1995年6月19日


     給食費・教科書の国庫補助削減反対

全生徒への補助を堅持拡充させよう!


 1995年3月28日、文部省は95年度の定時制・通信制課程の新入生から教科書給与費・給食費補助の対象を有職者に限定とする(骨子)とする、「補助金交付要領」の変更などを各都道府県教委に通知、現場に波紋をよんでいる(実質施行は96年度)。

 進学率を押さえ、受験競争や序列化を激しくする教育行政の結果、定時制に追い込まれた「不本意入学者」などにより無職の生徒が増加しているが、その解決をはかるのではなく、それを口実とした今回の通知は、政府・文部省による二重の責任放棄である。しかも、生徒たちの間に差別・分断や混乱をもちこむものである。

 批准された『子どもの権利条約』にもあるように、教育費の無償化が世界的な流れとなっている今日、定時制生徒へのわずかな国庫補助(本件では1食あたり72.27円の2/3を県が実質負担)さえ削り取ろうとする政府の姿勢は非情である。
 この「非情」の背景には、補助金削減などを目標とした地方行政リストラ、「地方行革」を推進する自社等の連立内閣の姿勢がある。昨年の村山首相の所信表明演説(「行革断行こそ、この内閣が全力を傾けるべき課題」と述べた)を受け、大蔵省や自治省が促進する中で、文部省が屈服して出したのが、冒頭の通知なのである。

 教育現場の疑問や反発、困惑は、次のような点で大きくなっている。

・修学には完全給食の保障が必須条件であり、不可欠な形で定着しているのに、なぜ条件を持ち込むのか。
・関係当局は、無職者の多くなっている原因と実情をよく知りながら、なぜ「有職・無職」の区別を立てるのか。
・「青年の健全な発達の保障」や、働きたくとも仕事がない生徒を保護するなどの教育的配慮がなさすぎる。
・補助金削減は給食制度を崩し、本当に給食が必要な生徒もとれなくなるし、定時制そのものを崩壊させないか。
・先行き不安の社会の中で、学歴を求め学ぶ生徒にこれ以上の障害を課すべきではない。
・喫食できなくなった生徒の生活指導(校外での買い食いなど)で、学校側は正論をもって説得や指導ができるのか。
・健康管理の指導は、やりにくくなる。
・専任事務員なしで教職員がする「給食事務」は、さらに煩雑で過重なものになる。生徒全員の補助申請や、障害者や生活保護者の証明など人権にかかわる問題を含むものもあり、事務判断も公正を保ちきれるのかなど。
 

 いまこの問題の解決に緊急に必要なことは、各職場で民主的な討議と合意による生徒全員の教科書給与・給食費補助の保障を大前提とする方針をもつこと。

 そして、県当局が対応方針を固めるという秋口(9月はじめ)に向け、そしきの違いを超えて各教組が連帯し、県当局・県教育長あてに、自治体の独自措置も含めて現在の補助の水準を維持し、さらに改善することを求める教職員、保護者、県民の署名活動に取り組み、要請行動を重ね、実りある交渉をすることである。

(『ニュース』第20号 1995年6月19日)

トップ(ホーム)ページへもどる