2019年8月28日

バカロレア校1学級25名・・・・インクルーシブ校は1学級37名

インクルーシブ教育実践推進校も、1学級25名規模に



 今年の2月に横浜国際高校が国際バカロレア校に認定されました。それを先取りして国際高校の国際バカロレアコースが昨年度から1学級25名程度募集され、入試を終えて今年度4月からスタートしています。

 このコースは1クラス約25名であり、授業をはじめとする学習指導、ホームルームなどの生活指導、家庭との連絡など、教員は基本的に25名を担当すればよいことになります。

 一方、知的障がいをもっている生徒が一部入学するインクルーシブ教育実践推進校は、1クラス35〜38名規模であり、バカロレア校との違いを前にして改善を求める声が挙がっています。



インクルーシブ校 最大1学年21名、 知的障がいの生徒がいるが、1学級37名規模

 インクルーシブ教育推進パイロット校3校は、今年度で3年目に入りました。茅ケ崎高校と厚木西高校は、それぞれ21名の連携募集に11名と21名が志願、志願者全員が合格し入学しています。足柄高校は南足柄市と足柄上郡で行っていた連携募集に加え、小田原市と足柄下郡を対象とした特別募集を実施、連携募集で7名、特別募集で14名、合わせて21名が入学しています。厚木西高校を例にとると、一般入学の6クラス238名に連携入学の21名が加わり、計259名を7クラス展開にしており、1クラスは37名規模となります。

 昨年度までは、志願できる生徒はB2程度(12歳程度の学力)という制限がありましたが、現実にはこれより障がいの重い(B1程度)の子も入学していました。知的障がいの生徒21名を単純に7クラスに割り振ると1クラス3名となり、この3名を含む37名を担任、副担任、そして学年の教員で担当することになります。

 パイロット校では初年度には、各校7名の加配教員がつきました。しかし、昨年度は7名の他に追加された加配は3校で6名しかなく、初年度のようなきめ細やかな個別指導ができなくなりました(今年度の追加加配は各校4名のみ)。

 昨年の11月に行われた県・市民実行委員会による対県交渉において、障がいをもっている子の保護者が、「パイロット校では教職員の追加加配を減らされ、障がいをもっている生徒がわからない授業を1日がまんして聞くことになるのではないかと、とても不安です。1学級37〜38人の規模ではなく、20名程度の少人数にすべきです」と訴えました。

夜間定時制の少人数教育を、インクルーシブ教育に活かすべき

 夜間定時制では、応募者が入学定員を満たさないこともあり、発達障がいや知的障がいと思われる子がこれまで入学してきており、こうした子どもたちへの教育実践の経験を積んできました。夜間定時制でこうした実践が可能であるのは、1学級の入学定員が35名であるうえに、柔軟な学級編成などの工夫を行い、ほとんどの学校で1クラス25名以下で授業が行われているからです。

 バカロレアコースが1学級25名で行うことができるのなら、インクルーシブ教育実践推進校も25名規模とし、保護者や県民の不安を払拭して、充実したインクルーシブ教育を行うことが、今強く求められています。


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