2020年1月10日

県市民実行委員会 対県交渉報告

過大規模校解消、統廃合反対、公費図書費の大幅増
夜間定時制への事務職配置、定数内臨任の解消・正規教職員増等を求める



 11月15日「くらしと営業を守る神奈川県市民実行委委員会」による教育・文化・スポーツ分野に関わる対県交渉が行われ、「考える会」メンバーも参加しました。県側から、教育局総務室、高校教育課、教育施設課、教職員人事課など26名、県市民実行委員会側から、神障教組、高校連絡会、小・中学校連絡会、新婦人など約20名が出席しました。

過大規模校は困難増加、1学年8学級以下と統廃合見直しを要求

 総務室は昨年と同様、「2014年の協議会報告を踏まえ、1学年6〜8学級以上を基本としつつ、それぞれの学校や生徒の実状にも配慮して取り組むこととしている」と回答しました。「過大規模校では問題が生じていないのか」という質問に対しては、課題(集中)校で生徒数の多いところでの問題は聞いているとのことでした。指導が難しくなっているのは過大規模校化にあることを率直に認めることが必要です。

 統廃合については、社会状況の変化を踏まえ、今後の変化(中学校卒業生の推移など)を見ていくとのことでしたが、全体で20〜30校の統廃合を否定せず、問題を残しました。
 

公費図書費(16.7万円)の大幅増、夜間定時制事務職配置を現場から強く要求

 県立夜間定時制の現職教員から、現場の実状が報告されました。東京や横浜市などでは約160万円(1校当たり)の公費図書費が県立高校では16.万7千円しかありません。定時制が設置されている学校でも単独校と同じ予算です。そのため、生徒から全日制で総額約230万円、定時制で7万円程度、私費図書費として徴収し、何とか図書館を維持しているとのことでした。

 全定併置校では図書を共通利用できるから同じ予算を配当しており、昨年2万円増額し16万7千円にしているとの回答に対しては、「全定の生徒では読書傾向に差があり、単独校と同じ予算では、十分な図書を購入できない。全定併置校には定時制利用分として50万円増額すること」と要求しました。

 夜間定時制では生徒が5時半ころ登校しても、事務職員はいません。そのため、生徒が持参した納入金や書類を教員が次の日まで保管しなければなりません。県は、事務職員の割振りなど学校の実状に応じた対応を図っていると回答していますが、毎日、それも21時頃まで対応しているわけではなく、横浜市や東京、埼玉などと同様に夜間定時制専任の事務職員を配置するよう強く求めました。

定数内臨任の解消をめざし、正規教職員の採用増を要求

 近年、定数内臨任が増加し、育児・療養等の休暇臨任と重なり、代替臨任確保が困難になり、非常勤講師(職員)へのくだきや欠員のまま校内対応を行うという事態を生み出しています。そこで、年度当初の定数内臨任を解消し、正規教職員の採用を増やすことを要求しました。

 しかし、県は学校の統廃合、生徒数の変動などによる定数減などを理由に「ある程度の定数内臨任はやむを得ないものと考えています」という立場を今年も変えようとはしませんでした。特に、問題であるのは、文書回答にはなかった財政難という言葉を述べたことです。これは、財政難であれば義務標準法に基づく教職員配置をしなくてもよいのだという考えにつながり、標準法の否定になります。

 総務省の通知でも「公務の運営においては、任期の定めのない常勤職員を中心とするという原則を 前提とすべき」と記されており、定数内臨任の解消をめざし、正規教職員の採用を抜本的に増やすことが求められています。

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