2004年6月3日

 「よこはま定時制父母の会」は、6月1日この春の「2004年度入試」の混乱を踏まえ、横浜市教育委員会と神奈川県教育委員会に対し、以下の内容の要請書を提出しました。要請書の内容と理由については、横浜市教委に対しても、県教委に対しても同じです。以下にその要請書を資料として紹介します。


平成16年6月1日

横浜市教育委員会委員長 様
教育委員      各位   様
(神奈川県教育委員会委員長様
教育委員      各位  様)

よこはま定時制父母の会

要請書



1.要請内容
 教育状況の複雑化する今、地味であるが夜間定時制高校を維持し豊かにしていくことはとても重要なことになっております。貴教育委員会は市民の声を真摯に受け止め、横浜地区夜間定時制高校の定員数の維持改善について前向きなご検討を切にお願い申しあげます。特に、市立戸塚高校の定時制の存続を強く要望致します。


2.要請理由
@平成16年度の公立高校入学試験は、今年度から前期・後期の二段階、全日制・定時制同日程の新方式で行われ、後期選抜で7854人の不合格者を出しました。二次募集で全日制は112人、夜間定時制は約580人を合格させましたが、101の不合格者を出し急きょ三次募集をせざる得ない状況に追い込まれました。最終的に募集定員103人に対して30人が面接試験を行い、25人が合格し 5名の不合格者を出しました。特に横浜地区では二次募集で60人の大量不合格者を出しましたが、当該地区の募集は県立神奈川工業高校電気科のわずか3名であり、しかも不合格者5名を出してしまいました。このことは如何に横浜地区の夜間定時制高校の定員数が不足しているかを物語っています。

A夜間定時制高校へ当初から希望する生徒は確かに少数でありますが、近年は社会の変化に伴って不登校児、全日制の不合格者及び中退者、外国籍の方、経済的に余裕のない方等がやむを得ず定時制を選択する機会が増えてきています。しかも、中学卒業生減少の流れは来年度で底を打って微増に転じますので、横浜地区の夜間定時制高校のニーズは減少傾向にはないと考えられます。

B横浜地区の夜間定時制は6校あり、翠嵐、希望が丘および戸塚の3校が普通科です。平成16年入試の平均競争率は1.25倍でいずれも人気は高く、立地条件も良く市外からの通学も便利です。しかしながら、市教委は市立高等学校再編計画の後期計画で戸塚高校を平成17年度以降に募集停止し、横浜総合高校への統合を検討しています。これが実施されますと一気に140人の定員減となり、学ぶ機会を失うことになります。一方、前期計画では港、横浜工業、横浜商業の定時制の募集を平成14年度に募集停止を行い、大きな混乱を招き戸塚及び横浜総合高校で急きょ特例措置として受け入れ枠を拡大したことは周知の事実です。このことは募集に関して激減緩和処置を欠いた結果と考えられます。

C今なお学歴社会の中、中学卒業資格では職業の選択肢は極めて狭く、最低、高校卒業資格が必要とされています。様々のハンディのある人々にとって夜間定時制高校は、学びの最後の受け皿で人生の再生の場でもあります。卒業生は自立し、定時制の通学して良かったの声を数多く聞きます。また、在校生からは居場所を得て充実しているとの声が多く、保護者の拠り所にもなっています。

D教育状況の複雑化する今、地味ではあるが夜間定時制高校を維持し豊にしていくことはとても重要なことになっています。貴教委は市民の声を真摯に受け止め、横浜地区夜間定時制高校普通科の定員数の維持・拡大の前向きなご検討を切にお願い申し上げます。

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