2020年3月4日

 寄 稿 

定時制高校の勤務になって

神奈川県立高等学校(夜間定時制)教諭


 本紙の読者がほとんど教職員であり、定時制・通信制の高校の内部に精通していらっしゃると思われる。原稿依頼を受けたものの、私ごときの日常における教育活動を記載しても何の面白みもないし、語れるほどの仕事はしていない。

 こんな私がなぜ定時制高校勤務を希望したと思いますか? 本音の答えはズバリ「80・50問題の直面」です。83歳になる父の介護は想像以上に大変です。

 結果的に昨今は午前中に時間的な余裕がうまれ、父に寄り添うことができている。全日制勤務が続いていたならば私自身が身体にかなりの変調を来していたであろう。実際に危なかった。4月の転勤はまさに絶妙なタイミングであり、そう考えると今は私を支えてくださっているすべての皆様に感謝でしかない。

 私の今年度の定時制勤務と昨年度の全日制勤務を表にしてみたのでどうぞ。
  

全日制(N高)普通科 夜間定時制(現在)
通常の勤務時間  8:30〜17:00  13:00〜21:30
最終退勤時刻  19:30  22:30
夜間定時制手当(1ヶ月)  なし  34,000円
全校クラス数  30クラス  12クラス
全校生徒数  約1170人  約290人
1クラスの生徒数  37〜40人  20〜25人
頭髪指導  あり  なし
服装(装飾)指導  あり  なし
通常の清掃指導  あり  なし
職場ストレスチェック度  110〜120  70〜80
担任希望  不足して、臨任も正坦  希望者多い
転勤希望・人事異動  毎年、多いな〜  組合員の異動希望なし
 

 他にもいろいろあるけれども、ここまで記せば、4月からどのような変化が起きたかが読み取れよう。生徒の実態やその背景にある環境については大きな変化はないし、またそのようなことをここに記すべきことではないだろう。

 「矜持があり、持論を展開できる、何事にもバリバリの人」にはなれる器ではない私。プライベートと仕事は完全に分ける性格。今更性格は変えられない。このまま定年まで働かせてもらえればありがたいが、さて、どうだろう?

 私がここまで来られた最大の要因は、こんな私であっても生徒が元気をくれるから。簡単に言えばそう言うこと。あと数年、もう少し楽しませてもらおうかな。最後にわがままかもしれぬが、できることは今までどおりやらせていただくが、できないことは「できません」と恥じることなく言わせていただこうか。

 

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