2024年3月2日

  3学級募集の翠嵐定時制をなぜ募集停止にするのか 理由不明、全く理不尽

神奈川工業(定)工業三科を再編したいからでは

開示された県教委事務局の説明資料は、その個所を黒塗りで隠す

 昨年8月、「横浜翠嵐高校定時制の存続を求める会」は、翠嵐定時制の存続を求める約2100筆の教育長と知事宛の署名を提出しました。署名を受けた県の回答は、「翠嵐に比べ神奈川工業の方が交通利便性等が高いと判断して」というこれまでの説明の繰り返しでした。

 しかし、なぜ他の夜間定時制に比べて入学者が多く3学級規模であり、外国につながる生徒への多文化共生・支援教育に実績のある翠嵐定時制を募集停止にしなければならないのかが全く説明されていません。

 それだけでなく今回、神奈川工業(定)に普通科を新設することによって、工業三科の再編を視野に入れていることが、開示された県教委事務局の説明資料から明らかになりました。
 
 

神奈川工業全日制の再編にまで言及、
普通科新設で7学級規模になることを検討せず

 2022年4月に県教委総務室改革グループが教育長に説明した資料が、このたび明らかになりました。それによると、過去4年間の翠嵐と神奈川工業の入学者数、充足率は上記の表のようになっています。

  H31(2019)年   R2(2020)年  R3(2021)年  R4(2022)年
横浜翠嵐   72名 51.4%  49名 35.0%  48名 34.3%  36名 34.3%
神奈川工業   51名 36.4%  27名 19.3%  34名 24.3%  26名 18.6%
希望ヶ丘(参考)  39名 37.1%  38名 36.2%  14名 13.3%  22名 31.4%
 

 この4年間、翠嵐は神奈川工業や希望ヶ丘より入学者が多いことわかります。さらに、「翠嵐は外国につながる生徒が突出して多く、ここ数年はネパールの生徒が多い」と記されています。

 また、<考え方>という項目では、「日本人の生徒の多くは、神奈川区から通っており、同じ神奈川区内の神奈川工業に普通科を設置することは、交通利便性の面からも適当」と唐突に断定されています。

 さらに、「外国につながる生徒は、横浜・川崎地域からまんべんなく通っており、学校の所在地よりも出身国のコミュニティが成立していることが重要」と下線付きで書かれています。日本人生徒を優先することが、それとなく記されています。

 一方、3学級規模の翠嵐定時制を募集停止にして、4学級規模の神奈川工業定時制に普通科を新設すると7学級規模になります。今回のV期計画のもとになる「県立高校改革実施計画(全体)」において、「夜間定時制は、1学年2学級以下の規模を標準」とされています。

 普通科新設はこの原則を大きくオーバーさせることになるのにもかかわらず、説明資料はそれを全く検討していません。
 その上で、次のように結論が記されています。

 横浜翠嵐を募集停止とし、神奈川工業に 普 通 科  (単位制に移行)を併置。神奈川工の全日制工業科を単位制工業科に再編し、電気・機械・建設科を  としたうえで、普通科と併せ  とする。( 注)(  は黒塗り)
 

 全日制工業科の再編にまで触れたうえで、電気科、機械科、建設科をどのように再編し、普通科と併せ、どうしようというのでしょうか。

 この説明資料からは、神奈川工業定時制工業三科を再編するためにも、横浜翠嵐高校定時制の募集停止はどうしても必要ということが読み取れます。

 翠嵐定時制の募集停止については、教職員だけではなく、広く識者、県民からの声を聞き、一旦募集停止を見直し、今後については時間をかけ検討すべきです

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