2002年11月23日
横浜弁護士会、横浜市立定時制高校の統廃合で横浜市に対して再検討を勧告した
11月23日付の『神奈川新聞』によると、横浜市立定時制高校の統廃合の見直しを求めている「横浜市立定時制高校の灯を消さない会」が、「定時制入学希望者の学習権の侵害に当たる」として人権救済を申し立てていた問題で、横浜弁護士会は22日までに計画を再検討するよう横浜市に勧告した。
計画では、市内に5校ある市立定時制を、本年度から段階的に募集停止(今年は港、横浜商業、横浜工業の3校が募集停止となった。来年は鶴見工業が募集停止となる)していき、最終的には3部制の横浜総合高校1校に統廃合するとしている。
勧告は、「定時制高校は、とりわけ不登校経験者や中途退学者の教育を受ける場として極めて重要な役割を担っている」として、横浜総合高校などの「新設高校は現段階において、これまでの定時制高校が果たしてきた役割をカバーしているとは言い難い」と指摘している。
さらに、憲法で保障する教育を受ける権利の侵害に当たるばかりか、教育基本法にも違反するとして、生徒や保護者からの意見を聴いたうえで、募集再開や募集停止の凍結などを視野に計画の再検討を求めている。
今回の弁護士会の勧告は、これまで「よこはま定時制父母の会」や「灯を消さない会」に結集する保護者や定時制生徒が主張してきた「学習権の侵害に当たる」ということを法的に明確に示しただけではなく、市教委の計画が教育基本法にも違反しているという重大な内容を含んでいる。
横浜市教委は、この勧告を真摯に受け止め、早急に計画を凍結し、港高校、横浜商業定時制などの募集を再開すべきである。
なお、この勧告の関しては11月30日の県民討論集会「子どもたちに、高校教育の保障を」において、横浜弁護士会の弁護士さんが詳しい報告を行うことになっている。