2019年3月31日
全国最低の高校図書費を他県並みに改善して、 私費徴収の全廃を
高校の図書館費用に、県費はたったの14万円 いっぽう、東京、横浜、川崎は約160万円
右のグラフは、神奈川と全国の都道府県について、県立高校の図書費に各県がどれだけ支出しているかを計算したものです。
そもそも高校の図書館運営には年間約150〜200万円(校種や課程、生徒数によって異なる)かかりますが、神奈川県では定時制が併置されている高校も含めて一律に1校14万1000円しか出していません。残りの130〜180万円は、「図書費」として月あたり150〜200円程度を保護者から徴収しています(下のB表参照)。
B 平均的な県立高校(普通科)図書費の例(神奈川県)
私費 ・ 公費 図書費徴収金 1,668,600 150円×12月×927名 県費図書費
141,000
繰越金 74,363 ・ 利息 0 ・ 収入合計 1,742,963 ・ ・ 書籍費 1,020,000 図書購入 新聞雑誌費 600,000 ・ 消耗品費 120,000 図書整理用品等 予備費 2,963 ・ 支出合計 1,742,963 ・ 92.5%
私費の割合7.5%
公費の割合
授業にかかる費用も、県費の不足で私費負担!
図書費ばかりではありません。普段の授業にかかる費用、体育でのボール類、理科の実験材料、美術の画用紙、社会科などのビデオなどの消耗品も大半が「私費」(教育振興費として保護者から徴収)でまかなわれています。
標準的な県立高校の施設管理や教育活動に関わる費用の約半分が「私費負担」です(C表参照)。それでも不足しているため国語・社会・数学・英語などの授業に関わる費用はまともに支払われていません(数年に一度数万円程度)。
C 平均的な県立高校(普通科)の施設管理や教育活動に必要な経費(支出)
科目 教育振興費(私費) 県費対応 合計 管理費 665,000 1,174,300 1,839,300 36% 64% 100% 分掌費 2,003,431 3,350,687 5,354,118 37% 63% 100% 教
科
指
導
費
国語 0 0 0 社会 0 0 0 数学 0 0 0 理科 215,000 79,920 294,920 保体 1,200,750 700,000 1,900,750 音楽 313,660 67,520 381,180 美術 194,203 0 194,203 英語 23,760 0 23,760 家庭 361,260 0 361,260 情報 10,800 0 10,800 小計 2,319,433 847,440 3,166,873 73% 27% 100% 計 4,987,864 5,372,427 10,360,291 48% 52% 100% ・ 収入(教育振興費):保護者から徴収しても赤字
400円×12カ月×927人=4,449,600円
神奈川県の教育費全国最低47位、教育費の大幅増額を!
神奈川では、過去30年間、構造改革・地方行革・財政改革のもとで、教育予算が圧縮されて、学校現場での予算が不足しています。総理府統計でも神奈川の県民一人当たりの教育費は9万9600円で全国最低の47位です。
本来、公立高校では授業料以外の金を徴収する理由はありません。まして、授業料無償化の時代です。税金を県民に還元する意味でも、教育予算の増額、理由のない学校徴収金の廃止は緊急の課題です。