観測的宇宙論:標準モデルの警告と未解決問題

Observational Cosmology: caveats and open questions in the standard model

マーティン ロペスーコリドイラ
バーゼル大学天文学研究所 (スイス)

Martín López-Corredoira
Astronomisches Institut der Universität Basel
Venusstrasse 7. CH-4102-Binningen (Switzerland)
February 2, 2008
(訳) 片山泰男 Yasuo Katayama (Nov. 5 2011)

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概要:私は、観測的宇宙論の幾つかの結果をレビューする。次のような標準的な宇宙論の基礎に対する疑問を批評的に提示する: 1) 銀河の 赤方偏移が宇宙の膨張による;2) 宇宙背景輻射とその非等方性は高エネルギーの初期宇宙からくる; 3) 軽元素の存在パターンは初期の元素合成の 見地から説明されるべき;4) 銀河の形成と進化の理論は膨張宇宙の冷たいダークマターの重力だけによって説明される。レビューは、この標準シナ リオに対抗してひとつの代替理論が有利な議論を装うのではなく、宇宙論がまだ非常に若い科学であり、他の見解にドアを開放しておくべきと主張する。


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1. 序文

宇宙論は、難しい科学である、それが科学と少しでも考えられるなら。それは若い。それが科学と考えられて、100年間も経たない。それはまた非常に 推論的である、なぜなら、少ない間接的な観測をもって、宇宙の完全な歴史を再構成しないといけないからである。しかしながら、それは全ての側面 で科学と主張され、少数のパラメタの一致が残されるだけの、宇宙の最終的な説明をもつ科学とさえ主張される。宇宙論の推定は暫定的になされ、 懐疑的に受け止められるべきというDisneyの意見[1]は、最終的解答をもつと大半が信じる多くの宇宙論者に最近ほとんど顧みられない。

標準解釈の基礎("ビッグバン"仮説)に対して誤った言明の可能性についての議論は、通常、歓迎されない。多くの宇宙論者は、彼らが正しい理論をもち、 それの大きな間違いの可能性については考える必要がないと保証する。宇宙論のほとんどの仕事は、標準モデルの小さな詳細の洗練に貢献するだけであり、 その基礎については悩まない。いつまで待っても、彼らの理論の基礎をいくつかの宇宙論的テストにおいて正しい裏付けすることを望む論文は、ほとんど 刊行されない。彼らは通常、確定的な証明は最終的に達成されると主張する。これが私がここで検証したいことである。

この論文では、私は標準的な宇宙論的シナリオの最重要な仮定[2, 3, 4, 5]に対して批判的にレビューする:

* 銀河の赤方偏移は宇宙の膨張による。
* 宇宙マイクロ波背景輻射とその非等方性は、始源的宇宙の高エネルギーからくる。
* 軽元素の存在量パターンは、初期の元素合成の見地によって説明される。
* 銀河の形成と進化は、膨張宇宙の冷たいダークマター理論のなかの重力の見地によってだけ説明される。

これらの事実が厳密には証明されていないことを示すために、いくつかの観測を議論又は再議論する。ビッグバンと違う代替仮説の可能性がまだ 開かれている。多くの代替理論がある:疑似定常状態理論{6, 7]、プラズマ宇宙論[8, 9, 10]、永遠宇宙の Hawkins モデル[11, 12, 13, 14]、 時計計量的宇宙論[15, 16]、フラクタル宇宙[17, 18]、コールドバン[19]、波系宇宙論[20]等である。しかしながら、このレビューの使命は、 異なる理論の分析ではなく、主として観測的な事実の分析である。特定の理論を標準理論から防衛することは、私の目的ではない。全ての理論は それら自身の問題を持ち[21, 22, 5]、そしてそれをここでは詳細に議論しない。標準ビッグバン理論の問題だけを前に出す。この広い話題の文献 は、あまりに膨大だから、全ての問題と全ての論文を考慮するのではない。そのある部分ではなく全体としての宇宙論の基礎の一般的側面のレビュ ーを私は選択した、なぜなら、私は、全体としての宇宙論の包括的帰結を抽出するために、全体の未解決問題と警告を述べることに興味があるから である。いくつかの表出した警告はもはや警告でないかも知れず、警告に示した観測的測定のいくつかが正しくないこともあり得る。警告 :私は単にいくらかの批判的論文を紹介するだけで、いくつか少数の場合にそれを議論するが、私はそれらの内容に責任を取らない。 私自身の立場はまた中性的で、私は標準的宇宙論が正しいか否かに考えがない。多分そうかも知れず、多分そうでないかも知れない、誰が知ろう? 現在は、このレビューの多くの参考文献で例証される私の意見を表現したいだけである:我々は答えを見出していない、宇宙論は非常に若い科学である。


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2. 赤方偏移、膨張と反論

2.1 赤方偏移は膨張を意味するか?

ハッブル[23] とヒューメイソン[24] は1929年に、銀河の赤方偏移とみかけの等級の関係を確立し、宇宙の膨張の観測的証拠を与えた。ハッブルは、 彼の名前をもつ法則についての彼自身の発見に重要性を付けることと、膨張宇宙の含意に慎重だった。ハッブル自身が後退仮説に幻滅していたこと は実によく知られている。"確かそうに思えることは、赤方偏移は膨張宇宙のためではないだろうこと、宇宙の構造への推測の多くが再検証を必 要とするだろうことである。" [25] 多分、ハッブルは、宇宙の膨張の概念にさほど確信をもたなかった。しかし、後続の世代がハッブルの発見 を膨張の証拠と主張することに決定した、その原因は主に、現象論的事実を説明できる代替の提案によい理論がないからであろう。一般相対論が宇 宙膨張へのひとつの説明を用意した一方、代替提案は、よく知られた正統的な理論によって支持されなかった。膨張は好まれ、今日的な理論によっ て支持されない現象論的アプローチは、忘れ去られるよう運命付けられる。この見解は、我々の物理が宇宙の全てを代表するなら正しい。しかし、 演繹的ー経験論的視点からは、我々は理論を観測から演繹すべきであり、その逆ではない。

