2005年4月8日
4月5日、県内教育関係5団体が05年度入試の終結を受け、『子どもを犠牲にした05年度高校定員計画についての抗議書』を発表し、県知事と県教育委員会委員長に対して厳重に抗議しました。
以下に、その『抗議書』を資料として紹介します。
2005年4月5日
神奈川県知事 松沢成文 様
教育委員会委員長 平出彦仁 様
子どもを犠牲にした05年度高校定員計画についての抗議書
新日本新婦人の会神奈川県本部
会長 柳下靖子
子どもと教育・くらしを守る神奈川県教職員連絡協議会
議長 福田 やよい
横浜市立定時制高校の灯を消さない会
代表 高坂 賢一
不登校の親の会(こだまの会)
代表 馬場 千鶴
神奈川県教育運動連絡センター
事務局長 加藤.誠
05年度神奈川の高校入試において、進学を希望しながら進学を断念させられる子どもたちを多数出した貴職の責任の重大性を厳しく追及するとともに、毎年繰り返されるこうした事態にも、その計画・方針を改めない貴職の態度に厳重に抗議するものです。
私たちは、自らの進路をめぐって苦しむ「受験生の立場」、途方にくれる「親御さんの立場」「県民の立場」から、再三にわたって抜本的見直しと緊急措置を要請してまいりました。本人はもちろん、見守る親御さんにとっても、希望に向かって羽ばたこうとするまさにそのとき、「不合格」を宣告され、進路未定のまま社会に放り出される心情を察してください。繰り返されるこうした子ども犠牲の残酷な政策は、憲法・教育基本法、子どもの権利条約の精神からも到底許されることではありません。
経過の中で、貴職が一定のご努力をなされたことは認めつつも、事態認識の誤り、その計画・方針の基本について根本的見直しが迫られていることを認識すべきです。
@ 私学には、毎年2,000名の空ができている。それが埋まらない限り、全日制高校に進学できない子どもたちが2,000名でる仕組みに県の計画がつくられている。
A しかし、私学にはどうしてもいけない経済状況の子どもたちが増えている。経済格差の拡大がすすみ、家計の二極分化が子どもたちを直撃している深刻な状況にある。
B それを解決するには、子どもたちが私学に通えるような条件整備をするか、公立高校の定員を増やすか、のいずれかの方策しかない。
C 私学設置者と公立設置者間の問題は、子どもたちには全く関係のない問題であり、一生に一度の受験にかける子どもたちをその犠牲にすることは絶対許されない。
D 定時制高校を全日制高校の安全弁に活用するようなこの間のやり方は、県教委の高校再編の方針にも反する安易な方策であり、今後繰り返すことは絶対に許されない。今年度の結果はその誤りと限界性を示している。
以上