2016年6月18日

 6月1日、「かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会」は、県教委事務局と話し合いをもち、知事に対する二つの要望書を手渡しました。当日は、「かながわ定時制通信制教育を考える会」代表の保永博行も申し入れを行いました。以下、入試改善を求める要望書を紹介します。
神奈川県知事 黒岩 祐治 様


2017 年度に向けて、
子どもたちが安心して学べるように、、入試の改善を求める要望書


2016年6月1日
かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会
<懇談会団体>
横浜市立定時制高校の灯を消さない会       代表  高坂 賢一
かながわ定時制通信制教育を考える会         代表  保永 博行
定時制高校を守る市民の会かわさき       代表  浅野 栄子
不登校の親の会(こだまの会)         代表  馬場 千鶴
教育委員会を傍聴する会            代表  土志田栄子
港南区・教育を語る会             代表  田崎秀一郎
県民要求を実現し県政の革新を推進する連絡会 事務局長 神田 敏史
新日本婦人の会神奈川県本部   会長  泉水 令恵
神奈川県教育運動連絡センタ−   事務局長 加藤  誠

                
【要望項目】
 2016 年3月、神奈川県立高等学校における入学者選抜での採点等の誤りについて発表されました。これについて、以下の通り、要望します。

1,不利益を被った生徒については、当事者と十分に話し合い、その要望に添って経済的保障を含めた措置を行うこと。

2,確かに誤りはあってはならないことではあるが、作業を行えば一定の割合で「必ず誤りが起きる」ということを前提に、誤りが生じにくいためにはどうするかの視点に立って、全体を見直し、運用および制度の改善を行うこと。
 誤りが起きたことを「綱紀粛正」に結びつけることは、関係者の精神的ストレスを高め、さらにそれが原因となって新たな誤りの発生を助長することに配慮すること。

,入試選抜の日程について、現在過密となっている、入試・採点・集計・合格判定・合格書類作成・点検などの作業時間を保障するための日程はどうあるべきかを、十分に検討すること。

4,現在、ほぼ「全員合格状態」となっている定通分割選抜について、その必要の可否をも含めて抜本的に検討すること。

5,特色検査、記述問題の導入、リスニングテストの導入、全員面接など、受験生および高校側にとっても負担増となっている現状について調査検討し、各検査項目のそれぞれについてその廃止も含めて「簡素化」「負担軽減」の視点から抜本的改善を図ること。

,今回の入試では、作問ミスや解答用紙・配点等のわかりづらさなども指摘されている。受験者にも分かりやすく、採点ミスの少ない入試とするための改善を行うこと。

7,マークシート導入の検討なども含めて、省力化のための改善を行うこと。

8,国連子どもの権利委員会の日本への勧告で、高校入試等で子どもたちに「過度の競争」を強いていることが、いじめや不登校、中退、自殺などを助長していると指摘されていることを十分に考慮して、「負担軽減」、「簡素化」を柱に、改善をおこなうこと。


国連子どもの権利委員会第3回勧告より抜粋

70. 委員会は、日本の学校制度によって学業面で例外的なほど優秀な成果が達成されてきたことを認めるが、学校および大学への入学を求めて競争する子どもの人数が減少しているにも関わらず過度の競争に関する苦情の声があがり続けていることに、懸念とともに留意する。委員会はまた、このような高度に競争的な学校環境が就学年齢層の子どものいじめ、精神障害、不登校、中途退学および自殺を助長している可能性があることも、懸念する。(2010 年6 月)

以上

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