目次
1. Newton 理論
2. 一般相対論に従った境界条件
3. 物質の均一な分布をもつ空間的に有限な宇宙
4. 重力場の方程式への追加項について
5. 計算と結果
Poisson 方程式、 \[ ∇^2Φ= 4πκρ \tag{1} \] は、質点の運動方程式との組合せても Newton 理論の遠隔作用のまだ完全な置き換えではないことはよく知られている。まだ考えにいれるべき 条件として、空間的無限遠におけるポテンシャルΦが一定の極限値に向かう傾向がある。一般相対論の重力理論には、これと類似の物事の状態 がある。もし我々が現実に宇宙を無限の空間的大きさであるとするならば、ここでもまた我々は、微分方程式に空間的無限遠の境界条件を補足 しなければならない。私の惑星の問題の扱いのなかで、私は、これら境界条件を次のような仮定の形式のなかに選択した: 空間的無限遠において全ての重力ポテンシャル $g_{μν}$ が一定になるように座標系を選択することが可能であると。 しかし、物理宇宙のより広い部分を考察に入れることを望むとき、我々が同じ境界条件を置くことができるとは、決して先験的に明白でない。 次下の頁に、この基本的に重要な問いにこれまで私がなした熟考が与えられるであろう。
§ 1. Newton 理論
空間的無限遠でのΦへの一定の極限値という Newton の境界条件は、無限遠での物質密度 0 という見かたを導くことがよく知られている。 なぜなら、我々は、宇宙空間にある場所があって、その周りに物質の重力場が取り囲み、大きなスケールでみると球状の対称性をもつことを 想像するからである。そのとき、Poisson 方程式から、次のことがいえる。$Φ$ が無限遠で極限値に向かうためには、中心からの距離 $r$ が増加 するとき、平均密度ρは、0 に向かって$1/r^2$ よりも急速に減少しなければならない(*)。この意味で、それゆえ、Newton に従う宇宙は無限 に大きな全体質量をもつことはできても、有限である(訳注)。
このことから、最初の段階として、天体から投げられた放射は、その一部は、宇宙の Newton 系を離れて動径方向を外に通過し、無限遠に無駄 となって失われる。天体全体は、このように持続できないのだろうか? この問いに、否定的な答えを与えることは、ほとんど可能でない。 なぜなら、無限遠において有限の$Φ$の極限を仮定することは、有限の運動エネルギーをもつ天体が Newton の引力に打ち勝って空間的な無限遠 に達することができるからである。統計力学によって、この現象は、必ず次々と発生し、星系の全体エネルギーがー単独の星に移りーその星を、 そこからそれが戻れない無限遠に、旅させるに十分な大きさである間は、継続しなければならない。
我々は、無限遠にある境界ポテンシャルに非常に大きな値を仮定することで、この奇妙な困難を避けようとする。それは、可能な方法かも知れ ない、もし、重力ポテンシャルの値がそれ自身、必ずしも天体によって条件付けされていないならば、である。真実は、我々は、どのような 大きな重力場のポテンシャル差の発生も、事実に反すると見なさざるを得ない。これらのポテンシャル差は、現実には大きさのオーダーとして それによって発生される星の速度が実際に観測される速度を超えないほどに、低くなければならない。
もし、我々が気体分子の分布の Boltzmann の法則を星々に適用すれば、星系を熱的平衡の気体と比較することで、我々は Newton 星系が決して 存在できないことを見出す。なぜなら、中心と無限遠とには有限のポテンシャル差に対応して有限の密度の比が存在する。無限遠での密度の消滅は、 中心の密度の消滅を意味するからである。
Newton 理論の基礎の上では、これらの困難を乗り越えることは、ほとんど可能と見えない。我々は、Newton 理論の修正によって、それらを 取り除くことができるかどうかの問いを、自問してよい。全ての最初に、我々は、それ自身、深刻に取られることを主張しないある方法を示す。 それは単にそれに続くものの引き立て役のように働く。Poisson 方程式の代わりに、我々は、次を書く、 \[ ∇^2Φ - λΦ= 4πκρ \tag{2} \] ここで$λ$は、宇宙的定数を示す。もし $ρ_0$ を、質量分布の均一な密度とするとき、そのとき、 \[ Φ= -{4πκ \over λ} ρ_0 \tag{3} \] は、(2)の方程式の解である。この解は、もし、密度 $ρ_0$ が実際の宇宙の物質の平均密度であるなら、恒星の質量が均一に空間に分布している 場合に対応している、解は、そのとき、無限の広がりをもち、物質で均一に満たされた、中心空間に対応する。もし、平均密度には何らの変化 なしに、物質が局所的に不均一に分布していることを想像するならば、$Φ$は、(3)式の一定値より大きく超えるだろう。付加的$Φ$は、近隣のより 密な質量のものであって、$λΦ$ が $4πκρ$ との比較で小さくなればなるほど、Newton 場に似てくるだろう。
