1999年10月12日

「高校再編統廃合計画」―各地区シンポで問題点指摘される


  9月25日、川崎市で行われた「県立高校の再編」を考えるシンポジウムで、昨年度中学3年生の進路指導を担当した教員が、中学生の進路保障の観点から「再編統廃合計画」を厳しく批判した。

  それによると、今年度川崎市内の公立高校不合格者は945名で、前年度より321名増となった。これほど大量の不合格者を出したのは、市内公立高校希望者が192名も増えているのに、中学卒業者数が減少する(川崎南部で89名減)ことを理由に、2クラス80名の定員減を行ったためである。現在でも、毎年60%近くの生徒が市内公立高校普通科を希望しているのに、そのうち3/4しか入学できない。

  「統廃合計画」で県立普通科高校を削減していくと、公立高校普通科の進学率が川崎南部で40%から20%台に下がることとなり、ますます公立高校に入学することが難しくなる。「行こうと思っている学校がなくなるって聞いたら、入りたくなくなっちゃうと思います」という現役中学2年生の声も紹介したうえで、入学希望者数に見合った県立高校の定員確保が必要であると強調した。

  10月2日には、横浜市でシンポジウムが行われ、神奈川県では全国最低水準の私学助成のもとで、公立にも私学にも通えない子どもが増えていることが指摘された。また、この「統廃合計画」は、約3,700名の子どもを公立普通科高校から閉め出すことを前提にしているということが示され、「再編統廃合計画」を根本的に見直すことが必要であるという発言が相次いだ。

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