赤方偏移を生成する、空間膨張又はドップラー効果以外の他のメカニズムが存在する[26, 4]。多くの理論があって、例えば重力的赤方偏移[27, 28, 29, 4]、時間計量的宇宙論[15, 16]、可変質量仮説[30, 31, 32]、慣性誘導[33]、時間加速[34]、不完全光子伝播(A. Stolmar 私的通信)、又は、 "光疲勞" シナリオである。

光疲勞シナリオは、光子ー物質、又は光子ー光子の相互作用の何か未知の過程によって、いくらかの距離を旅するとき光子がエネルギーを失うことを 仮定する。それは、もし我々が物体から地球までの全ての銀河間の距離を考えるなら長い距離であるが、この物体を包むコロニーだけなら短い距離で ある。実に、それは理論でなく、光子のエネルギー喪失を説明することは、現象論的アプローチの可能性がある。それは別の理論によって説明される かも知れない。"光疲勞"効果を作る幾つかの仮説的な理論がある。銀河間の媒質による光子エネルギーの喪失のアイデアは、1929年に最初にZwicky [35]([36]のレビュー参照)によって示唆され、長い期間、彼によって防御された。Nernst は、1937年にそのモデルを発展させ、放射が光エーテルに よって吸収される仮定をした。つい20世紀の半ばまで、ツビッキー[37]は、光疲勞の仮説が生存できるよう保守した。しかし、ふたつ問題[26]があった。 1) Φ-バスが、光源からの放射のコヒーレンスを汚してしまうため、もし、銀河間空間が散乱を生むなら、遠方物体の全ての像がぼやけて見える。 2) 散乱の効果と結果的なエネルギー損失は、周波数に依存する。Vigier[38] は、真空が、粒子や光波の散逸的経路の伝播によってその励起が妨害 される、確率的共変な超流動エーテルとして振る舞うメカニズムを提案した。これは上記した、ぼやけと周波数依存というふたつの困難を回避する。 "コヒーレントでない光のコヒーレントラーマン散乱"[39]は、また、像をぼけさせることなしに光物質相互作用でドップラー効果を模擬するシフトを 説明する。低密度プラズマの光周波数のシフトの理由づけは、また、標準量子電子力学から導かれる量子効果からもくるかもしれない[40]。 Paul Marmet と Grote Reber (電波天文学の共創始者)によれば、光子が電子と衝突するとき、エネルギーの少量を捨てるが、その軌道を変えない[41] (appendix)ことを量子力学は示す。このメカニズムはまた、ぼやけと散乱を回避する。潜在的にこの効果は、みかけの近傍のQSO(疑似恒星物体) (2.3.1参照)の高い赤方偏移を説明するかもしれない、なぜなら、QSOの大気の外部を通する光の旅は、それを出発する前に赤方偏移しているかもしれ ない。長い旅の距離の銀河の赤方偏移を説明するためには、銀河間の媒体に、密度が 10^4原子/m^3 でなければならないが、これはそれに通常信じら れているもの(〜10^-1/m^3)よりはずっと大きい。しかしながら、銀河間の媒体の密度の不一致は、必ずしもその仮説を警告するものではない。 なぜなら、我々の銀河間の媒体に対する知識は非常に乏しく、また、銀河間空間のバリオン物質があまり空でない可能性[42]もある。

動的多重散乱理論もまた、現在の問いにとって非常に興味深いのは、光疲勞説メカニズムになる可能性からである。統計的光学 [43,44]の結果は、 光が擾乱(非一様)媒体を通るとき、多重散乱効果のためにスペクトル線の周波数のシフトが生み出される。線の新しい周波数は、古いそれに比例し、 赤方偏移が入射の周波数に依存しない[44]。幾つかの実験が地上の実験室で成功裡に実行され、300Km/sを超える赤方偏移[45]を導いた。この理論を 生み出すぼやけは問題であり得る。もし我々が銀河間媒体全体をシフトを生み出す実体とし、物体の同じコロニーのなかでエネルギー損失を考えると きそれでないとする。

全てのこれらの提案されたメカニズムは、我々に、非宇宙論的赤方偏移を伴うシナリオを建設することが全く可能であることを示す。それにも関わら ず、全てのこれらの理論が現在単なる推測であり、直接の実験的または観測的支持をもたないものである。


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2.2 宇宙の膨張の観測的テスト

我々は、銀河の赤方偏移を説明する代替的シナリオを、厳密に理論的観点から排除できないため、我々は、静止宇宙と共存できず、銀河の自体の 赤方偏移から離れた、テスト又は観測的証拠があるかどうかを見なければならない。サンディジ[46]は、宇宙が実際に膨張しているかどうかを検証 する、3つの異なる試験を指摘した。

1. トールマン表面輝度テスト

ハッブルとトールマン[47]は、輝度テストの測定に基づく、トールマン試験と呼ばれるテストを提案した。赤方偏移 z の銀河は、後退が存在する かどうかに依存して、表面の輝度が異なる。異なる式は:

膨張なしでは、log I = 定数 - log(1+z) - 0.4K であり、
膨張があれば、log I = 定数 - 4 log(1+z) - 0.4K である。ここで K(z) は、K-較正である。これは、波長に独立である。

原理は単純であるが、テストは実行が難しい。テスト物体としての銀河は均一の表面輝度を持たないからである。この問題への解答は、ペトロシアン 尺度直径という、それでもって適切な領域を定義するものを使って、そして、そのなかで平均表面輝度が、E 銀河の絶対等級に対して変化してそう測 定される手法を見出すことによって提案された[48, 49, 50]。

1991年、この試験が実行され[50]、結果はあまり明確でなかった。それらのデータは、何かを結論するには、余りに拡がりが大きかった。にも関わらず、 サンディジは、"天文学のキー問題"[46] について、トールマン試験が数年内に実行可能であると議会で宣言した。幾らかの著者[51]は、このテストが、 膨張とその他の効果が同じ方向の依存性をもっていて区別できないため、適切でないと指摘したが、 Lubin と Sandage [52]から、静的と定常状態モデル が混同されていると返事された。

