2003年1月31日

 1月28日、川崎市教育委員会の定例会議において、「定時制高校を守る市民の会かわさき」から出されていた「@「川崎市立高等学校教育振興計画(案)」には、「定時制5校を2校に再編成」とありますが、この方針を見直してください。A十分な説明を行い、時間をかけた審議をしてください。」という請願と川崎市教職員組合高校部から出されていた「@『川崎市立高等学校教育振興計画』策定の前に中間まとめを出し、再度意見の聴取を行ってください。A策定委員会を公開で行ってください。B定時制5校を削減しないでください。」という請願の審議が行われました。

 当日は、午後2時の開始前から定時制の在校生2名と保護者、教職員、市民ら約30名が傍聴に訪れ、教育委員会の審議を見守りました。

 審議は、教育委員会事務局の主幹から45分にもわたって、振興計画案、なかでもとりわけ定時制を削減し、三部制の単位制高校を作ることなどが説明されました。教育委員からは、さまざまの質問が出され、計画案についてはもっと十分時間をかけて、慎重な検討と審議を行う必要があるという意見が体勢を占め、この日に請願の可否を決めるまでにいたらず、継続審議となりました。

 つめかけた傍聴者からは、「夜間定時制が削減されると、不登校の子や中退者、外国籍の人、障害者が身近に通うことのできる高校がなくなってしまうので、何としてもこの請願を教育委員会が受け入れてほしい」という熱い思いが伝わってきました。

 なお、「市民の会かわさき」の請願に賛成する署名数が、12月17日現在で4.573筆、そして28日の追加分が約7,400筆ということで、署名は1万筆を超えました(川教組高校部の請願署名数は2,321筆です)。

 以下に、この請願審議を傍聴した「かながわ定時制教育を考える会」会員から、「傍聴記」が届けられましたので、紹介します。


川崎市教育委員会会議の請願審議を傍聴して(傍聴記パートT)


  1月28日午後2時より川崎の教育文化会館において、先に「定時制教育を守る市民の会かわさき」が川崎市教育委員会に提出していた、市立定時制高校校を2校に統合する『振輿計画案>』に対して、『この計画の見直し求める請願』について、審議が行われました。

30名をこえる傍聴者が、市教委の『計画案』の説明と、それを受けての2時間余りにわたる名の教育委員の審議を見守りました。

委員から「単位制で部制というのは、これまでの夜間定時制と趣が違うものにならないか」「2校に限定する根拠があるのか」「時代の二一ズに答える必要もあるが、定時制のこれまでの良さを生かしていくことも必要」「教職員の昼後兼務の問題もある」「検討はかなりされてきて煮詰まっていると思う」「大きな理想的なものができるのかもしれないが、それだけに結論は急がない方がいい」「生徒の立場でもっと部制を数字の間題でなく、メリットとデメリットとを考える必要がある」などの発言が続き、この間、市教委からも補足発言などがあり、結局、「市の『振興計画()』をどう考えていくか、私たちももう少し勉強した方がよい」との結論となり、『請願』は継続審議となりました。これを受けて市教委事務局も「これまでの取組みのうえに、さらに市民の声を広く聞くようにしたい」と述べ、審議会は終了しました。

かつて県教育委員会の『県立高校前期再編計画()』審議がわずか10分ほどで終了、100年もの伝統ある高校があっけなく「廃校」(統合という美名をつけているものの、限りなく廃校に近い)となる会議を傍聴した経験があるが、それだけに「良識ある教育委員会」らしい審議であると感銘を受けました。

 今後は、夜間定時制の真の姿と良さを教育委員に知ってもらうとともに、「定時制を減らすな」という署名をさらに市民の中に広げていくことが必要だと思いました。

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