1999年6月30日

岡崎県政は、財政の面からも教育を蝕んでいる

 

財政危機」というなら県財政を精査し、県民本位の健全化の方向を
県民や教職員に示すべき

 二期目に入った岡崎県政は、県民本位のものになっているだろうか。新年度予算の特徴は、「財政危機」を叫び、マイナス予算でありながら、大型公共事業路線は貫徹され、ついに県債残高は2兆1000億円を超えている。

  岡崎県政一期4年間の県債増加額は約8600億円。長洲県政が18年で累積した県債額をさらに約450億円も上回る額である。利権がらみの公共事業型県政にした点でも明らかに失政であり、その責任はきびしく問われなければならない。

  この歪みは、県民の福祉と教育など自治体の住民奉仕という基本的役割を大きく破壊する結果を来している。ここでは、特に教育関係の実態を指摘し、県行財政健全化の方向性を明らかにしたい。

教育財政の、驚くべき削減攻勢

 昨年秋からの夜間定時制高校給食の「値切り」と新年度の値上げ。「2年連続応募者15名以下は募集停止」という機械的な定時制のリストラ。この4月には夜間定時制なのに「財政危機だからムダな電気は消すように」と校長を通じ現場を指導、玄関灯、廊下灯、階段灯の消灯が日常化しつつある。

  専任のいない教科や障害者や外国籍の生徒への措置も含めた非常勤講師時数の配当が対前年比10%カット、追加配当しても前年比83%。このため免許外教科担当の教員が生まれたり、カリキュラムの運営に困難を来している県立高校が全日制、定時制を問わず出てきている。

  校舎の老朽化で危険校舎が増加、その補修が強く求められているのに、年々減額してきた高校施設整備事業費は新年度ついにゼロ! 耐震補強工事予算は、前年の約半額まで減額されている。
 
 不況で退学せざるえない生徒が出ているにもかかわらず、私学高校生一人当たりの補助単価を全国最下位レベルに削減、さらに学費補助の所得基準も引き下げ、対象者を削減している。30人学級をめざそうとしない、退職者のあとを補助しない、教職員の平均年齢がかなり高くなっているのに、新採用を極端に抑制した人事を行っている。

  以上見てきたように、岡崎県政は「財政危機」をかざしながら、教育活動を行っていくうえで、必要な基本的経費(人件費、経常費、営繕費、補助費等々)を際限なく削減して、財政面からも教育現場を荒廃させつつある。ちなみに、昨秋の県職員の賃金確定において一時金の8%カットで、235億円(対象職員78,000人)、一人平均30万円を超える人件費を削減している。

投資的予算を削減し、県民本位の予算編成を要求すべき

 では、この県財政をどう健全化させるか。その方向性を示し、県政が住民奉仕の立場に立つには、何が必要なのか、われわれはどのような運動を行って行くべきなのかを示したい。

  第一に、自治体の住民奉仕という根幹的性格にてらして、県行財政がその運営に伴う義務的経費(人件費など基本的経費)をきちんと予算上に位置づけることであり、その姿勢を県当局に迫ることである。

  第二に、自治体がその運営をするうえで援用する法律、たとえば地方自治法、学校教育法や人事院規則等々が、その本旨に違反することなく運用されているかどうか、自治体労働者や教職員が県民とともに点検していく運動を展開すること。

  第三に、自治体の住民奉仕という使命に支障を来している岡崎県政の予算編成内容について精査し、投資的予算(大型公共事業など)は正し、岡崎知事の「財政危機」をかざした専断的な「教育・福祉予算のカット」「県立高校敷地など県有財産の民間払い下げ」の姿勢を、県民や住民運動・労組が批判し、県民本位の予算編成を強く要求して行くべきである。
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