予告どうり、2001年にルービンとサンディジは、トールマン試験を使ってこの宇宙の膨張の確定的な証拠を得たことを主張する。確定的な証拠の歴史 のなかでのもうひとつの証拠である。しかしながら、私は疑がわしいと思う。表面輝度が (1+z)^-n の n=4 に比例することを見出す代わりに、彼らは 好みの宇宙論的モデル(ΩM=0.35, ΩΛ= 0.65)がRバンドについては、n= 2.28+-0.17 そして、Iバンドについては n= 3.06+-0.13 であることを見出した。 それらの値が、n=4 からは数σも異なっているのに、著者たちは、差異が銀河の進化によることを主張する。彼らは銀河の進化が正確に係数を与え (Rバンドには (1+z)^(1.72+-0.17)、Iバンドには (1+z)^0.94+-0.13 だけの過去の強度をより明るくし)これらを膨張の結果に共存できるようにした。 彼らの主張はトールマン試験ではなく、銀河進化がトールマン試験と彼らの好みの膨張を含むモデルの間の差異を説明できるという主張であった。 膨張モデルは、(1+z)^-4 の依存を予言し、そして、それゆえ、理論と観測のギャップを近づける、ad hocな(一時凌ぎの)進化を作動させる。これは、 トールマン試験を使用不可能にして、我々がその結果を銀河進化から離れられないようにする。

ルービンとサンディジは、"非膨張仮説が表面輝度データに一致しない決定的な証拠"(彼ら自身の言葉)をもつと主張する。彼らの実行したトールマン試験は、 静止宇宙仮定は、 Rバンドに n= 1.61 +-0.13、 Iバンドに n= 2.27 +-0.12 であって、静止宇宙に得るべきである n= 1 ではない。ここに、差異は何か他の 原因の差異を説明する要素によるという代わりに、差異は、彼らの主張では、これは静止宇宙に対抗する決定的な証拠であって、なぜなら、時間の過去を振 り返る銀河の進化は負の輝度進化であり得ないからである。つまり、進化は銀河が過去に暗かったということを説明できない著者たちは、n= 2.28 +-0.17 を n= 4 と調停することは問題をもたずに、n= 1.61+-0.13をn=1 又は n=2と調停させることができない。(幾らかの光疲勞モデルはエネルギーを進行方向に 平行でなく垂直に失う、なぜなら光は横波であるから;この効果を考慮するとき光の予測される光強度の損失は、(1=z)^-2 になる) n=1 の場合でさえ、銀河 が過去に暗いという明確な説明があり、静止宇宙はまだ排除されないと私は思う。最初に私は、銀河進化には何もいえないとは思わない、なぜなら、現在 のモデルは、ビッグバンシナリオから導かれたものであるし、それは正確に我々がテストを求めるものであるから。次に私は、銀河間の吸収が、より遠方に 観測された暗い銀河の理由であり得ると考える。銀河間の媒質はそこにあって高いメタルの量[53, 54, 55]をもつ。高い赤方偏移においてさえ(実際、赤方偏移 に伴う金属性の減少をこれまで、全く見出されない[56])、それゆえ、いくらかの塵と吸収とをもつ可能性がある。我々は、それがどれだけの大きさか知ら ないが、我々はそれを知る前には、異なる宇宙論的仮説を対比できないことを心に留めなければならない。方法の不正確さによる誤りもまたあり得る。

それゆえ、私は結論する、今日、決定的なトールマン試験はない。ひとつの仮説又はその反対に有利と反論なく直接に解釈できるものは存在しない。


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2. 時間遅延テスト

膨張があるとき、大きな赤方偏移をもって我々に観測される全ての時計は、時間をその速度が(1+z)倍に緩慢に保つように現れる。これは、それ が1939年にWilson[57]によって提案されて以来知られる。Ia型超新星を使って、我々はそれらの光度曲線が時間軸にそって(1+z)倍だけ伸びるこ とが期待できるだろう。数年前まで、その予言のテストするための適当に大きな赤方偏移をもった超新星が見出されなかった。

時間遅延効果は、 Ia型超新星、z=0.479 の SN1995Kにおいて最近測定され[58]、光曲線に最もうまく一致するものは、(1+z)^b の b=1.0 +0.50 -0.25 だけ時間軸を伸長したものであった。それらのスペクトル特徴を分析する超新星の年齢測定の方法によって、(1+z)^b b= 2.4 +-2.1という 係数が導かれた。そのパラメタ値へのずっとよい制限が最近の測定[60]で b= 1.07 +-0.06 である。あり得る批判として、「光-曲線は、超新星の 内在的な明るさに依存していて、それは赤方偏移によってかなり変化するかもしれない。」ということである。しかしながら、この効果が偶然 b=1 を生んだのは奇妙な一致であり、そのため、私は測定は、時間遅延の検出についての非常に興味深く、堅固な結果であると思う。

これらの結果は、QSO[61]の結果と対立するようである。それらは、もしそれらが宇宙論的赤方偏移に対応する距離にあるなら期待されるようには 時間遅延を示さない。もし、この分析が正しければ、QSOの赤方偏移が宇宙論的(2.3.1参照)でないか、又は、これらが膨張の期待する効果を示さ ないかである。GRB(ガンマ線バースト)時間遅延に関しては、時間軸は、また、非宇宙論的効果がこれの補正に貢献しているにしても、宇宙論的時 間遅延効果から期待されるようにバースト中の時間は小さな赤方偏移には短い傾向がある。

どの事例も、この場合に思われるように、時間遅延が存在してさえ、必ずしもこれが膨張が唯一の説明であることを意味しない。NarlikarとArp[63]は、 可変質量仮説もまた超新星の光曲線に時間遅延効果を与えることができると主張する。なぜなら、形成される元素の減衰時間は、より低い質量の 原子のより遅い時計時間の上で起き、それらは正確に(1+z)係数に遅延されるからである。Segal[64] もまた時間遅延を彼の時間計量宇宙論ととも に説明する。

いずれにしても、超新星の結果は、私の意見では、膨張の現実性についての最も印象的で堅固なテストであり、もし、何かの代替理論がその時間 遅延をまた模擬できるときに限って、それは拒否できるだろう。


