2020年10月23日

 

コロナ禍、「県立高校改革」V期計画策定に際し、
 統廃合による大規模校化ではなく、適正規模と30人以下授業を

 
 2016年度から開始された「県立高校改革実施計画」(2016〜2027年度)は現在U期途上であり、V期計画の策定が始まっています。この策定に際して、これまでと同様の基本姿勢ですすめるのではなく、現在のコロナ禍、今後の経済状況の悪化等を十分に踏まえた策定が求められます。 


過大規模校(1学年9学級以上)と40人学級は、3密そのもの

 前回の「県立高校改革」(2000〜2011年度)よって県立高校が25校も大幅に削減されたことにより、全日制高校に入学できない生徒の大量発生、夜間定時制の定員オーバー、そして全日制の過大規模校化がすすみ、当時の「改革推進計画」で適正とされた6〜8学級を超える9〜10学級規模校が続出しました。

 現在でも、一つの学年で9学級以上である県立高校が横浜北部で5校(68%)、川崎北部で4校(44%)、鎌倉市と茅ヶ崎市ではそれぞれ2校(50%)など、全県で全日制135校中29校も存在します。

 過大規模校であっても1学級は40人であり、校舎内外に多くの生徒が集まり、3密状態が持続することになります。密を避け身体的距離を確保するためには、教員を加配増員したうえで、少人数授業を行うことです。

 

学校規模を1学年5〜7学級にして、柔軟なクラス編成を行い、30人以下の授業を

 現在クリエイティブスクールや課題集中校などでは、1学年6学級であれば、その240名について学校判断で柔軟なクラス編成を行い8クラス規模にして、授業を30名で実施しています。7学級規模の学校では280名を10クラス編成にすると28名授業、9クラス編成では31名の授業となります。1教室に30名程度であれば、密状態をいくらか回避できます。

 県教委事務局は現在でも少人数の授業は行っていると言いますが、これは数学や英語を2学級3展開(2学級を3グループに分ける)授業で行っている一部の学校の例です。しかし、上記の柔軟な編成では、国の40人学級という制約のもとでもすべての科目で少人数授業を行うことができます。

 こうした編成ができるためにも、学校規模は1学年8学級以下、できることなら7学級以下とすべきです。9学級以上となると、学校施設上、教室が不足するため柔軟な編成を行うことができません。

 コロナ禍が続く中で、今後家庭の経済状態が厳しくなり、公立高校への進学割合が増える可能性があります。こうした状況下で、県立高校を大幅に削減・統廃合することは学校規模の大規模化につながります。

 9学級以上の過大規模校を解消し適正な規模にして、30人以下授業を可能とするような、「県立高校改革実施計画」V期の策定を強く求めます。

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