2021年3月1日
高校統廃合見送り、少人数学級実施、教員増員を求めて対県交渉
ーいのちとくらしと雇用・営業を守る県市民実行委員会・対県交渉ー「保護者や学校現場の生の声が聞けて良かった。
岩盤が動き始めた。少しずつ社会システムが変わってきている。」と県担当者
11月11日、教育・文化・スポーツ分野に関わる対県交渉が行われました。
今年度は「新型コロナウィルス感染症拡大の中で県主催の会議が原則WEBないし書面あるいは中止となる状況にあるが、相互の理解を深めるために対面による話合いは必要である」との合意のもと、参加者と時間、項目をしぼり、県側は10名、県民連絡会側は各団体から2名とし、かながわ定通懇談会として「かながわ定時制通信制教育を考える会」メンバーも参加しました。
7月に出した要求書(この分野だけで155項目の要求)に対する県の文書回答を踏まえて、スポーツ、県立図書館、特別支援学校増設・設置基準、教員不足・教員確保、高校統廃合、少人数学級についての再質問が行われ、この交渉を踏まえて、12月に県市民実行委員会としての重点要求を県に提出します。
<教育の重点要求:①小中高における20人以下学級を展望した少人数学級の実現、②深刻な教員不足の解消>
「国に少人数学級の要望書を出している 県独自の少人数学級は財政上不可能」と回答
県回答:国には法改正により早期に35人以下学級を拡充するよう要望書を出している。標準法の改正、より柔軟な学級編成、教職員体制の確保などを要望している。県独自の少人数学級は、財政上むずかしい。
発言(小学校教員):分散登校で20人学級となり、丁寧な指導ができて、子どもたちも授業が分かると喜んでいた。子どもの人権の立場から考えて欲しい。
高校統廃合したら、少人数学級ができなくなる! 県は「既定の実施計画を推進」と回答
来年秋から冬にかけて策定される「高校改革実施計画Ⅲ期」では、最大20校規模の県立全日制高校統廃合と夜間定時制高校の統廃合計画が盛り込まれる予定です。
県は現在、各夜間定時制高校を順番に視察していて、現場では「夜間定時制を現在の18校を5校に減らす」という情報が流れています。
県回答:全日制については、実施計画で『適正規模と適正配置』(一学年6〜8学級以上)をいっており、ここで『見直す』とは言えない(文書回答では、審議会報告「8〜10学級、全校で1200人程度」にも言及)。要望があったということは上司に伝える。
『夜間定時制を現在の18校から5校に削減する』という計画は全くない。現在、夜間定時制の各学校をまわって、勉強させていただいている。その中で、一学年4名しか入っていないという実例もあった。夜間定時制についても『適正規模と適正配置』を検討して行きたい。
発言(保護者):一クラスの人数が少ない定時制の現状は保護者から見ると理想的な環境だ。中学校まで不登校だった子どもにとっては、近所に高校があることはとてもありがたい。
中学から高校へ進学する時は、周囲の環境も変わり、気分を変えて新しく学校へ行く大きなチャンス。学校へ行く気になったそのときに選べる高校があったために進学できて、いまでは休まず毎日学校に通っている。
来年度の生徒募集で見ると、県立高校136校中23校が一学年9〜10学級(40人学級)の過大規模校です。募集生徒数を1校240〜360人以下にしないと30人以下学級はできません。
横浜北部では8校中5校、川崎北部、鎌倉湘南では7校中3校で、これらの地域では、今後も人口増加が見込まれており、入学希望生徒数も増加します。これ以上、県立高校を減らしてはなりません。
文科大臣が「30人学級を目指すべきだと考えております」と発言し、文科省が「少人数学級の検討」を始めている今、少人数学級を不可能にする高校統廃合は見送るべきです。
『コロナ禍』で変化の兆し、『岩盤』が動き始めた
神奈川では「安倍教育再生」のもと、「実施計画」など生徒・保護者の自己責任・自己負担を強調する(自助)、新自由主義的な教育改革が進んでいますが、『コロナ禍』で、その矛盾が明らかになっています。
少人数学級実現、統廃合見直しで、経済効率優先の教育政策を改めさせよう
交渉のまとめの発言で、県課長は「全国一斉休校が現状を見直すきっかけとなった。社会システムが少しづつ変わり始めている。」と現状見直しを示唆しています。
トップ(ホーム)ページにもどる