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3. 赤方偏移の関数としてのマイクロ波背景温度

宇宙マイクロ波背景輻射(CMBR, 3章を見よ)の温度は、間接的に、高い赤方偏移でもし適切な吸収線が高い赤方偏移物体に見出されることができれば、 検出できる。実に、Mackellar は、1941年にすでに、マイクロ波背景輻射が他の方法で発見されるよりも先に、青酸分子の回転を励起する2.3Kの残存 放射の温度を我々の銀河で測定した。熱いビッグバン宇宙論は、CMBRの温度を赤方偏移の関数と予言する。放射が事実、ビッグバンの名残りであると きに限り、これらの線を励起するのに必要な温度が銀河のなかで(1+z)倍だけ高い、これは検証可能である。

z=1.776 の吸収雲のなかの原子の遷移の励起を決定することによって、遠方QSOの視線に沿って、遷移がCMBRと平衡状態であるなら、この温度は、7.4 +-0.8K [66] と計算できる。それは、7.58Kという理論予測に合致する。しかしながら、雲のもうひとつの構成要素で非常に近い赤方偏移にあるものが 温度 10.5+-0.5K を与える。同様な結果は、[67] に報告されていて、z=2.34 の雲が6〜14Kの温度を与える[68]。

QSO に向かうz= 3.025のダンプされたLy-α系のなかのC+微細構造占有比率の分析から、温度14.6+-0.2K[69]が導かれ、一方、理論の予測はT= 10.97K である。直接に一致が得られないので、彼らは差異を励起の他のメカニズムの存在のせいにする。とくに衝突の。これが意味することは、以前の他の 論文のなかの測定が他の励起のメカニズムに影響されていて、彼らは単に最小でなく最大のCMBR温度を与えただけである。それゆえ、以前の仕事は、 CMBR温度のzによる(1+z)倍の増加を証明したわけではない。Molaro達[69]によれば、UVポンピング又はIRダスト放射は、C+にとって重要な励起メカニ ズムでないので彼らはその寄与を無視した。彼らが衝突励起を考慮した(n_H 4〜14 cm^-3の)とき、宇宙背景輻射の温度はT_CMBR=12.1+1.7-3.2(95% C.L.)Kが測定された。しかしながら、これはモデルと何かの不確かさのある衝突励起の計算に依存する間接的な測定であった。これらの検出は、また CMBRに付随しないもうひとつの放射として解釈できるものだった。彼らはCMBRの最大温度を決定することを許すがしかし、最小温度は、その他多くの パラメタに依存する衝突励起又はその他を原因とする較正に依存する。結果は励起への他の寄与の推定に依存し、そのためこのテストから何も確定的 なことが結論できない。

これらのSandage[46]によって提案されたテストから離れて、文献には幾らかの他のテストがある:

●みかけの等級対距離テスト
クラスタ内の楕円銀河へのハッブルダイアグラム[70, 71]、それらの絶対等級と半径は、基準面に関係するが、K-較正を計算に入れて、q0= 1/2又は q0= 0は、膨張宇宙にはフィットせず、静止宇宙にフィットする。Ωm〜0.3とΩΛ〜0.7の現在の値は、q0の値を幾らか変えるが、まだデータにフィット するのに十分でない。この不一致は、しかし、より高い赤方偏移の光度増加によって解かれるかもしれない。その原因を銀河の進化として。(銀河進化 は深赤外のFIRESとHSTのデータから指摘される可能な観測結果である) そのため、輝度進化のなかの不確かさは、これを膨張に対抗する証拠とすること を許さない。

●角度サイズ対赤方偏移テスト
テストは、過去25年間幾つかのグループ[73, 74, 70, 75, 76] によって異なるq0の値で行われた。テストは、またもっと最近のHSTの観測が、第1ランク の楕円銀河について[71, 77]なされた。電波銀河の角度サイズ、赤方偏移2までの範囲は、依存関係Θ〜z^-1 [75, 20] を示し、全てのスケールにわたっ て静止ユークリッド効果である。この結果は、我々が幾らか銀河の進化を仮定して異なる赤方偏移の銀河の半径を変え、より適当な依存関係にしない限り、 宇宙論的仮説と調停できない。しかしながら、電波源数のフィットは、無進化時が最良[78]である。可変実効半径の臨界仮定は、また、一定半径[79]に有 利な証拠、高赤方偏移の第1ランク楕円銀河が、低赤方偏移のそれと等しい速度のばらつきを示すこと、によって反対の議論になる。速度分散は質量によっ てスケールされるから、全ての第1ランクの楕円銀河がほとんど同じ質量を持たなければならない。そして、大きさは質量に相関するから、第1ランク楕円 銀河は、近似的に等しい実効半径を持たなければならない。高zと低zの第1ランク楕円銀河の絶対等級の近似はまた、全ての第1ランク楕円銀河が近似する 実効半径をもつことを確認する(T. B. Andrews 私的交信)。それゆえ、このテストは、膨張宇宙よりも静止宇宙に有利な証拠を示すように思える。しかし ながら、そのような型のテストの主要な問題は、赤方偏移によらないそれの不変性、又はそのよく知られた進化スキームに伴う変化性、を信頼して人が知 る "標準の棒" の特定であり、それゆえ、このテストの結果、この場合、静止宇宙という、特定の宇宙モデルの決定的な証拠であるような結果の解釈には、 我々は何よりも注意深くなければならない。そして、赤方偏移による銀河のサイズの変化性は、上述の議論にも関わらず、事実であるかもしれない(それが FIRST-HSTデータ[72]から指摘されたように)、それゆえ、再び、これらのテストは、確定的ではない。

●銀河間媒体の温度
小さいスケールのLy(ライマン)αの森のパワースペクトルの減退は、銀河間媒体の温度決定に使うことができる。それは典型的に20000Kと推論されるが、 赤方偏移に伴う進化の証拠がない[80]。ビッグバンにおいてさえ、温度は空間の拡大に伴ってどこでも断熱的に減少すべきものである。もし、これらの 測定が他の方法で確認されるなら、それは、他の説明が持ちあがるまでは、宇宙が現実に膨張していないということの、もうひとつの指標となる。現在は、 この主張を決定的に確立するのは早すぎる。


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2.3 異常赤方偏移

議論されたような、疑いが投げられる膨張の現実性が、仮に決定的に証明されている場合でさえ、これは、全ての銀河が宇宙論的赤方偏移を、 つまり、膨張による赤方偏移をもつことを意味しない。幾らか例外がありそうなのである。"異常赤方偏移"として知られる事例である。この節では、 この疑問に触れる幾つかの論文をレビューする。

