シリーズ 今定時制高校ではH

今正直に、定時制に入学してよかった

希望ヶ丘高校定時制97年度卒業生   朱山エミ

  この頃、希望ヶ丘高校での生活をよく思い出します。特別に何かあったわけではないのですが、卒業ということが身近に感じられます。4年前の入学時と今とがこんなにも変わっているとは自分でも驚きます。小学生、中学生とパッとした行動をしていなかった自分が、この学校に来てからというもの、日常の中でバカみたいにふざけたり、大きな声ではしゃいだりする高校生として普通の生活をしていたことを思うと、今はとてもうれしい思いです。

  それは、昔いじめられていて、何をするにもコソコソしながら学校生活を送っていたからです。昔、クラスメートに「汚い!」「学校が腐る」などの言葉の暴力やシカトなどの精神的な暴力を受けていました。定時制に入学して友達ができ、このことを知らない人達の輪の中に入って、普通の生活ができることが一番うれしかったのです。差別されない、それが私を積極的にした理由であると思います。

  友達に対しての付き合い方も少しずつ変わっていき、信頼という面では次第に厚くなっていきました。いじめられている頃は、人を信ずるのが怖く、心を開けないでいました。この学校に入学してからは、友達の私に対する接し方によって、私自身が少しずつ変わっていくことができたことが、学校生活をできた理由の一つでもありました。

  入学したときには考えられなかったことですが、今正直に「定時制に入学して良かった」と思えます。卒業できるということは自分だけの力ではないし、周囲の人達がいたからこそできるのです。それに、私自身が変わらないでいたら、いつまでたっても人の輪の中に入れないで、きっと悲しい思いをしていたことでしょう。希望ヶ丘高校定時制で学び、そして温かい友情を得られたことは、自分にとってもプラスになりました。後悔しないようにすることや人を信ずることなど、私がこの学校で学んだことは簡単にはできないことだったと思います。

  たかが定時制の4年間、されど私にとってはいろいろなことを学ぶことができた大切な学校生活だったのです。何年か先に、この学校のことを思い出す時があると思いますが、それはきっと楽しい思い出になるだろうと確信しています。

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