質量エネルギーの等価性の初等的導出

An Elementary Derivation Of The Equivalence Of Mass And Energy
アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein) (1946 年)
Out Of My Later Years (Citadel Press) に収録されている (pp.116-119)。 (注)
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以下に述べる等価性の導出、それは未出版であるが、これには 2 つの利点がある。 特殊相対性の原理を使用しているが、理論の形式的機械を仮定せず、以前から よく知られる 3 つの法則だけを使用する。

(1) 運動量保存の法則

(2) 放射圧の表式;つまり、一定の方向をもった放射の塊の運動量

(3) よく知られた光行差の表式 (地球の動きによる恒星位置への見掛けの影響 -- ブラッドレー)


我々は今、次の系を考察する。K0 系に物体 B が静止し、2 つの放射の塊、S、S'が それぞれ E/2 のエネルギーをもって、x0 の正と負の方向に動いていて、突然物体 B に吸収される。この吸収において物体 B のエネルギーは、E だけ増加する。物体 B は、 K0 系では対称性のため静止したままである。



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ここで我々はこの同じ過程を、系 K からみる。それは系 K0 からは z0 の負の方向 に一定の速度 v で動く系である。系 K からみると、その過程は、次のように記述される。


物体Bは、 z 方向の正の方向に速度 v で動いている。2つの放射の塊は、K 系に対しては、 x 軸と角度αをなす方向をもっている。 光行差の法則は、次のことをいう。1 次近似で、α= v/c。 ここで c は光速。 K0 系での考察から、S、S'の吸収によっても B の速度 v は、変わらない。 ここで我々は、運動量の保存則を適用する。系 K の z 方向についてである。


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I. 吸収前に、B の質量を M とする。 (古典力学に従って) Mv が B の運動量の表式である。 それぞれの塊はエネルギー E/2 をもつから、マックスウエル理論のよく知られた帰結 によって、E/2c の運動量をもつ。厳密に言えば、これは K0 についての S の運動量である。 しかしながら、v が c に対して小さく、K 系に対しての運動量も 2 次のオーダー (v^2/c^2 が 1 と比較して) しか違わない。この運動量の z 成分は、 E/2c sin α十分な精度をもって、(高次の量を除き)、E/2c α 又は、E/2・v/c^2 。 それゆえ、 S と S' は一緒にして z 方向に Ev/c^2 の運動量をもつ。 それゆえ、系の全体運動量は、吸収前において

Mv + E/c^2 v

II. 吸収後において物体 B の質量を M' とする。我々はここで、エネルギー E の吸収に よって質量の増加を予期している。(これは、我々の考察の最終結果が整合するため に必要である。) 吸収後の系の運動量は、それで、

M'v

我々は、ここで、運動量保存の法則を仮定し、それを z 方向に適用する。

Mv + E/c^2 v = M'v

M' - M = E/c^2

この方程式は、エネルギーと質量の等価性の法則を表示している。 エネルギー増加 E は、質量増加、E/c^2 と結合している。 エネルギーは、通常の定義に従へば、付加定数が要らないから、

E = Mc^2