"みかけ上"結合した、又は相互作用する銀河で、異なる赤方偏移をもつ事例がある[81, 26, 82]。最も有名なひとつは、"ステファンの5つ子" (SQ) [83]である。この系の1つの銀河(NGC7320)は、赤方偏移 0.0027で、他の4つは 0.019, 0.022, 0.022, 0.022 である。幾らかの著者 [84, 83, 85, 81] は、NGC 7320 が他の構成員と物理的近接をもたない前景の物体であるとすることに強く反対する。さらには、SQは、他の少々の 赤方偏移仲間とともに、全て NGC 7331 の衛星的構成員ではないかと疑われている。NGC 7331は、大きなSb銀河で赤方偏移はNGC 7320のそれに ほとんど同じである。なぜなら、電波放射物質がNGC 7331とSQとを繋いでいる[84]からである。しかしながら、この電波放射物質の光学的対応 物が26.7等級/秒角^2 までに見出されない[86]。また、次のことが主張された[87]。HSTの像は確定的にNGC 7320の赤方偏移の不一致の疑問を 解いた、なぜなら、 HSTはこの銀河のなかの個々の星を分解することができ、それは群の残りの銀河より近いことを示していた。Arp[88]は、 この声明に強く不同意をもって、この像のなかにグループのその高い赤方偏移構成員の個々の星を分解できると主張した。さらには、H II 領域 の輝度を距離の指標に使って、Arp[88] は、また、SQの低い又は高い赤方偏移の銀河が同じ距離に違いないと指摘した。また、NGC 7320 の至る 所に拡がる Hαフィラメントは、この銀河に期待される800km/sでなく 6500km/sである[86]。それらが偶然そこにあるのは、何かそれらしくない。 SQについての結論はまだ明確になっていない。

SQのような系は多くある。Hickson[89] は、サーベイをして4〜6の構成員をもつコンパクトな銀河群100のカタログを出版した。全ての赤方偏移 が測定された。28の系が1つの赤方偏移が残りの平均から非常に違っている[90]。構成員、サイズ、等級とそして赤方偏移が飛び離れている構成 員の形態学的型は、投射の偶然のシナリオに合致しているが、5つ子の位置の分布は、そのような筋書きから期待されるものより中心に密集している[91]。

幾つかの写真の証拠で、何かフィラメント状の構造がふたつの銀河を繋ぐものもある:ひとつの銀河から発してもうひとつに終わるフィラメント、 それは、小さな構成員が大きい天体から、どうかして放出されたことを示唆する[81]。例として:セイファート 1 銀河 NGC 7603 (z= 0.029) は、 随伴銀河 (z= 0.056) に結合しているように見え、薄いフィラメントに沿って、さらにふたつのもっと遠い赤方偏移 0.24 と 0.39 [92,93]の H II-銀河があり、それらがその系を、宇宙論的赤方偏移の見地から、もっとずっとありそうにないものにしている。この構成が偶然にできる確率は、 10^-9 のオーダーの数を与える。もうひとつの面白い事例は、NEQ3 [94, 95]: z=0.12 の銀河でその短軸に沿ったフィラメントが、中心のひとつ から3秒角より小さい分離しかしていない三つの天体の群のなかに終結する:QSO(z= 0.19), HII-銀河(z= 0.19), そして HII-銀河(z= 0.22)。


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2.3.1 異なる赤方偏移のQSO-銀河のみかけの集合

これらの集合はまだ広く受け入られていないが、その数は、拡がってさえいる。非正統的な仮説は、非常に少数の天文学者 (Arp, Burbidge & Burbidge と他の数人) に共有されて、QSOが低い赤方偏移の活動銀河によって放出されているという主張をする。銀河が銀河を生む、それらは、 ビッグバン宇宙のなかの初期の密度ゆらぎから作られたものではない[96]。赤方偏移は、内在的で、量子化されている。アープのモデル[97]は、 QSOが親の銀河の短軸に沿って放出され、それらが外に向かって移動し、年をとって正常な銀河になるに従って、赤方偏移を下げると仮定する。 以前の節で提起したHII銀河[93]のように、幾らかの天体の異常赤方偏移に伴う狭線の特徴は、フィラメントのガスと相互作用するQSOの結果、 又は同じ天体の進化の異なる段階かもしれない。いくらかの変種も提案されている:例えば Driessen[98] は、QSOが銀河間の新しい相互作用 で交換される粒子である、それは電磁気相互作用における光子となにか似ていると主張する。Bell[99,100] は、それぞれの放出事象は、3つ組 でなされ、各3つ子は放出の直後に単独子とペアに分れる。どの場合も主要なアイデアは、QSOが高い赤方偏移にも関わらず、実際には近傍銀河 と同じ距離であるということである。

QSOの放出起原の証拠は、最初に活動銀河を横切る電波源のペアに見られた。電波源は、放出されたと受け入られ、それらの幾つかがQSOである と早めに特定された[101, 102]。そのような集合の統計的証拠は増え続け、そしてX線QSOが発見され始めたとき、活動銀河に伴う集合である可能 性のさらなる例が見出された[103]。z≦0.05の銀河に伴う全ての赤方偏移のQSOの集合の強い統計的証拠が見付かる[104]。相関は明るいQSOにより ずっと高く[105](実際、銀河からの小さな角度分離のQSOは、平均して高めの輝度をもつ[106])。そして、異なる赤方偏移をもつ QSO-銀河の、 QSO-QSOの、非常に多くのさらなる相関の例が他のカタログ[90,107]にあって、それらの幾つかは、7-10σレベルである。幾らかの著者(例[108], 仮説 H2-H3) は、より高い確率を得るが、彼らの計算には、天体の等級の代わりに、サーベイの限界等級を使用するからである。しかし、これは 正しくない。なぜなら、検出された天体のほとんどが限界等級の近くであり、乱数的と期待するだろうから。相関する天体の等級は、限界等級よ りもずっと明るい傾向がある[106]。それゆえ、限界等級よりもずっと明るい天体のもつ確率(明るければ明るい程、確率は小さい) を特徴付ける 係数を確率に乗算しなければならない。そして、これは天体の等級を使用することと等価である。

