2024年12月5日
全日制進学率 2024年4月88.2%、2023年89.3%、2022年89.6%
希望する課程の高校に入学できる計画策定を
9月5日、神奈川県公私立高等学校設置者会議では、2025年春の全日制の生徒募集計画を決めました。
それによると、公立中学卒業予定者66,307人に対し、「県内公立39,300人 県内私学14,900人 県外等5,483人(予測)で、計画進学率:90.01%」です。
かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会では、7月29日に、県教育長宛と県知事宛に「2025年度に向けての生徒募集定数の請願(生徒の希望を生かした募集計画の実現)」を出しました。
しかし、8月23日の県教育委員会議で「請願」は「不採択」となりました。
請願の「全日制を希望する子は全日制で、
定時制を希望する子は定時制で、
通信制を希望する子は通信制で」は
実現できているか
神奈川県では毎年10月20日に、中学3年生を対象に「進路希望アンケート」を実施しています。これを元に高校の「生徒募集計画」を作成し、高校入試の準備をするのが目的です(右グラフ参照)。
かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会では、「全日制を希望する子は全日制で、定時制を希望する子は定時制で、通信制を希望する子は通信制で」と希望する校種に進学できる条件整備を求めています。
しかし、下の表1のように、今年(2024年)の入試で、全日制では750人の不合格、定時制では440人の不本意入学、通信制では1,906人の不本意入学が出ています。
物価高、「経済困難」は教育にも影響
「7月31日の第2回」公私協で、2024年4月の全日制高校生徒進学率(全日制進学率)が発表されました。なんと88.2%です。
公立・私立の別なく、学費の完全無償化で
「家庭の経済事情」に関わらず平等な教育を
全日制進学率の低下は、家庭の「経済困難」にあります。
@ ここ2,3年は「私学進学」が増加してきました。しかしそれが2024年になって計画に対して379人マイナスで急速に低下しました(表3)。
A また、表1及び表2を見ると2024年は、定時制および通信制の「希望」も増加し、「入学者」も増加しています。
以上のことからも、家計支出の増加が教育に影響していることは明らかです。
隣の東京都では、2024年度から学費無償化の所得制限が撤廃され、公立・私立の高校について世帯の収入状況に関係なく申請できるようになりました。
しかし、公私協議会、設置者会議では「生徒は家庭の経済状況を心配している」との発言があっただけで、「学費の無償化」についての議論は全くありませんでした。
小学校、中学校、高等学校や大学・専門学校などの「学費無償化」は、民主主義の社会を続けるためには絶対必要です。次世代の若者の人生が、現在の親の経済事情に左右されては、「階級社会」、「身分社会」の再構築になってしまいます。「次世代若者への投資」こそ必要です。
全国並みの「全日制進学率93.5%」の実現で、生徒の立場に立った「募集計画」を
今年春の「全日制進学率88.2%」は異常です。2022年89.6%、2023年89.3%、2024年88.2%と、年々急速に低下しています。
また、「実績」が「計画」を下回ることは、「募集計画の失敗」です。ここ10年間を見ると、2017(平成29)年以降ずっと続いていますし、2022(令和4)年以降は80%台に突入し、低下を続けています。
「神奈川に住んだから教育条件が悪くていい」ということは許されません。 生徒の立場に立って、議論・審議することを求めます。トップ(ホーム)ページにもどる