2004年4月5日
4月2日、神奈川県教育委員会は先月行われた定時制の2次募集において、横浜や川崎を中心に101名の不合格者がおり、定時制志願者数の見通しに甘さがあったことを認め、定員に満たなかった9校で3次募集を行うと発表した。
募集する学校は、普通科は横浜や川崎は一校もなく、平塚商業、大秦野、伊勢原、津久井、小田原(単位制)の5校、専門学科は横浜の神奈川工業と川崎の向の岡工業、川崎総合科学、そして平塚商業であり、全体の募集人員は103名である。
今回の3次募集は、03年度内に行えなかったこと、また横浜や川崎の地域において、それも普通科で大量の不合格者が出ているにもかかわらず、普通科に行きたいのなら平塚や小田原、そして秦野など遠くの定時制へ行ったらよい、またそれができないのなら専門学科へ志望を変えたらよいと言わんばかりの内容となっており、本当に受検生と保護者のことを考慮したものとなっていない。
「かながわ定時制教育を考える会」の代表である中陣唯夫は、県教委が3次募集を発表する直前に以下のような県知事と県教育委員会委員長宛に抗議と3次募集への要望を提出した。以下、それを資料として紹介する。
松沢成文 知事
平出彦仁 教育委員会委員長
今春の公立高校入試の混乱を引き起こした、最高責任者である両氏に強く抗議します。
早くから今日の混乱が予想されたにもかかわらず、募集定数の改善に対応せず、一昨年の公立高校入試の混乱の教訓を生かすとの県議会での答弁にも違反して、それ以上の混乱を引き起こし、新年度まで解決、収束できなかった当事者責任について、重ねて強く抗議します。この事態に対するきちんとした態度表明を求めます。
本日、第三次募集実施の発表をなさると伝え聞きますが、競争率が高い地域や学科にその募集校を設定し、今回の事態解決に資するよう切に要望いたします。現在時点で定員を満たしていない学校だけでの募集は、進学を望んでいる生徒の二一ズに応えるものでないばかりでなく、さらに「自分はダメ人間だから不本意だけど入るしかない学校だ」という「自己否定」の世界に、またもや追い込む恐れのあるものです。ぜひやめてください。
この件に併せて、定時制の教育現場としては過剰としか思われない生徒数を抱える夜間定時制高校の人的、施設、財政的条件整備をすみやかに実施されるよう、強く要望いたします。
教育行政は、子どもの人権と密接にかかわっている行政であるとともに、貴職をはじめ自治体当局が自治行政にどの程度将来性を準備されているかを測る「試金石」だと思いますので、よろしくおねがいします。
2004年4月2日
かながわ定時制教育を考える会
代表 中陣唯夫