2025年4月11日
定年退職後、工業高校定時制に入学
― オートバイのパーツを作りたい ー
県立神奈川工業高校 定時制機械科 4年
初めまして。私はこの春(2025年3月)に定時制工業高校を卒業する予定の五年前に定年退職して二度目の高校生ライフを楽しむものです。
私の趣味はオートバイで移動することで、当時乗っていた機種は不人気種で、あまりパーツが出ていませんでした。じゃあ自分で作ってやろうと考えたのですが、まったくと言っていいほどモノづくりの知識がなく、具体的に手を使ってモノを作るには、工業高校の機械科がいいと考えました。
そこで全日制にするか、定時制にするかで迷ったのですが、私が、定時制を選んだ理由は、第一に、授業料が安いことです。無職ですから支出は押さえたいのです。
第二に、定時制なら、制服を着ないですむことです。だいたい六十歳を超えた爺が学生服なんて、コスプレ以外の何物でもありません。
最後に、昼間の時間が自由になることです。ロードショウ―や展覧会・展示会等は日中です。学校に来ていては上映を見たり、見学したりはできません。しかし、定時制であれば、十七時半始まりなので昼間の時間をどう使おうが自由です。
さてもうすぐ卒業式を迎えますが、この四年間で一番きつかったのは体育の授業でした。六十歳を超えた老人が現役高校生と同じ土俵で体育の授業を受けるのです。
特にスポーツは、三年生、四年生ではほとんど勝てませんでした。これは同級生たちが身体的に成長したためです。特にスポーツテストは最下位で、頭では理解していても、悲しかったです。また、四十肩で肩が不自由だったので、ものを投げるのは辛かったです。
とはいえ、一年生の時にはよく足をつらせていましたが、先生のご指導で、始める前に十分な水分摂取をするようにして、高学年ではほとんどなくなったのはありがたかったです。それに、この歳で高校生と必死にスポーツできるなんてワクワクしました。
あと、世界史の授業は発明品、例えば、鉄道の歴史では、鉄道車両ってステアリングがないということに改めて気づかせていただき、その車両で曲がる機構にびっくりしたり、自動車の歴史では、ベンツが当時あったいろいろな機械を組み合わせたり、発明したりして一から自動車を作り上げたとか、なるほど工業高校の授業だなと思いました。
また、実習では、旋盤やフライス盤を使うのに、最初はおっかなびっくりなのですが、段々なじむと思い通りに加工できて、この歳になっても成長できるという嬉しさを味わいました。
まあ、終わってみると楽しかった時間ばかりで、とても他のものに変えられない思い出になると思います。
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