そのように構成された宇宙は、その重力場の点では中心をもたない。空間的無限遠の密度減少は仮定する必要がない。しかし、平均ポテンシャル と平均密度は、無限遠まで一定に残る。Newton 理論の場合に見出された統計力学との相克は、繰り返されない。確定的だが極端に小さい密度の 物質が平衡にあり、何ら物質内部の力(圧力)を平衡の維持に必要としない。
§ 2. 一般相対論に従った境界条件
この章では私は読者を私自身が旅した道路の上に引率する。むしろ荒く曲った道路に。なぜなら、それ以外には私は、彼が旅の終わりの結果に 大きな興味をもつことを期待できないからである。私が到達する結論は、私が今まで擁護してきた重力場の方程式にまだ少しの修正を必要とする。 一般相対論の基礎の上に Newton 理論の直面したと同じ、1章に前述したそれら基本的困難を避けられるようにするためである。この修正は、 1 章の Poisson 方程式 (1) から方程式 (2) への移行と完全に対応する。最終的に我々は、空間的無限遠の境界条件は、全く無くなると推論する。 なぜなら、宇宙的な連続体は、その空間的大きさについては、有限空間(3次元的)体積の自己内包的な連続体であると見られるからである。
私が最近まで抱いた意見、無限遠に置くべき境界条件については、次の考察の上に立場を取った。相対性の一貫した理論では、 "空間" に 相対的に ある慣性は存在せず、 互いに相対的な 質量の慣性だけがある。それゆえ、もし、私が質量を宇宙のなかの全ての他の質量 から十分な距離のところにもっていたなら、その慣性は、0 に落ちなければならない。我々は、この条件の数学的な定式化を試みるだろう。
一般相対論に従って、負の運動量が共変ベクトルの最初の 3 成分によって、エネルギーが最後の成分によって与えられる。$\sqrt{-g}(g= |g_{μν}|)$ を乗算して。 \[ m \sqrt{-g} g_{μα} {dx_α \over ds} \tag{4} \] ここで、いつもと同じく、 \[ ds^2 = g_{μν} dx_μ dx_ν \tag{5} \] 座標系の選択の可能性の特に洞察的な場合、重力場がどこにおいても空間的に等方的であるようにすると、我々は、もっと単純に、 \[ ds^2 = - A (dx_1^2 + dx_2^2 + dx_3^2) + B dx_4^2 \] もし、さらに同時に、 \[ \sqrt{-g} = 1 = \sqrt{A^3 B} \]
我々は、(4) から小さい速度について 1 次近似、 \[ m {A \over √B} {dx_1 \over dx_4}, m {A \over √B} {dx_2 \over dx_4}, m {A \over √B} {dx_3 \over dx_4} \] を運動量の成分に、そしてエネルギーには(静的な場合)、 \[ m √B. \] を得る。運動量の表式から $m A/√B$ が静止質量の役割を果たす。$m$ は、質点に固有な定数で場所に依らないから、もし、我々が無限遠において $√-g = 1$ の条件を保存するなら、この表式 $(m A/√B)$ は、$A$ が 0 になり、一方、$B$ が無限に増加するときにだけ消え去ることができる。 それゆえ、そのような係数$g_{μν}$ の減退は、全慣性の相対性の仮説によって要求されると思われる。この要求は、無限遠においてポテンシャルエネルギー $m √B$ が無限大になることを意味する。このように、質点は決して系を離れることができない;そして、より詳細な研究は、同じことが光線に おいても適用することを示す。そのような無限遠での重力ポテンシャルの行動を伴う宇宙の系は、それゆえ、 Newton 理論との関連で丁度いま疑われた消耗という危険を冒すことはないだろう。
私は、この理由に基づいた重力ポテンシャルについての単純化された仮定は、明快さのためだけに導入されたことを指摘したい。 さらなる制限的な仮定なしに問題の本質を表現する、無限遠での $g_{μν}$ の振舞のための一般的な定式化を見出すことは可能である。
