2009年8月15日

2009年7月6日

定時制大量入学の責任を取り、夜間給食の充実を図れ

−給食見直し問題、県の姿勢は二転三転!−


 「ニュース」100号でとりあげた夜間給食見直し(廃止)案について、保健体育課の姿勢が揺れている。

 まず、国が法制化した学校給食衛生管理基準を理由にほとんどの定時制高校給食を廃止しようとしたことについて。給食継続を希望する業者自らが、文部科学省に問い合わせたところ、逆に「この基準によって、給食を廃止されては困る」といわれたそうだ。県は急に態度を変え、、「給食をだめとはいっていない」 「栄養士を配置できればやってもよい」 「専門知識があれば、必ずしも栄養士でなくてもよい」と徐々にトーンダウンし、結局は次項で述べるように”予算削減”が目的だった。

 次に、喫食率(33%以下)を理由に廃止を迫ったことについての苦し紛れの答弁だが、“はじめに予算削減ありき”ということがばれると、さらに「財政当局を説得させる材料として、喫食率上昇が欲しい」と手のひらを返してくる。昨年12月に保健体育課が出した「給食見直し案」は何だったのか。単なる思い付きのポイント稼ぎだったとしか思えない。

費用対効果で生徒の生存権を奪うな!

 6月12日、保健体育課との交渉で、給食見直し提起の出発点をたずねた。「財政当局からの見直しで、定時制関係の予算にシーリングがかかっている。費用対効果を示す必要がある」、県議会においても、「定時制にこんなに金をかけるな」という発言が平然と飛び交うらしい。

 「教育は百年の計」である。将来を担う若者に対して予算をケチろうなど、恥ずかしくないのだろうか?まして、青年期の「食」の問題である。費用対効果などという成果で測るべきではない。保健体育課は、毎年生徒の身体計測・身体能力について、各学校のデータを集め、体力向上・食育改善を大目標に掲げているが、こんなことで財政当局に押し切られてしまう、その程度のことなのか、と思うと情けない。
 

当事者抜きでの廃止論議はおかしい

  われわれはこ給食廃止を生徒・保護者の知らぬ水面下で進めるべきではないと、生徒・保護者に対するアンケート調査の実施を要求した。それに対し、県は「03年に実施し、生徒の要望も聞いた。改めて実施しても喫食数が増えるとは思えない」と回答している。これは論点をごまかしている。08年のアンケートは給食廃止も視野に入れた調査ではないはずだし、生徒の要望を聞いたのは良いが、メニュー、金額、味、量、食堂環境等について、どれだけの要望にこたえてきたというのかまったく不明である。何らかの改善をした上での喫食数だというのならまだわかるのだが。


すべての定時制が同じ条件で給食を取れるように、施設整備を図ることが県の責任だ

 今年度、4月から給食業者が見つからず給食が実施できずにいる学校がある。また、500人近い在籍者に対し、40席程度の食堂スペースしかない学校もある。同じ定時制学校において、このように更なる格差を生み出してよいのだろうか。

 今年度の定時制に関わる給食実施費は4,890万円だ(県内戸建の住宅が1軒買えるかどうかの額だ)。たったこれだけの予算さえ削減しようというのはあまりにも理不尽だ。不本意で夜間教育を強いられる生徒を大量に送り出す神奈川県としては、それなりの予算を投じて彼らの食育環境、生存権、教育権を保障することは当然だと考える。

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