全ての非楕円銀河で12.8等級より明るく、みかけの随伴銀河をもつものが分析され、34候補中13の随伴銀河が高い赤方偏移のQSOをもつが、それぞ れ偶然としての確率が0.01未満である[109]:これが偶然であるとする全体としての確率は、10^-17 である。NGC 3842と3つのQSOが73秒未満にもつ のような系ひとつだけが、多重投射効果としては、10^-7 未満の確率をもつ[110, 81]。また、中心のセイファート銀河の短軸に沿って配置された QSOの構成もあって、偶然であるととするなら、その確率は、 10^-9 から 10^-10 である[111, 97]。そして、幾らかの事例では、QSO があり得な いほど銀河に非常に近い:例、z= 1.695 の QSO が、銀河核 2237+0305 z= 0.0394 の 0.3 秒角以内にある[112]。

高磁束密度の電波QSO分布には、非等方性がある[113]。M33の一方の側のQSO数は、その正反対の側の領域より、はるかに高い(〜11σ)。z〜1 の QSOの最も強い集中は、局所超銀河団のなかのみかけ直径40度の固定した角度をカバーする空の領域に位置している[26]。また、11のQSOが NGC 1068 の近くへの集合[114] (NGC 1068は、それ自身、非常に奇妙な速度をもつセファート銀河で:3200km/sまでの青方偏移する視線速度をもつ 結節と、7pc内に2000km/sまでの視線速度への傾斜をもつ)は、銀河回転に相関する法線の放射パターンをもち、ペアの平均赤方偏移は、セイフ ァート銀河からの距離に近似的に線形に離れていき、そしてそれらは量子化されている[99, 115]。

幾つかの QSO-銀河ペアの詳細調査で、銀河と QSO がみかけの結合していることを示す。例えば、NGC 4319とMk205[116, 45]の間の輝く橋の結合。 フィラメントは写真上の人工的な歪みという議論がされたが、システムは、CCD画像に依存していて、そのことがフィラメントの現実性を証明した。 もうひとつの事例は、z=0.34とz=0.75の電波源の電波等高線による結合である[117]。又は、QSO 3C232 (z= 0.5303) と銀河 NGC 3067 (z= 0.0049) の間の中性水素の雲の結合[118, 119]。この最後の事例に私は非常に仰天したのは、ふたつの天体を結ぶ電波の橋がほとんど2分角の長さに及び、 NGC 3067 銀河に付随する赤方偏移もそうだが、QSOの位置する場所で最大強度であることである。NGC 3628 は、周囲の幾つかのQSOに何か 関係がありそうである[120]:幾つものQSOがNGC 3628の核を跨いで配置している(z= 0.981一方の側で。z= 0.995とz=2.15 他の側で)。これらは 銀河の核と X線等高線で結合している。それらは、銀河に属するふたつのHIプラズマにあり、それだけでなく、銀河と結合する光学のフィラメント もあり、QSO z= 0.995 の方向を指している。X線電波と光学の結合の他の事例がある[121]。それにも関わらず、これらの事例のなかには、ふたつの 構造を繋ぐみかけの橋が人工的な歪であるものがあるだろうし、また、等高線の信号/雑音比が大きくない[122](例 いくらかのX線等高線)か、又は 違う天体の等高線の重なりによって、両方の源の等高線が非常に近接しているとき(例、NGC 4319)、又は、サーベイの空間分解能が低いとき、これら の小さな橋が作られ得る。しかし、これらのようなどんな人工物によっても解かれ得ない、それらの多く(例、NGC 3067)がある。

ダークマターによる、弱い重力レンズが、これらの相関の原因として提案された。それらを説明するには非常に不十分であり[123, 105, 93]、そして、 最も明るい最も近い銀河[124] の相関には働くことができない。橋/フィラメントを説明するに足らない。実際のところ、観測された相関の大きさは、 標準宇宙論値から弱いレンズで期待される値よりも、約100倍大きい。


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2.3.2 QSOについて未解決問題

他の異常や疑問であまり明確な答えをもたず、QSOの性質について提起されたものは、それらの距離が、それらの赤方偏移の宇宙論的解釈によって 指示されるほど高い距離ではないのではないかという疑いである。

そのような大きな距離であるためにQSOに必要とされる明るさは、10^43 と 10^47 erg/s の間である。 (短時間の強い変光性を正当化する) 相対的に コンパクトな領域から莫大なエネルギーが作られなければならない。この問題は、とてつもないブラックホールによって解かれるけれども、説明は、 距離の悪い決定にも関係するだろう。非常に高い輝度のz〜6の量を正当化するのは特別な問題があるようだ。そして重力レンズの解は働かない[125, 55]。

さらには、Hewitt & Burbidge カタログ[126] に観測された QSOの等級ー赤方偏移関係の莫大な拡がりは、それへハッブルの法則を導くことを不可能 にする。これは強い議論ではない。なぜなら光度の内在的拡がりがそれ自身高いだろうから、しかし、多分、距離の測定に何か間違いを指摘している のであろう。

もうひとつの警告は、それらの平均光度が全ての赤方偏移で同じになるような正しい方法で QSOの平均光度が時間によって減少しなければなら ないことで、このことは極端にありそうにない。平均的に、異なる赤方偏位をもつ QSO が同程度の光度をもっている。このことが標準的なシナリ オで QSO がその内在的な特性を進化させ、宇宙の進化に伴って、それらがより小さく、より暗くなるように説明されないといけない。そのように、 z= 1 の QSO は、z= 0.1 のよりも何倍も内在的に明るくないといけない。そのずっと高い距離を補償するために、なぜそれらが平均的に同程度の 明るさであるかを説明するために。どのような赤方偏移であっても、このみかけの等級の一致を作り出すために、なぜ、QSO は、この方法で進化を しなければならないか[127]。さらにまた、光学的QSOの数のピークは、z= 2.5〜3 であり、赤方偏移が増えても減っても減少する。z= 5 ではそれは 約20の係数に落ちる。z= 6では、z= 5 の QSO の半分である[128]。標準モデルは、QSO が全ての銀河の種であって、最も早期の時期には、より多く の数がなければならない。それゆえ、明らかにここには問題がある。それはad hoc(特例的)に解かれてよいが、そのモデルの自然の予測ではない。 QSOの活動にとってガス降着の役割が何かをしたであろう。それに対比して、内在的赤方偏移では、みかけの等級とQSOの距離の間の関係は単純な逆2 乗則である。

