2000年9月16日

自主研修と時間外勤務に対する「回復措置」を保障せよ。

        ―  定時制の準夜勤務労働は特殊な勤務形態である  ―

 

県教育委員会はこの春の人事異動で、「異動要綱」に反して理由も示さず、3名の教員を不当配転。その強権的姿勢は、職場に強い批判と不信感を広げている。

これに続いて、県教委は616日、教育長名による「教職員の勤務における服務の厳正な取り扱いについて(通知)」を各県立学校長に出した。

通知は、教職員の相次ぐ事故・不祥事の背景(原因)に学校現場の職場慣行や勤務時間の実態があると決めつけ、勤務時間、研修手続き、組合活動等々についての「厳正」を図ろうとしたものである。しかし、通知発令の動機である肝心の「事故・不祥事の背景」の認識は県教委自身のものではなく、「実態にも問題があると指摘がなされているところであります」と誰が指摘したかは不明で、もし議会での指摘をさしているとしても、県教委自身それをどのように受け止めて、この「通知」発令を決断したかは不明で、その主体性に疑問のもたれる「通知」である。

さて、この「通知」のもつ基本的性格は、このように考えられる。

それは、ごく一部の教職員の不祥事と「県民の目」を口実に現場への管理統制を強化したいとの思惑と、県議会で特定の意図をもって教職員攻撃を繰り返す会派や商業新聞の「容赦」さえ得られれば万事安泰と考える、県教委の皮相的で保身的(事故防衛的)な姿勢から発せられている「通知」だという点にある。

具体的に、夜間定時制に限って、その勤務の特殊性を補填するかたちで、職務上妥当な研修等により措置されてきた勤務等についての労働慣行(職場慣行)を一方的に破棄、13時または13時半出勤を「指導」、結果次のような事態になっている。

○準夜勤務による疲労がいっそう蓄積され、体調がおかしい。

○打ち合わせ時刻が適切なものではなく、学校運営上支障が出ている。

○全日制と時間帯が重複するため、狭い職員室にカンヅメ状態である。

○授業までの間隔があきすぎているため、授業への集中力が効果的に発揮されない。

○部活動や生徒指導で時間外勤務となり、その「回復措置」もされていない。

教職員は健康を害してもよいのか。定時制教育は「質」は問わないのか。定時制生徒に部活動はいらないということか。準夜勤労働に対する手当は支払われていないではないか ― 労働法上これはどういうことなのか。部活動の特勤手当は実態に見合って支払われていないではないか・・…。

行政遂行の前提は、遵法であり公正ではないのか、恣意的権限の乱発であるべきでない。

教職員課のY課長は校長会で、「打ち合わせは勤務時間開始から30分以内にすべき」などと教育活動に踏み込んだ越権的発言をしている。「条件整備」を旨ととすべき県教委、それにより教育成果を奨励すべき県教委が教育現場を窒息させようとしている。県教育行政の「現場との乖離」極まれりである。

「こんなやり方のほうが、定時制の『統廃合』を効率的に進められると県は考えているのでは・…」との教員の声を、単に悪い冗談と聞き捨てられるだろうか。

これでは、定時制教育を担っていこうとする教職員はいなくなってしまう。後任者が来なければ、全日制に異動したい先生は異動できなくなってしまう・・…。

こうした今日の県立高校現場に見られる教育的歪みの「震源地」は明らかに県教委であり、「倒壊の被害」を被るのは言うまでもなく県民の子弟 ― 生徒たちである。

今必要なのは、教特法で明確に認められている自宅研修も含めた自主研修をきちんと認めること、部活動や生徒指導などで時間外勤務となった場合には「適切な配慮」でもって「回復措置」を図り、教職員が健康で充実した教育活動ができるように、行政や管理職は対応することである。

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