第1話 ストライフ家の朝

クラウド・ストライフは洗面所の鏡で、日課であるスタイリングに精をだしていた
午前7:00分。整髪剤をたっぷりと髪にぬり、そして愛用のくしで髪を整える。
彼は朝の時間の30分をスタイリングにかけることをモットーとしている。
チョコボのようにツンツンで完璧に一直線な髪は彼の自慢だった。
髪の毛が少しでも曲がると吐き気を起こすほど、彼はチョコボヘアーに愛着をもっている。
彼にとってスタイリングの30分という時間は長いどころか短くすら感じるぐらいである

一方彼の妻エアリス・ストライフは鼻歌を歌いながら朝食を作っていた
クラウドが朝食をとる確立は45%。スタイリングが長びいた時はそのまま会社に行ってしまう
それにも関わらず朝食をインスタントなどですまそうとはせず彼女は愛する夫のために手料理を毎日作っていた。

午前7:30

エアリスは朝食の支度をすませ、料理をテーブルに運ぶ。
椅子に座り、少しため息をはき左斜め45度の角度で、壁にかけてある時計をながめた。

秒針がゆっくり、しかし着実に針を進めていく

あと10分。
心に小さな穴が空くような感触と共に腹の虫がなるのが聞こえてくる、人間悲しくても腹は減る
ストライフ家の朝食タイムは7:30〜7:40の10分間。
彼女は時計のとなりに貼ってあるカレンダーに視線を移した。最後に赤いシールがはってあるのは3日前
夫婦で朝食がとれた日はカレンダーに赤いシールを貼ることにしている。
10分という短い時間だが彼女にとってはとても重要なのである

彼女は視線をとなりの時計に戻した

あと5分。
洗面所からクラウドの姿が出てくる気配はない…
そういえば彼は最近整髪剤の調子が悪いだの言っていたような気もする
あと3分30秒。

「3日連続食べれないのかなぁ」
テーブルに顔を伏し、彼女はうめぃた
「クラウドの髪がもう立たなくなればいいのよ!そうすればスタイリングの時間なんてなくなるんだわ」

刹那

あと3分のところで洗面所のほうから、物音が聞こえてきた
エアリスの顔に笑顔が戻る、間に合った!と

バタン!

リビングのドアは勢いよく開き、今にも泣きそうな顔をしたクラウドが、転がる様にして飛び込んできた

「クラウドどうしたの!?」
「立たないんだ…全然立たないんだ」
「あら…やだ昨晩だって凄かったじゃないのv」
エアリスはポッと顔を赤らめ横を向いた
「違う!そうななくて何やっても髪の毛が立たないんだよ…」
なるほど、今の彼の髪はモルボルの触手のようである。
そして彼の手に積上げられている整髪剤はその修復が困難なことを表わしていた
「いいじゃないの♪・・・むしろそっちの方が可愛いわよv」
「そっか♪…じゃなくて!あの髪型は俺のトレードマークなんだよ…こんな髪じゃ会社に行けない…うう」
「もう、しょうがないわねぇ…よしきた!お姉さんに任せなさい♪」
「ほんとか?」
クラウドが喜んで顔をあげる。や否や

「はぁ!」

「はぅ!」

エアリスが気合と共に放った鉄拳によって、彼はその場に倒れた…

「う…うん?何で俺寝てるんだ?」
「おはよう、クラウド♪」
彼がわけもわからず目を覚ますと、満面の笑みのエアリスがいる。どうやら添い寝していたようだ。

その笑顔が少し引きつっているものだとすぐに気が付かないのは寝起きだからだろう。
「今まで何があったんだ…?泣き崩れてそれからエアリスが俺に…」

「大丈夫!私がクラウドの髪は直してあげたわ!だから安心して行ってらっしゃい♪

彼女はクラウドの記憶を遮るかのように大声をだした。
それが彼を逆に不安にさせる。と、冷静な時の彼女ならそう考え、口にださなかっただろう

「エアリス…少し顔が引きつってるぞ。やっぱり何か…」
「何にも、何にもないよ!そ、それより今日は大事な会議があるんでしょ?は、はやく行かないと!ね」
「うーん…なんか変なんだよな今日のエアリス…うーん…よし!じゃ、行ってくるよ」
挙動不審の妻に深い疑問を持ちつつも、仕事をサボるわけにはいかない…彼は出かけた

どうせ皿を割ったとか、整髪剤をゴミと間違えて捨てたぐらいの問題だろう…
彼はこの程度にしか思っていなかった。

検討違いこの上ない!

続く…(汗)

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あとがき

どうでしたでしょうか新作の連載でございます
どのように話を進めるかはさっぱり考えてませぬ
まぁ気長に行こうかなと(笑)