2000年4月4日(4月21日一部追加)
神奈川県教育委員会は、教育行政を担えなくなっているのか
「人事異動要綱」に明白に違反した
不当配転は、教育の生命を殺すもの
中陣唯夫
昨秋の「平塚商業高校定時制修学旅行直前中止事件」との関連で言えば、県教委はやるべきことは何一つやらない一方で、やってはいけないことをやっているのである。
具体的に言えば、○生徒への謝罪 ○「中止」によって生じた生徒への損害賠償 ○旅行中止の「不透明なキャンセル料支払い問題」の決着 ○担当学年団への名誉回復 ○人権侵害を受けた生徒とその家族から送られた、内容証明付きの謝罪要求書に対する小森教育長の回答など、県教委は全く何も整理することができないまま、責任をとっていないということである。
そして、その一方で1988年から適用(1997年一部改定 異動対象除外者は55歳以上から57歳以上に改定など)されて、この間のべ約14〜15万人を対象として適用されてきた「県立高等学校異動要項」の根幹を、今回の不当配転人事で「不渡り証文」のように破棄したのである。
やってはいけないことをやったというのは、もちろんこのことである。この「異動要項」を弄んだような「火遊び」の代償は、県教委の最高責任者、小森良治教育長が県立高等学校教職員全員に支払うべきだし、教職員全員がこれをきちんと小森教育長に求めるべき立場にある。
こうした不当な強制異動が教育の場でまかり通ってしまうと、例えば、「日の丸・君が代」強制問題や県立高校統廃合問題など、どんな問題でも良心に従って強く意思表明すれば、どのような結果がもたらされるかを教職員が考えるようになってしまうだろう。教職員は自由にものを言えなくなる ― 言論の自由が保障されない学校現場は、もはや教育の場とは言えない。
その意味で、今回の不当配転は、私一人の問題ではなく、神奈川県の教育に多大な悪影響を与えることは明らかである。
私は、今回の不当な強制異動を断じて認めるわけにはいかない。神奈川高教組の組織とともに、教育にかける県民や教職員の願い、そして私の信ずる教育の条理というものを踏まえて、県教委が辞令を撤回するまでたたかうことをここに表明する。
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