2000年4月14日

   「平塚商業定時制修学旅行中止」 のち 「修学旅行実施」

私の感じたこと

平塚商業高校定時制99年度卒業生


  「修学旅行」。こんな誰もが知っていて経験したことのある行事が、私たち4年生に生涯忘れることのないビッグイベントになるとは、誰が予想し得たか・・・・。

  定時制高校はアンダーグラウンドな世界なので、ここに記しておきます。 生徒の中には健康状態(心・身)、いじめ、不登校等々、様々な状況により高校まで修学旅行に参加したことがない生徒もいます。多分、今回が初めての修学旅行となった生徒もいたでしょうし、何とか仕事の都合をつけ、楽しみにしていた生徒もいたでしょう。

  しかし、勝手に修学旅行を中止されたお陰で、すべての思いは壊されました。そのため、もう一度修学旅行を企画した段階では、「もう行く気が萎えた」と言った生徒もいました。それもそうです、会社には修学旅行に行くために休暇をもらい、そのあげくに「修学旅行が中止になったんで仕事します」と職場に出ていく羽目になったんですから、面白くないのが当然です

  「修学旅行」は実施されるには実施されましたが、様々な思いの交差する複雑な環境であったことに変わりはありません。私は仕事の都合がつき、「修学旅行」を楽しんできましたが、結果として仕事や健康状態により、参加したくても参加できなかった仲間たちのことを思うと、私の楽しい思い出の中に、彼らに対して、残念さ、申し訳なさがあることを正直にここに記させていただきます。

  基本的には、人を憎むこと、恨むこと、愚痴ることは、自分の人生というタイムリミットの中で、あまりにも小さく下らないことなので気にしないことにしているが、今回の「修学旅行中止」の件では事柄が重大だったので、はっきり言っておきたい。

  何事にもチャンスは一度しかないし絶妙なタイミングでトライできるのは一度だけだと思う。また、一人一人が持つ条件や環境、チャンスを活かせるように、人は理解し合い、助け合って生きているのではないでしょうか。

  私たちは署名運動を起こし、二人の学校責任者が更迭されましたが、当人たちは自分たちに何が足りなかったのか、わかっていただけたのでしょうか。

  ルールは大切です。しかし、時代に合わなくなったルールなどはどんどん変えていくことも大切です。「参加率70%のルール」にこだわった今回の事態は最初で最後にしてほしい。時代の移り変わりで、修学旅行に参加したがらない生徒もいると思いますが、私は小、中、高と修学旅行に参加してとても楽しかったし、今回は人生最後?の修学旅行でしたから・・・。今後とも、できる限り多くの生徒たちが修学旅行に参加し、その楽しさが経験できる環境が続くことを願います。

  最後になりましたが、修学旅行を実施するために応援してくださった先生方、生徒たち、その友達、定時制のOBの方々、マスコミ各社の皆様、弁護士の先生、私の両親と妻、私の友達、「お陰様で楽しく修学旅行に行ってくることができました」。本当にありがとうございました。

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