2021年11月14日
2021年4月の全日制進学率は90.3%、首都圏で最低来年度の計画は、2019年の実績値90.8%より低い90.6%!
8月31日の公私立高等学校協議会、9月7日の公私立高等学校設置者会議において、来年度の高等学校生徒募集計画が合意されました。
−「人権意識に欠ける」2022年度生徒募集計画−
来年度の公立中学校卒業予定者67,079人に対して、公立40,350人、私立14,700人で県外進学者の想定が5,695人(8.49%)、「計画進学率」は90.6%と、2019年度の実績値90.8%より低い値を決めました。
「全日制進学率は90%台であれば良い。高校全入はあり得ない。高校は競争が必要で計画進学率は希望率より低いのが当然」という考え方が透けて見えます。ここには「生徒に高校教育を受ける権利を保障する」といった、人権に立った考え方が欠けています。21世紀の教育行政のあり方として問題です。
かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会は
請願は8月24日、県教育委員会議臨時会で審議されました。教育委員からは、請願に基づいて、数々の疑問・懸念が出されました。
計画進学率93.5%と少人数学級などを求めて請願
「請願者の資料で、進学率が近年低迷傾向になっているとあるが」(笠原委員)。「進学率が近年、90.3%と低迷している。1999年目標値を93.5%以上としたのは、どのように決まったのか」(下城副委員長)。「全日制の進学率向上という点では、請願者と県は同じ方向を目指しているといえるのでしょうか」(佐藤委員)等々。
最後に桐谷委員長から「募集定員策定の方式について、この方式に変えてから一定の効果があった。公私協議会には、保護者の方も参加して意見を述べている。実施計画については、少子化に向かって行く中で、課程、学科など適正化を図っていこうということである。請願については、趣旨の一部については県教委と同じ方向ではあるが、不採択としたい」と提案があり、了承され、請願は不採択となりました。
憲法第26条は、居住地にかかわらずすべての国民に
「教育を受ける権利」を保障している!
高校統廃合を止めて、1999年県が約束した93.5%の実現を
神奈川県では2000年から2011年までの「県立高校改革計画」で25校が削減されたため、多くの全日制希望者がやむなく定時制や通信制に進学して、全日制進学率が低下しました(右のグラフ参照)。
その後、改善するかに見えましたが、2016年以降「実施計画」による統廃合(Ⅰ期・Ⅱ期で計8校削減)が始まると再び低下を始め、2021年4月には90.3%にまで低下しました。
中学3年生に対する希望調査は10月に行われており、中学校や塾では前年度の進学率を反映した進路指導が行われています。進学率が低下すれば厳しい指導が行われ、全日制希望率も低下します。
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