをもっと理解し、もっと見極めなさいと叱咤激励され、同時に何かこちらの心まで癒されたような講演会でした。
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