1999年5月26日

  三崎高校定時制の募集停止の結果

約35名が進路変更や就学機会を奪われる

  夜間定時制高校は、高校教育の機会をぜひ得たいと求める人々に向けて、常時準備されているはずの公的な教育機関ではなかったのか―。こんなことを改めて考えさせるような問題が定時制教育をめぐって次々と起こっている。

  計画進学率のアップで全日制希望者はほぼ入れると言われながら川崎市内で、全体で945名の不合格者が出て市議会で問題になったり、県立定時制では、相模原、県央地区などで80〜100名の不合格者が出ている。「再編計画」が発表された横浜市立定時制では、入学者が平均して20%増となっている。

  では昨年秋、県教委が31000を超える陳情署名を退けて「募集停止」に踏み切った三崎高校定時制のある三浦地区では、その結果どうなっているのか。昨年夏の組合交渉で現場の先生方の要請意見に対し、県教委が答えた「計画進学率の上昇で全日制のキャパスティーが大きくなる(から全日制に行けばいい)、入学者減は短期的なものではなく必然的なものだ」との発言は、正確で誠実なものでなかったのは明らかである。

  本来なら三崎高校定時制に通うはずだった希望者が、遠距離の定時制に通っている。しかもこの通学には、就職や仕事を犠牲にし、家人の協力に頼るしかない―。その人数は、35名であり、県が「募集停止基準」とする15名の約2.3倍である。県の教育行政の「不在」を示す結果である。

  「考える会」の問い合わせに、「特に女の子には横須賀への通学はきびしいんですが」「不登校でしたが、三崎の定時制があったら家の農業を手伝いながら行ったでしょうねえ」「女子ですが横須賀までは通えなくて、いま家事手伝いしながら、来年近くの高校を受験するつもりの子がいますよ」などと話して下さる中学の進路指導の先生方の調子にも複雑のものが感じ取れた。

  夜間定時制高校を希望する人々が、現実にいる。「身につく、糧となる高校教育が受けたい」こうした希望を持って定時制の門戸をたたいてくる人が増えつつあるという事実に立ってこそ、県教委は定時制教育の充実を図るべきである。

  三崎高校の「募集停止」の決定が、いかにこうした教育要求の流れに逆行したものだったか、下記の表(三浦地区の4校の中学校と横須賀市西端の中学校2校において、99年度の入試で約35名の生徒が三崎高校定時制ではなく、横須賀市とか横浜市の定時制ないしサポート校へ進学するか、進学を断念したことを示す表)が示している。

  この三浦地区での進学機会の縮小をぜひ是正して、三崎高校定時制の募集を再開すべきである。



  99年度 三崎高校定時制への志願が予想された生徒の、他校定時制等への進学状況

    横 地区  横浜地区  横須賀地区  横須賀区 三浦地区 総計
 県立a校  市立b・c校  県立d校  サポート校 少年工科   未 定
 男  女  男   女  男  女   男  女   男  男   女
三浦市 a中学校  1   0   0  0   0  0   0  0   0   0   0   1
b中学校  0   1   2  0   0  0   0  0   0   0   2   5
c中学校  2   1   1  0   1  0   0  0   0   0   0   5
d中学校       1         0     0      
横須賀市 e中学校  3   4   4  0   0  0   1  1   2   0   0   15
f中学校  1   0   1  0   0  0   0  0   0   0   0   2
  総計  7   6   8  2   1  0   1  2   2    4   2  35

注    e中学校=例年、三崎高校に通学する実績のある中学校
     f中学校=横須賀市最西端の中学校

トップへ戻る