2013年7月2日



全日制合格者増加 不合格者大幅減少
差別的な定通分割入試はやめ、真の共通選抜を


入学定員拡大を求める運動の成果

 2013年度の公立高校の入試は、問題が多く見直しを求められた前後期複数回入試が廃止され、一本化された共通選抜となりました。
中学卒業生が前年より1,300名ほど増えるのに伴い、公立高校の募集定員は1,150名増の42,560人とされました。二次募集も含め、合格者総数は42,687人で、公立中学卒業生に占める割合が62.9%となり、前年より0.1%、前々年より3.5%増加しました(下表参照)。その結果、不 合格者数(13年度7,284人12年度は後期選抜の8,866人)が大幅に(1,582人)減少しました。

 公立全日制を希望している子の多くが公立全日制へ進学できる道が少しずつ開かれ始めてきています。これは、「定通懇」(かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会)や組合などによる全日制入学定員拡大を求める運動の成果と考えられます。

 一方、共通選抜において二次募集した学校が出た(全日制23校・定時制1校)という声が聞かれますが(昨年度はなし)、入試制度が変更となった年には、公立校の定員割れがよく起きています。今年度も7,000人以上の不合格者がいるということを踏まえるならば、定員割れを問題視するのではなく、公立全日制の入学定員拡大を求める運動を、今後も続けていくことが必要です。

夜間定時制や通信制も共通選抜で100%募集を

 定時制現場によると、昨年までの前期募集50%から今回共通選抜で80%募集にしたことにより、成績その他の面で本当に定時制を希望している子が初めから受けに来ているとのことでした。これが、全日制や昼間定時制、フレキシブルの定時制のように共通選抜で100%募集となると、定時制を希望している子や社会人も受けやすくなります。

 共通選抜といいながら、夜間の定時制や通信制だけを80%募集にしているのは、夜間定時制や通信制は全日制や昼間定時制を不合格となった子の「受け皿」であるという、差別主義です。共通選抜で定員割れとなったところは、全、定、通にかかわらず二次募集をすればいいのです。二次募集の日程に差をつけることは考えられますが、共通選抜は夜間定時制も通信制も100%募集すべきであり、それが名実ともに真の共通選抜といえます。

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