この段階で、数学者 J. Grommer の親切な助力とともに、私は、中心対称、静的な、無限遠において言及した方法で減退した重力場を研究した。 重力ポテンシャル $g_{μν}$ が適用され、物質のエネルギーテンソル $T_{μν}$ が重力場の方程式に基づいて計算された。しかし、ここで、 恒星系にとってその種の境界条件が全く問題に入って来ることができないことが証明された。天文学者 de Sitter によって最近、また正しくも 強調されているように。
重さのある物質の反変エネルギーテンソル $T^{μν}$ は、次で与えられる。 \[ T^{μν} =ρ {dx_μ \over ds} {dx_ν \over ds} \] ここでρは、自然の尺度での物質の密度である。適切な座標系の選択により、星の速度は、光速との比較で非常に小さい。我々はそれゆえ、 $\sqrt{g_{44}} dx_4$ で $ds$ を置き換えることができる。これが我々に示すのは、 $T^{μν}$ の全ての成分は最後の成分 $T^{44}$ と比べて非常に小さくなければ ならないことである。しかしこの条件は、選んだ境界条件に和解させるのは全く不可能であった。振り返ってみて、この結果は、驚くべきものとは みられない。星々の小さい速度の事実は、恒星がどこにあっても重力ポテンシャル(我々の場合$√B$)がここ地上よりもずっと大きくあり得るという 結論を許さない。これは、Newton 理論の場合と正確に同じく統計的理由からくる。少なくとも我々の計算は、そのような空間的無限遠における $g_{μν}$ の減退の条件は仮定され得るものでない、と私に確信させた。
この試みの失敗の後、ふたつの可能性が現れた。
(a)我々は次を要求できる。惑星の問題と同じく、座標系の適切な選択を伴えば、空間的無限遠の $g_{μν}$ は、次の値に近似すると。
-1 0 0 0
0 -1 0 0
0 0 -1 0
0 0 0 1
(b)我々は一般的な有効性を主張しながら、空間的無限遠に境界条件を置くことを全体として差し控えることができる。しかし、考慮する領域の 空間的限界には $g_{μν}$を別に各個別の場合毎に与える必要がある。これまで我々が別に時間に初期条件を与えることに慣れているように。
(b)の可能性は、問題を解決する希望を何も提出せず、結局、それを諦める。これは議論できない立場だが、現在、de Sitter(*) によって取り上げられた。 しかし、その基本的な問題のなかでそのような完全な断念は、私には難しいことであることを私は告白しなければならない。 満足する見かたへ向けられた全ての努力が無駄であったと証明されるまで、それに対する考えを変えるべきでない。
可能性 (a) は、ひとつより多くの点で満足できない。最初の段階に、それら境界条件は、参照系の確定的な選択を前もって予測する。それは、 相対性の原理の精神に反している。次に、我々がこの見方を採用すると、慣性の相対性の要求に従うことができない。なぜなら、質量 $m$ (自然の測定) の質点の慣性は、$g_{μν}$ に依存する;しかし、これらは、上述のように、空間的無限遠に与えられたその仮定された値と異なって、殆どない。慣性は、 確かに(有限の空間に存在する) 物質によって 影響される が、条件付けられる ではないだろう。この見方に従えば、もし、単独の 質点が存在するとき、それは慣性をもつだろう。そして事実、実際の宇宙の他の質量によって囲まれているときと、殆ど同じ大きさの慣性を。 最終的にはこの見方には、Newton 理論に関して言及した、統計的な反論が挙げられなければならない。
いま述べたことから、私が空間的無限遠の境界条件の定式化に成功しなかったことが分かるであろう。それにも関わらず、 (b)のもとに示唆されたような断念なしに、まだ可能な方法は存在している。なぜなら、もし、宇宙を その空間的大きさに 関して有限の(閉じた) 連続体であると見なし得るなら、我々は、そのような、どのような、境界条件ももつ必要が全くない からである。我々は、先に進み、一般相対性原理と小さな星の速度の事実の両方が共存できることを示すことにしよう。
§ 3. 物質の均一な分布をもつ空間的に有限な宇宙
一般相対論に従って4次元時空連続体の計量的特性(曲率)は、各点に、その点の質量とその質量の状態によって定義される。 それゆえ、物質の分布の均一性の欠如を考慮すれば、この連続体の計量の構造は、必然的に極端に複雑にならざるを得ない。 しかしもし、我々が大規模の構造だけに関心があるなら、我々は、物質を莫大な空間に渡って均一に分布していて、 その分布密度は、極端に遅く変化する関数であると言ってもよい。このように、我々の手続きは、小さなスケールでは極端に 複雑である地球表面の形態を回転楕円体によって近似する測量士のそれに何か似たものであろう。