遠方の源(D) の超光速の動きが観測される。すなわち、ふたつの電波放射の小塊間にある角速度 w は、直線的な速度 v= Dw を意味し光速を超える[129]。 幾らか説明はある。 相対論的ビームモデル[130]と呼ばれるものは、ひとつの小塊 A は静止して、一方小塊 B はほとんど観測者に向かって速度 V<c で移動している。角度 cos^-1(V/c)が、進行線と B-観測者の線の間にある。これがみかけの分離速度がcを超えられることを導く。また、もうひとつの 重力的に曲がるシナリオ[131]の提案がある。しかしながら、両方のシナリオは、考案される共通の批判を共有していて、何か低い確率(〜10^-4)[132] をもつ。

もうひとつのQSOの問題:PG0052+251 は、通常の渦巻銀河のコアにあって、ホスト銀河は、QSOの放射によって散らばっていないように見える。それが 標準のシナリオでは、QSO放射が銀河間の媒体をイオン化するのに十分強いと想定されている[133]。

上述のように、(もし膨張が現実で、)もしそれらが宇宙論的赤方偏移に対応する距離にあれば期待されるようには、QSOは、時間遅れを示さない[61]。

電波放射の偏光は、磁場のある銀河外部のプラズマを通過するとき回転する。 QSOには、そのようなファラデー回転は、(平均して)距離とともに増加 すべきである。もし、赤方偏移が距離を表しているなら、そのとき、回転と赤方偏移は、連れだって増加すべきである。しかしながら、平均ファラデ ー回転は、z= 2 の近くは、z= 1 の近く(そこでは QSO は、明らかに内在的に明るい。Arpのモデル[82]に従えば。) より少ない。

非常に高い赤方偏移のQSOの金属性と塵の内容は、それらのホスト銀河と等しいか、ある場合には、低い赤方偏移の金属性より大きくさえある(5.5節参照)。

QSOにはダンプしたLyα系の吸収線がある。HST、NICMOS スペクトル分析器は、赤外線でこれらの天体を直接見ようとサーチしたが、それらの大半の 部分の検出に失敗した[134]。さらに、その相対的な量は、驚異的に均一で、標準モデル[135]では説明できない。そして、上述(2.2節)のように、 これらの雲の温度は赤方偏移によって変わらない[80]。標準モデルの通常の予測には一致しない事実である。

この全情報によって唯一の結論を得ることは、難しい。少なくとも私が思うには、彼らはドアを開けておくように務めるべきで、QSOと多分 他の銀河も、非宇宙論的赤方偏移をもつかもしれないというアイデアに対して、自動的に拒絶すべきでない。


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3.マイクロ波背景輻射

Gamow[136]と Alpher & Herman[137} は、それがその火の玉から作り出す残存放射が背景として観測できるかもしれないビッグバンモデルのなか の宇宙の早期段階を予測した。しかしながら、ガモフとその共同研究者は、検出は、完全に遂行不可能という意見だった[65]。残存放射が検出可 能なマイクロ波の現象とする認識の最初の出版は、1964年に現れた[138]。ビッグバンに基づいた背景温度の予測で、その範囲が5K〜50Kで、観測 に一致するものはなかったし[139]、最悪のガモフの上方に更新した推定の50Kは、1961年になされた。 1965年、発見の年に、観測されたヘリウム の生産の量のために温度 30K が計算された[140]。この背景輻射は、この年に、Penzias & Wilson[141]によって 3.5Kの温度とともに発見され、 今日では2.728Kと測定されている[142]。エネルギーは、T^4 に比例するから、観測されたエネルギー量は、数1000倍も予測された量より少なかっ たが、それが完全な黒体のスペクトルをもつことは正しく予測された[142]。発見は、それによってノーベル賞を得たペンジアスとウイルソンに帰 するとされたが、その輻射は、実に以前から発見されていた。宇宙論的放射の見地からは解釈されなかったが:1957年、Shimaonov [143]が 3.2cm の波長の宇宙から来る電波を測定していて、背景輻射の絶対実効温度は 4+-3K で空の方向によらずに現れるべきという結論を得た。日本の電波天 文学者のチームもまた1950年代の初めにこの放射を測定した[65]のも可能性ありで、そして、間接的にMacKeller によって1941年に回転する青酸 の分子を励起する放射の必要から見出された[65]。いずれにしても放射はあって、問題はこの放射の起原であり、発見者ではない。高エネルギー の始源的宇宙が唯一可能なシナリオであるのか?

Charles-Edouard Guillaume (ノーベル物理学賞 1920年)は、"Les Rayons X"(X線,1896)という題の彼の論説のなかで星々の放射が6.1Kの背景 温度を保つだろうと予測した[45]。"宇宙の温度"という表現は、Eddington の"星の内部構成"[144, 45]の第13章の題名である。彼は宇宙にあ るどの物体も、遠方の星明かりの放射に浸されているとして、そこまで冷却される最小温度を計算した。調整パラメタなしに、彼は3Kを得、 本質的にそれは、観測された背景(CMBR)温度と同じであった。ほかの早期の予測[45]、Regenerによる[145]1933年又は、Nernst[146]の1937年 は、地球に到着する宇宙の放射エネルギーを吸収する黒体に 2.8K の温度を与えた。エディントンの"宇宙の温度"の議論は高々我々の銀河に まで適用すると主張された。しかし、エディントンの推論は、銀河間の空間にも適用された。それに向かう最小は、銀河の放射とQSOの光によ って設定される。半世紀前の元の計算は、この制限が多分、1 - 6Kの範囲に入ると示した。そしてそれは、QSO が発見される前であり、我々が 現代的な銀河の空間密度を知る前であった。この流れでまた光疲勞説のシナリオ [147, 148] でのマイクロ波背景の存在が推論された。しかし、 静止宇宙の光疲勞では光は旅の距離に比例する赤方偏移を被る。光の吸収や放射がない場合、光子数密度は一定を保ち、我々は黒体背景を見な いだろう。宇宙は光疲勞では、熱的背景輻射スペクトルを保持するのに十分な大きさの光の深度をもてない[149]、なぜなら、我々は決して電波 銀河z〜3をそれに必要な光学深度をもって観測できないからである。それゆえ、少なくとも銀河自身の殻でなく銀河間媒体を光疲勞の原因とす るとき、この解は働かないように思える。


