2019年12月28日
インクルーシブ教育実践推進校 来年度入学定員8〜10学級規模 6校も
自ら定めた「県立高校改革実施計画」の学校規模基準も守れず
10月末に発表された来年度の公立高校募集定員において、新設11校を含めたインクルーシブ教育実践推進校14校のうち6校が、県教委が「県立高校改革実施計画(全体)」で自ら定めた標準規模1学年7学級を超えることが明らかになりました。
校名 入学定員 学級数 標準規模かどうか 19年度学級数 総学級数 城郷高校 240+21 7 ○ 8 23 霧が丘高校 360+21 10 × 10 30 上矢部高校 240+21 7 ○ 7 21 川崎北高校 280+21 8 × 9 26 橋本高校 280+21 8 × 7 23 上鶴間高校 280+21 8 × 8 25 津久井浜高校 240+21 7 ○ 7 20 湘南台高校 240+21 7 ○ 7 21 茅ヶ崎高校 280+21 8 × 8 24 厚木西高校 240+21 7 ○ 7 21 伊勢原高校 240+21 7 ○ 7 21 足柄高校 240+21 7 ○ 7 21 綾瀬高校 320+21 9 × 9 27 二宮高校 240+21 7 ○ 7 21 2016年1月に策定された「県立高校改革実施計画(全体)」では、インクルーシブ教育実践推進校の学校規模が次のように規定されています。
「障がいのあるなしにかかわらず、共に学ぶ仕組みを提供するため、1学年7学級規模を標準として、指導上の必要から多様な学習指導の展開が可能となる規模」(「県立高校改革実施計画(全体)」)
インクルーシブ校は、知的障がいをもった生徒が1学年に最大21名入学しますが、想定されている学級数でクラスを編成すると、1クラス37〜38名となり、「多様な学習指導の展開」は難しくなります。
したがって、学級数を7学級以下におさえたうえで柔軟な学級編成を行い1学級増やすと1クラス32〜33名となり、不十分ながら様々な学習指導がいくらか可能となります。しかし、8〜10学級となると、柔軟な学級編成ができなくなります。
障がいをもった子の保護者からは「我が子がわからない授業を1日がまんして聞くことになるのは不安。1学級20名程度の少人数にしてほしい」という声があがっています。
県教委は、なぜ自ら策定したインクルーシブ教育実践推進校の標準規模(1学年7学級)を超える学校が6校も生じたのかを明らかにする説明責任があります。それとともに、この6校に対しては、加配を追加するなど手厚い配慮を行い、再来年度は7学級以下にすることが必要です。