我々が物質の分布について経験から描く最も重要な事実は、星々の相対的な速度が、光の速度と比べて非常に小さいことである。 そのため、私はいま、我々は、我々の推理を次の近似的な仮説の基礎にすることができる、と思う。それに相対的に物質が永久 に静止しているとみることができる座標系がある。それゆえ、この系に関して、物質の反変エネルギーテンソル $T^{μν}$は、(5)の 理由から、次の単純な形態をとる。
0 0 0 0
0 0 0 0
0 0 0 0
0 0 0 ρ
\[ \tag{6} \]
分布の (平均)密度スカラーρは、空間座標の先験的な関数であり得る。しかしもし、我々が宇宙が空間的な有限を仮定するなら、
ρが局所性から独立という仮説に我々はすぐに思い付く。この仮説の上に、次の考察を基礎にする。
重力場に関しては質点の運動方程式、 \[ {d^2x_ν \over ds^2} + \{αβ, ν\} {dx_α \over ds} {dx_β \over ds} = 0 \] から、静的な重力場のなかでは質点は、$g_{44}$ が局所性から独立しているときだけ、静止に残ることができる、と言える。一方さらに、 我々は時間座標 $x_4$ の独立性を全ての大きさについて前もって推測するから、我々は要求解に、全 $x_ν$ について次を要求してよい。 \[ g_{44} = 1 \tag{7} \] さら静的な問題につねにあるように、我々は次を設定する。 \[ g_{14} = g_{24} = g_{34} = 0 \tag{8} \] いま、重力ポテンシャルの残された決定すべき成分は、我々の連続体の純粋に空間的な幾何学関係 $(g_{11}, g_{12},...,g_{33})$ である。 場を発生する質量の分布の均一性についての我々の仮定から、要求された空間の曲率が一定であることが出る。それゆえ、質量の この分布から、$x_1, x_2, x_3$ と定数の $x_4$ をもつ要求された有限の連続体は、球形の空間であろう。
我々は、例えば次の方法によって、そのような空間にたどり着く。我々は、4次元の Euclid 空間 $ξ_1, ξ_2, ξ_3, ξ_4$ と線形の要素 $dσ$ から開始して、それゆえ、次のようにしよう。 \[ dσ^2= dξ_1^2 + dξ_2^2 + dξ_3^2 + dξ_4^2 \tag{9} \] この空間になかに我々は超表面を考え、 \[ R^2= ξ_1^2 + ξ_2^2 + ξ_3^2 + ξ_4^2 \tag{10} \] ここで、$R$ は定数を示す。超表面の点は、3次元連続体、曲率 $R$ の半径の球状空間を形成する。
そこから我々が開始する 4 次元 Euclid 空間は、我々の超表面の便利な定義のために補助するだけである。我々の関心は、超表面の点だけ であり、その計量特性が物質が均一に分布する物理空間のそれと一致する。その 3 次元連続体の記述のために、$ξ_1, ξ_2, ξ_3$ 座標をとり (超平面$ξ_4 =0$への投影)、(10)の理由によって$ξ_4$は、$ξ_1, ξ_2, ξ_3$ を使って表現できる。 (9) から$ξ_4$ を消去して、 我々は、球状空間の線形要素のための次式を得る。 \[ dσ^2 = γ_{μν} dξ_μ dξ_ν ,\\ γ_{μν}= δ_{μν} +{ ξ_μξ_ν \over R^2 - ρ^2 } \tag{11} \] ここで、$δ_{μν}= 1 (if μ=ν), δ_μν= 0 (if μ!=ν)、ρ^2= ξ_1^2 + ξ_2^2 + ξ_3^2 $ とする。 座標は、$ξ_1 = ξ_2 = ξ_3 = 0$ の 2 点のひとつの周囲を調べるのが問題であるとき便利に選ばれている。
いま、要求された4次元時空宇宙の線形要素がまた我々に与えられた。 ポテンシャル $g_{μν}$ (両方の添字は4以外)を我々は次に設定しなければならない。 \[ g_{μν} = - (δ_{μν} + {x_μ x_ν \over R^2 - (x_1^2 + x_2^2 + x_3^2)}) \tag{12} \] この式は、(7),(8) と結合して、測定棒、時計、そして光線を完全に定義する。
§ 4. 重力場の方程式への追加項について
