2023年11月17日
今年春の全日制進学率は89.3%(計画進学率90.3%)、首都圏で最低
来年度の募集計画では「計画進学率」が90.1%
実際の進学率が80%台になることは確実
全日制進学率が89.3%(2023年4月)
8月3日の第2回公私立高等学校協議会で、今年春の進学率が発表されました。公立中学卒業者68,002人に対し、公立39,973人(58.8%)、県内私立15,050人(22.1%)、県外私立等5,673人(8.3%)で、全日制進学率は89.3%(高専を含む)でした。
通信制への進学希望が増えているとは言え、全日制進学率が80%台というのは異常です。
来年度の計画進学率は90.1%に決まる
来年度の募集計画は8月28日第3回公私協で審議され、9月6日の公私立高等学校設置者会議で決定されました。
公立中学卒業予定者67,003人に対し、公立39,850人、私立14,950人、県外等を今年と同じ8.3%とすると、計画進学率は90.1%となります。
ここ数年は、実績は計画より1%程度低いため、実際の全日制進学率は良くても89%程度になりそうです。県立高校の統廃合を意識して、公立の募集定数を控えることが始まっています。
「高校卒業」は社会人として必須 「全日制進学率93.5%実現」は当然の権利
現代の日本社会では「高校卒業」は社会へ出るための当然の条件として求められています。高校への入学を保証することは大人世代の子ども世代に対する義務です。
首都圏でも、全国でも各都道府県は92%〜93%程度の全日制進学率を実現しています。神奈川県でも「県立高校改革計画」(1998年)で「全日制進学率93.5%の実現」を掲げました。
全日制希望率が低下、2023年は89.9%に
「生徒募集計画」では2019年頃から、公立高校が目標に足りない(定員割れ)事態が始まっています(下表参照)。
進学率低下の主な原因は県立希望の低下 真剣な原因究明と対策を
2019年の「153人不足」が、2023年には「777人不足」と拡大しています。「公立」は、県立・横浜市立・川崎市立・横須賀市立とありますが、「不足」は県立高校で起きています。しかし、「公私協議会」や「県当局」はこれを検証していません。
全日制希望率はここ数年下がり続けています(右グラフ参照)。一方で「広域通信制希望の増加」が言われ、「進路希望の多様化」と割り切った議論も行われていますが、もっと複雑な事情がありそうです。
「高校改革で県立がつまらなくなった」とか「県立高校は校舎がきたない」との声も聞きます。「どうして県立高校を希望しないのか」を真剣に考える時です。
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