2011年6月4日


 定時制通信制父母の会第15回全国交流集会、神奈川で開催される



 3月26日、27日の両日、第15回全国交流会が横浜桜木町の「市従会館」で開かれました。両日、震災の影響で交通手段など乱れている中、定通教育の充実を目指して、全国の各地域で運動を進めている「定通父母の会」、「定通みんなの会」、「かながわ定通教育を考える会」など会員の方々が集まりました。

 当日、「かながわ定通教育を考える会」からも会員4名が出席し、定通教育の抱える様々な問題について、真剣に話し合い交流を深め、来年の再会を約束し、散会しました。

 1日目
 開会に先立って映画「月あかりの下でー ある定時制高校の記憶ー」を上映した。その後、参加された大阪、京都、愛知、埼玉、茨城、神奈川などから、以下の報告がされ、入学定員問題を中心に話し合われた。
 
 京都の取り組みは一定の前進をみている。京都市内府立高校定時制の募集定員30人を増やし、30人学級を、発足15年目に実現した。昨年度まで4年間、合計201人が定時制で学ぶ機会を奪われたことを残念に思い、新たな運動を誓っている。
  
 大阪では年収610万円までの私学無償化が実現し、その影響で、3月16日の入試で数十校の全日制高校が定員割れを起こした。同時に募集された夜間定時制の志願倍率は0.5〜0.6になり、定時制希望者を受け入れることができた。だいぶ、神奈川とは違うようだ。   
  
 2011年度の愛知の定時制入試は、夜間定時制の志願者数が120人の大幅増加となっている。神奈川と同じように、定時制に希望しても入学できない子が200人以上に達しているようだ。保護者からは、「居場所を失う子どたちの続出が懸念される」と報告された。
  
 埼玉では、県議会で全国の保護者の願いを無視して、「高校授業料の実質無償化の見直しを求める意見書」を多数決で採決するなど反動的な動きが報告された。

 「かながわ定通教育を考える会」の保永さん(神奈川県立定時制高校教員)から、ここ10年、神奈川では、高校再編計画の影響で全日制に入学できない子どもが増加しているなど、神奈川における問題点とそれに対する私たちの取り組みについて、発言があった。

 2日目
 この日は、定通教育の抱える様々な問題について、報告・ 討論が展開された。 

 授業料無償化に伴う問題
 経済的に困難な定通高校に通う生徒にとって、授業料免除になっても、税制上の矛盾や、行政上の保助政策の後退など、以前と比べても、負担が重くなるケースなどの問題が指摘された。

 夜間給食制度の劣悪化又は補助費全廃止の問題
 夜間給食の補助金が一般財源化されたため、どこの県や市も夜間給食がなくなった。成長期の生徒にとって、規則正しく、バランスの良い食事が摂れず、生徒の健康が損なわれるのではないかと心配する発言が、多くの参加者からあった。

 進路の問題
 定通生徒の進路の問題が、共通する悩みとなっている。特に、就職指導の難しさが指摘された。今の社会が不況の中で、どのように定通生徒の進路先を広げていくのか、また、教職員からはどのように指導していったらよいのか、模索している参加者の発言が印象的だった。

 父母の会が抱える課題
 最後に、「父母の会」を前進させていく為に、どのような取り組みをしたらよいのか、来年まで考えておくことを確認し、日程を終えた。

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