2018年12月23日
統廃合により4校削減し、インクルーシブ校を11校増設すると
中卒生徒数が減少しても、大規模校は解消されず、より拡大
2018年度県立高校全日制1学年の学級数別校数を、地域ごとに10学級から4学級以下までとして表にまとめてみました。
地 域 10学級 9学級 8学級 7学級 6学級 5学級 4〜1学級 計 過大規模
(9学級以
上)校数過大規模校率 横浜北東・川崎 5 8 8 5 5 0 0 31 13 41.9% 横浜南西 0 4 11 9 2 0 2 28 4 14.3% 横須賀三浦・湘南 3 4 3 9 3 1 3 26 7 26.9% 中・県西 0 1 4 5 8 2 1 21 1 4.8% 県央・相模原 1 5 5 11 8 1 0 31 6 19.4% 計 9 22 31 39 26 4 6 137 31 22.6% 前回の県立高校改革推進計画で適正規模とされた6〜8学級を超える9学級以上の学校(過大規模校)がすでに31校(22.6%)も存在します。特に、横浜北東・川崎地域は、41.9%にあたる13校が9学級以上の過大規模校であり、「適正とはいえない」規模で教育が行われています。
県立高校全体では、平均学級数は7.34学級ですが、7学級以上校でみると平均は8.01学級となります。これが、県立高校を4校削減し、インクルーシブ校を11校増設指定した実施計画U期案の完成年度(2024年3月)にどうなるかを試算したのが以下の表です。
公立中
学卒業
生徒数全日制入学者 県立全日制入学者数と平均学級数 統廃合等の条件 % 人数 % 人数 高校数 6学級以下の学校(35+10校と推定)を除いた場合 生徒数 平均
生徒数平均
学級数2024年
3月66,976 93.5% 62,623 58.5% 39,181 134 28,541 321 8.0 4校削減しない(T期5校のみ削減 130 336 8.4 4校(トータル9校)削減 2027年
3月63,877 93.5% 59,725 58.5% 37,368 134 27,208 306 7.6 4校削減しない(T期5校のみ削減) 130 320 8.0 4校(トータル9校)削減 119 373 9.2 トータル20校削減 全日制には、クリエイティブスクールや専門学科高校など学校の特色等により、6学級以下でなければならない学校が必ず存在します。それらの学校を35校と考えました(2018年度は36校)。
また、インクルーシブ校は21名の連携募集を含め7学級規模とされており、通常募集は6学級なので6学級以下校に含めました。今回指定されたインクルーシブ校11校のうち10校は現在7学級以上校であり、特に霧が丘は10学級、川崎北・綾瀬・上鶴間は9学級です。これら10校の学校がインクルーシブ校になると6学級以下になるので、2024年度には6学級以下校は45校と推定されます。
また、全日制進学率を前回の県立高校改革推進計画で県自身が掲げた93.5%とし、県立全日制入学者の公立中卒生徒数に占める割合を58.5%とすると、4校削減しなくても7学級以上校の平均学級数は8.0学級となり、現状(8.01学級)と全く変わりません。中卒者の減少分がインクルーシブ校の学級減などで相殺されてしまうため、過大規模校は解消できません。
さらに、4校を削減すると、8.4学級となり、現状より過大規模校化が進むことになります。その後V期計画で統廃合をすすめトータル20校を削減すると、中卒生徒数が減少しても2027年には7学級以上校の平均学級数は、現状を大幅に超えた9.2学級となります。こうした統廃合は、絶対に認められません。