1999年9月7日

「単位制高校」の問題点を話し合う

                    ―  99年度日高教 全国定通教育交流集会に参加して ―

横浜翠嵐高校定時制   松藤 哲

 7月26日、27日に秋田県で開かれた日高教定通部主催の全国定時制通信制教育交流集会に参加しました。今年のテーマは、「単位制」でした。

   中高一貫・定時制3部制・総合学科・「単位制」の高校からの報告

  中高一貫・定時制3部制、総合学科、「単位制」という「多様化」のデパートのような学校が、岡山で夜間定時制2校を統合して、この4月に開校させられました。開校記念式に文部省のナンバー3が出席、入学式で岡山市長が「命をかけて守る」と激励。彼らも、命をかけるくらいでないと守れないと思っているのだろうか。

  高校の時間割は1日12時間(神奈川県が開設しようとしているフレキシブルスクールの2校と同じ時間数)。生徒は、午前部80人、午後部80人、夜間部40人。過半の単位を在籍の時間帯でとるルール。学習意欲のある生徒は少ない。その生徒たちに履修計画を立てさせ、「産業社会と人間」(総合学科の必修科目)の準備もする。初年度のためもあるが、教員の1学期の勤務時間は1日12〜15時間、「必ず誰か倒れると皆が言っていっている」、と報告されました。

    「単位制」と夜間定時制は役割がちがう

  いくつかのレポートをもとに、「単位制」について議論されました。・「『単位制』に対応できる力を持っている生徒は、今の定時制の生徒の中心ではない」・「全日制のひずみが『単位制』を求めているのであり、『単位制』と夜間定時制は役割がちがう」・「昼間定時制では、なぜ昼間学ぶ生徒が定時制課程である必要があるのか、疑問だ」・「昼間定時制をつくるんだったら、全日制で受け入れるようにすべきだ」などの意見が相次ぎました。

  また、東京からは、マスコミでもてはやされてきた新宿山吹高校(定時制4部制)について、退学者が多い、HRがなく生徒の把握ができないなどの点で、都教委も評価を変えてきたようだとの報告がありました。

   東京では、統廃合計画が立ち往生のところも

  この6月、都立高校の統廃合の第2次計画(第3次まで予定)が発表された東京では、保護者を中心に「都立高校の統廃合・再編を考える会」が結成され、反対運動も活発なようです。「単位制」を提示された都立国分寺高校では、生徒などの反対で計画が立ち往生しています。羽田工(定)、鮫洲工(定)などをつぶして「単位制」を新設すると提示された大田区では、定時制を残せという運動が進み、発表後2年が経っても新設校の場所が決定できないでいるそうです。

  神奈川の統廃合計画に対しても、生徒・保護者・地域住民・教職員の要求をぶつけていかなければと思いました。

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