最初の奉仕使命以来、HSTは、z>3の赤方偏移を越える数多くの他の遠方銀河を画像化し(例 Giavalisco等 1995)、幾つかの事項が明らか になった。まず、HSTは、実際銀河サイズの系を高い赤方偏移までよく分解できること、次に、高い赤方偏移の宇宙は、現在の時期の宇宙 とはかなり異なっていること。HSTは、銀河が形成され、急速に進化している時期の銀河を振り返って画像化でき、それは銀河の進化の理 解において基本的に重要であって、この能力が完全に開発されることが必須用件である。
現在の望遠鏡の高度な完成度に基づいて、サイクル5の所長裁量の時間の実質的な一部を遠方銀河の研究に専用にするという決定がなされた。 研究所の特別諮問委員会が招集され、高銀緯のひとつの典型的な領域の深部画像、WFPC2によってと数種のフィルタによってなし、作成デ ータは学会に研究のために提供されるべきと所長に勧告した。この勧告に従って、開発とプロジェクトを実行するための研究所の科学者と 技術員のグループが形成された。
この一般的な領域のなかのHDFの正確な位置は、HSTのFine Guidance Sensorに受容できる、ふたつのペアのガイド星の使用可能性によって、 修正された。全体の観測シーケンスの安全防護に保守的であるように、我々は独立した支持ガイド星のペアを必要とした。そしてそれらは この高い銀緯度では少ないのである。HDFの正確な位置は、それゆえこの要求によって決定された。位置と結果する領域の特性は表1に示し、 P.Eisenhardt によって KPNO 4m望遠鏡で得られたその領域のRバンド500秒の画像を、HDFの概形を重ねて表示するWFPC2の印とともに図1に示す。
表1
ハッブル深部領域HDFの特性
位置:12h36m49.4s
+62o12'58"(Epoch J2000.0/WFPC2 'WFALL FIX'の位置)
E(B-V)= 0.000
HIコラム密度、N(HI)= 1.7 x 10^20 cm^-2
In 100μIR cirrus最小
低い 2μ DIRBE flux, < 0.14 MJy/ster
Radio quiet, no source with flux >1 mJy at 3.6cm
干渉する輝く星や近傍銀河クラスタをもたない。
それぞれのフィルタ毎の、露出回数と全体の集積時間が決定された。部分的にはCVZにはびこる条件、また部分的には全ての通過帯域に限界 等級を同じにすることを達成することを望むためである。CVZ内の視線は地球の縁から決して遠くなく、それゆえ、HSTの日中の半軌道は、 高い散乱背景光を経験し、それらの露光を妥協させる。しかしながら、F300W の低い透過性は、つねにこのフィルタの画像をどの事象において も、軌道の明るい部分においてさえ、読み出し雑音に以下にした画像にした。それゆえ、明るい太陽のもとの観測は、ほとんど全体に周期的な 暗いフレームとF300Wの画像に専用にされた。地球の影で得られた画像は、ほどよく均等に他の3つのフィルタに分配された。そうして、高い 拡散光の背景をもつCVZの使用は、特に軌道の昼間の半分は、読み出し雑音以下の画像が無料で得られることを可能にし、なぜなら、軌道の その部分は他のフィルタでは画像のS/N比を向上させることが決してできないからである。
種々のフィルタと結果的な画像のS/N比への可能な露出の分配の精細な研究の結果として、観測スケジュールが確立した。表2は、4つのフィルタ 専用にした等価な軌道数と各フィルタへの全体の露出数をリストする。我々はまた、全てのそれらフィルタの画像が互いに積み重ねられるとき、 各通過帯域において達成可能な、近似的制限AB等級(フラックス10s>天空画素20によって定義) をリストする。
表2
WFPC2 HDF 露出
フィルタ: F300W F450W F606W F814W
軌道数: 49 36 35 35
露出数: 100 62 77 49
制限AB等級:27.6 28.1 28.7 28.0
各通過帯域への露出にはディザの仕組みが実装される。それは2秒角平方以内に、異なる9つのx,y位置によって整数画素単位でない分離 が得られる。9つの位置毎に5より多い分離した露出が一般的に採用され、宇宙線の排除が目出度く実現した。ディザ処理によってCCDに ディザ間隔より小さい空間スケールの非均一性を許し、それは較正されるのだが、データのサブピクセルの限界的な標本を可能にして、 画像再構成によって、より高い空間分解能が達成される。
諮問委員会は、HDFに直接に連接する空の領域に短いWFPC2の画像を得る知恵に注意を呼びかけた。その領域のスペクトル研究だけでなく、 ほとんど長いスリットかファイバー結合を使って実行されるだろう地上ベースの支援をもサポートもするために。それはHDFの副産物であ り得、HDF固有の直接周囲の天体のスペクトルが同時的に必要とされるのである。我々はそれゆえ、HDFに接続した空の領域の画像として 使われるWFPC2位置のモザイクを製作した。8つの"側方領域"が1-2軌道のF814Wフィルタで画像が13日のキャンペーンの一部として撮られた。 それぞれの画像がmr=26のフラックス限界を達成し、それは大雑把に8mから10mの望遠鏡がスペクトル分析できる限界である。
並行した観測が微弱な天体のスペクトル分析(FOS)を伴ってHDFの最初のWFPC2観測の期間に行われた。FOS観測は、TAC承認計画GO5968 サイクル5の一部としてなされた。深部WFPC2画像を使い、銀河外部の背景光を測定するため、同時的なFOS観測を使って、5175AのMgIb 特徴をもつ散乱した太陽スペクトルの子午線光からのEBLの寄与を差し引くために。FOSデータはまた、研究所員によってCVZ内の散乱光 をモデル化するために使われ、それはSTISに実行される長いスリットのスペクトル分析の校正において重要になるだろう。
各HDF画像は、通常のSTScIパイプラインのなかで使われたものと類似の方法で整復されるだろう。宇宙線は'CRREJ'ルーチンのある 版でメディアン(中間値)フィルタで除去されるだろう。異なるディザ位置で撮られたそれぞれの通過帯域の全ての画像は、登録され 各フィルタの画像が結合され、ひとつの深部画像を作る。これらの最終画像は、キャンペーン完了後すぐにもインターネットで利用 可能になり、HDFのカラー画像結果となるだろう。
HDFの最も暗い2-3等級範囲内にある天体は、スペクトル計では到達できると思われない事実は、その画像中の多く(殆ど?)の天体に とって、距離は天体の動径速度の決定以外の方法から来なければならないだろうことを意味する。この事実は、将来の広帯域色から の銀河の近似的な赤方偏移の決定に刺激を与えざるを得ない。それは、銀河のスペクトルエネルギー分布の進化について、我々が今日 もつよりも、よりよい知識を必要とするだろう。
ハッブル深部領域観測は、太陽系、銀河ハーロー、そして遠方銀河が住むところの、疑いもなく暗い天体の撮影画像であろう。そのよ うな天体の後続する研究は、太陽系と銀河の形成の早期の時期に起きた事象への我々の現象理解に、このデータが測り知れない貴重さ をもつに違いない。
Dickinson, M. E. et. al. 1995
図1. HDFの500秒赤色画像 P. Eisenhardt が KPNO 4m 望遠鏡で撮影。HDFが1995年12月に画像化されたとき、 WFPC2の概形が、その 方向に示される。
図2. HST のWF3chipから得られた HDFの結合画像。フィルタF606Wで撮られた領域の全ての77露出の共通可算による。