1998年4月15日
定・通制の良さを知らせ、広める
「あいち定通父母の会」
この3月末(1998年)で、46年間神奈川の定時制教育に大きな足跡を残してきた川崎工業高校の定時制課程が閉じられました。また1998年、小田原城東高校定時制と城内箱根分校が募集停止となりました。
県教委は、機械的できわめて厳しい「基準」(入学者が2年連続15人以下の場合は募集停止)でもって、募集停止を強行しました。
全国的にも、定時制の統廃合が、父母や住民の反対をおしきり進められています。
しかし、一方では「あいち定通父母の会」、「大阪の夜間高校を励ます会」、「京都の定通教育を考えるみんなの会」、「北海道定通教育を考える会」など、父母が中心となり教職員や生徒、市民も参加して、定時制・通信制教育の良さを見直し、統廃合ではなく、定通教育の充実と発展をめざしていこうという運動が、今や全国的に広がり始めています。
ここでは、その運動の先陣を切り、各地のお手本となり、今でも精力的に活動しているあいち公立高校父母連絡会「定時制・通信制父母の会」の運動を紹介します。
「定通父母の会」はどのようにしてできたのですか
1992年の春、子どもが全日制の受験に失敗してしまい、「お宅のお子さんがいく高校はどこもありません」と言われた母親が、「あいち公立父母連絡会」と連絡をとり、定時制高校を訪れ、直接授業や学校を見てみようということになりました。
訪問した定時制では、自由な雰囲気の中で、のびのびと授業が進められていました。これに感激した二人の母親が、「定時制高校訪問記」という小冊子を発行したところ、評判となりました。
問い合わせが殺到するなかで、同じ悩みを持つ親が多いことがわかりました。そこで、二人の母親を中心に保護者と教職員が、定時制と通信制のことをもっと知ってもらうために、「定時制・通信制進学説明会」を企画し、開催しました。
説明会は、300余名の保護者・生徒・教職員の参加で大成功を納めました。その後、「父母と教師と語る会」や秋の進学説明会などを開催していくなかで、この集まりを継続していくためにも組織が必要ということになり、1994年12月、「あいち定時制・通信制父母の会」が設立されました。
どんな会で、どんな活動をしているのですか
定時制・通信制高校の父母保護者、生徒、OB、教職員、そして定時制・通信制を応援してくれる市民が会員となっています。
行っている活動は、主として次の四つです。
@毎年、春(2月)と秋(10月)に進学説明会を行っています。
A「入学おめでとうチラシ」を入学式に保護者・新入生に配布しています。
B毎年、2〜4回「父母と教師と語る会」を開き、父母同士の交流、保護者と教職員との懇談を行わっています。
C「父母の会ニュース」を年4回ほど出し、活動の様子を知らせてます。
こうした活動は、マスコミも注目し、これまでに二次募集で入学した生徒も一次募集の生徒と同じ入学式に出られるようになったり、名古屋市立定時制の給食が自校方式となるなどの成果を上げています。また、機械的・一方的な統廃合を許さないなどの運動へと発展しています。
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