私の提案した、任意座標系のための重力場の方程式は、次のように書く。 \[ G_{μν}= -κ(T_{μν} - {1\over 2} g_{μν} T) \\ G_{μν}= -{∂ \over ∂x_α} \{μν,α\} + \{μα, β\} \{νβ, α\} \\ + {∂^2 log \sqrt{-g} \over ∂x_μ∂x_ν} - \{μν, α\} {∂ log \sqrt{-g} \over ∂x_α} \tag{13} \] この方程式の系(13)は、式(7)(8) と(12)で与えられる値を $g_{μν}$ に、そして物質の(反変の)エネルギーテンソルには (6) で示す値を、 入れたとき、決して満足しない。どうやってこの計算が便利に行えるかは、次章に示す。そのように、私がこれまで採用した場の方程式 (13) が確かに、一般相対性の仮説と共存する唯一のものであるなら、我々は多分、相対性の理論が空間的に有限の宇宙の仮説を許さない、 と結論せざるを得ないだろう。
しかしながら、相対性の原理に共存し、Poisson 方程式への式 (2) の拡張に完全に対応する拡張を許す方程式系は、(14)によってすぐに 示唆される(訳注)。 場の方程式 (13) の左辺に、我々は、基本テンソル $g_{μν}$に、現在は未知の宇宙定数 $-λ$ によって乗算して加算 することが一般共変性を壊すことなくできる。場の方程式 (13) の代わりに、我々は書く。 \[ G_{μν} - λg_{μν} = -κ(T_{μν} - {1\over 2} g_{μν} T) \tag{13a} \] この場の方程式は、伴うλが十分小さく、いずれにしても、太陽系から導かれた経験に共存する。 それはまた、運動量とエネルギーの保存則を満たす。なぜなら、我々は、(13)の代わりに、(13a) に、Hamilton 原理への導入によって到達した。 Riemann テンソルのスカラーの代わりに、宇宙定数によって増加したこのスカラーに置き換えて;そして、Hamilton の原理は、もちろん、 保存則の有効性を保証する。5 章では、場の方程式 (13a) が我々の場と物質とについての推測に共存することを示す。
§ 5. 計算と結果
我々の連続体の全ての点は、等しい足場にあるから、一点が、全ての計算を実行するのに十分である。 例えば、2 点のうち次の座標値をもつ 1 点。(??) \[ x_1 = x_2 = x_3 = x_4 = 0, \] そして、(13a) の $g_{μν}$ に我々は次の値を代入しなければならない。
-1 0 0 0
0 -1 0 0
0 0 -1 0
0 0 0 1
それらが1度微分又は全く微分されず現れるところ全てに。我々は、こうして第1段階として次を得る。 \[ G_{μν} = {d \over dx_1} [μν, 1] + {d \over dx_2} [μν, 2] + {d \over dx_3} [μν, 3] + {d^2 log \sqrt{-g} \over dx_μ dx_ν} \] これから、我々はすぐに、(7),(8),そして(13) を計算にいれ、次の関係をもつならば、全ての方程式 (13a) が満たされることを見出す。 \[ -{2 \over R^2} + λ= -{κρ \over 2}, -λ= -{κρ \over 2}, \]
または、 \[ λ = {κρ \over 2} = {1 \over R^2} \tag{14} \] こうして、新しく導入された宇宙定数$λ$は、平衡に残ることができる分布の平均密度$ρ$と、また、球状空間の半径 $R$ 体積 $2π^2 R^3$との 両方を定義する。宇宙の全体質量 $M$ は、我々の見かたに従えば、有限であり、それは実際、 \[ M = ρ.2π^2 R^3 = 4π^2{R \over κ} = π^2\sqrt{32 \over κ^3 ρ} \tag{15} \] こうして、実際の宇宙の理論的見かたは、もし、それが我々の論理に一致するなら、次になる。空間の曲率は、時間と場所とで物質の分布に よって変化するものであるが、我々は粗く球状空間の手段によって近似する。少なくとも、論理的に整合していて、一般相対論の立場から 最も手近にある;現代の天文学の知識からそれが擁護しえるかどうかは、ここで議論すべきでないだろう。この整合性のある見かたに到達 するために、我々は明らかに、実際の重力の知識からは正当化されていない、重力場の方程式の拡張を導入した。しかしながら、次のことは 強調されるべきである。我々の結果によって、空間の正の曲率が与えられることである。もし、補助の項が導入されない場合であっても。 その項は、物質の準静的な分布を可能にするという目的だけに必要であり、また、星々の小さな速度という事実によって要求される。