2021年10月6日

生徒募集活動に県費支給を 組合本部も募集活動を支援せよ

 

「連合路線の見直しをニュース」第13号(1994年3月2日))より


 計画進学率アップのもとでの全日制入試が終わった。進学率92%が、定時制の応募状況にどのような変化をもたらすかは今のところわからない。確かに今後、新規中卒者の絶対数が減少していくことは明らかであるが、経済的理由や不登校・登校拒否などがなくならない限り、定時制を希望してくる新規中卒者がいなくなることはないであろう。

 またこれからは、中卒後進学しなかった人や中途退学者(神奈川県だけでも年間数千人いる)が高校教育の場を定時制に求めてくることが増えてくると予想されれる。

 したがって、定時制の将来を統廃合一色で塗りつぶすのではなく、「完全な後期中等教育をすべての人に保障する」という立場で、小規模な短学級校であっても、地域に根ざした学校として定時制を残していくことが必要である。

 生徒募集活動もこの観点から考えていくことが必要であろう。従来の主として新規中卒者対象の募集に加え、既卒未進学者や中退者にも目を向けていく必要があると考えられる。そうすると、募集活動もポスター、看板、電車等の中吊り広告など、様々な工夫が求められることになる。

 当然、費用もかなりかかることになり、これまでの県費では足りないことは明らかである。県教委は川崎市教委や横浜市教委が行っているような募集活動(川崎の場合はバスの中吊り広告、横浜の場合は各校を紹介するリーフレットなど)を県単独で行うとともに、それぞれの学校の募集費用を県費で保障することがひつようである。

いくつかの学校の募集活動

A校 学校紹介のリーフレットの作成と配布。 費用は10数万円(県費と私費)
B校 ポスターを作り直す(カラー化)。 費用は10数万円(県費
C校 従来通りポスターとビラ。看板も出す予定。 費用は約20万円(振興会)
D校 ポスターを町内会や駅の掲示板に貼り出す。費用は約数万円(私費)

 また、神高教組合本部も「組合本部が県立高校の生徒を募集するのはどうなのか」、「お金がかなりかかる」等と消極的な発言に終始するのではなく、東京の高教組が行っているような電車の中吊り広告やラジオのスポット宣伝などに習って、大いに各校の募集活動を支援してほしいものである。

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