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50年代に指摘された[150, 151]ことは、もし観測されるHeの存在量が星の水素燃焼で得られるならば、宇宙の歴史のなかには放射密度が今日 の星の光よりもずっと高かった時期が存在していなくてはならない。もし、宇宙にある見える物質の平均密度がρ〜3x10^-31 g/cm^3 で、そ のなかのHe/Hの質量比が 0.244 (4章を見よ)なら、He 生成において解放されていなくてはならないエネルギーは、4.39 x 10^-13 erg/cm^3 である。このエネルギーを熱にすると、黒体温度は、T= 2.760 K となってCMBRに観測された温度に非常に近い。それゆえ、マイクロ波放射の エネルギーのそれらしい説明は、直截な天体物理学の見地からは、星の水素燃焼を意味する [96]。Hoyle 達[152]は、また、マイクロ波背景 温度と水素のそれの粒子への濃縮の疑わしい一致を指摘した。彼らは、水素が粒子に濃縮されたとき、銀河と星の形成が非常に容易に進行し、 それがガスのときそうでない、そして宇宙のマイクロ波背景温度は銀河形成に付随するものである、と仮説する。これらの場合のいずれも温 度に変わるメカニズムは、多分、最も難しい問題である。塵の放射は、純粋な黒体からのそれとは実質的に異なる。さらには、塵の粒子は、 黒体マイクロ波輻射の源とはなりえない、なぜなら、それらは、黒体スペクトルを生むに必要なほど十分不透明でない。黒体輻射の形の解は、 特別な粒子の特性が必要で、それらは通常の塵の粒子ではない:炭素質の針、複数の爆発または複数のビッグバン、銀河形成中の重い星のエ ネルギー解放、等など。疑似定常状態モデル[6,7]は、赤方偏移〜4にτ= 7 であることを条件に、大きさが 1 mm 程度の長さで直径 10^-6 cm のウィスカーの平均 10^-35 g/cm^3の散布があると議論する。しかしながら、z= 4 又は 5までの観測による透明度によって、莫大な塵の存在 が宇宙を不透明にすることは禁止される。何か類似したものが"コスモイド"の熱化の提案である。太陽系の内部にも観測される宇宙の小惑星 である[153]。解は無限の宇宙かもしれない。不透明性は有限宇宙だけに必要であり、たとえ、非常に大きな距離まで透明であっても、無限 宇宙は熱力学的平衡を達成できる。なぜなら、熱混合は例えば光を運ぶ媒体自身の量子よりずっと小さいスケールで起きることができるから。

もうひとつの可能な説明は、Clube[154] によって与えられた。彼はエーテル、すなわち、物質的な真空の存在を考慮して、その放射がマイク ロ波背景輻射自体を与えると説明する。このエーテルは、ローレンツの理論に従い非圧縮性の流体であって、その存在はアインシュタインの 特殊相対論に対立する。平坦な時空のなかの力学のローレンツ[155]不変の法則は、静止質量と光速が一定でない一般相対論の標準的な観測的 試験を再生産する。そのため、アインシュタインとローレンツの理論の間の最終的選択は、クルーベによれば、まだ確定しない[154]。

Lerner[156, 157]は、銀河間の磁場中の電子がマイクロ波輻射の放出と吸収とをするという提案する。放射が吸収のときに放射の動く方向と 再放出のときの方向は関係がなく、そのためにマイクロ波は散乱される。何回かの散乱の後、放射は滑らかにされ尽くす。磁場は銀河間の平均 よりもずっと強いものが必要とされるだろう;多分、銀河の核から放出されるジェットがそれを用意するだろう。背景輻射は、この銀河間吸収 によって等方性観測を歪まされ、そのため、放射は代わりに平衡して銀河間媒体自体から来なければならない。この予測は、電波源の距離によ る数の増加が光学源の数の増加よりずっと遅いという事実と合致する;恐らく、銀河間の媒体のこの電波の吸収が原因である。銀河間の媒体の なかの何かが電波とマイクロ波を吸収するという観測的証拠もまた与えられた。なぜなら、一定の赤外放射とともに与えられたより遠い電波源 は、電波のほうがより暗くなる[158, 159]。しかしながら、中間的な赤方偏移において、電波には本当に明るい幾らかの源がある。白鳥座 A (z= 0.056) 又は Abell 2218 (z= 0.174) である。z= 1.5 までの全く一定の FIR/Radio があって [160]、その源は、z= 4.4 において観測さ れた。我々は、異常な赤方偏移の問題をこれら全ての事例でもっている。それらは、レーナーのアイデアがうまく働かないことは有りそうもな いと思わせる。

現在、マイクロ波背景輻射を説明して問題のない、申し分のない代替のシナリオはない。それゆえ、標準シナリオが最良の解にみえる。しかし ながら、標準シナリオも全ての事実を説明するには警告から免れない。例えば、多くの粒子が 60 x 10^18 eV を超えるエネルギーで見られる。 しかし、それは、マイクロ波背景光子との相互作用によって、20-50 Mpc より多く旅行する理論的エネルギーの限界である[161]。これがビッグ バン理論のなかでのCMBRの実際的解釈への問題である。それゆえ、人は他の代替に対抗して決定的に閉ざされてあるべきではない。熱い原初的 なビッグバンは、このマイクロ波背景輻射の存在にだけを原因として、堅固な理論として確定的に打ち立てられなかった、単なる仮説である。


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3.1 マイクロ波背景輻射の非等方性

マイクロ波背景輻射は、非等方性という空の方向による光束の小さな変化をもつ。マイクロ波背景輻射のなかの非等方性を最初の予測は、1/100 か1/1000という値を与えた[162]; しかしながら、これはその何100倍も小さい値を与えた観測に一致できなかった。そのため、非バリオン物質が 問題を解くためにad hoc(特別に、その場限りに)導入された。同じ事がこれらの非等方性のパワースペクトルのピークの予測にも言える。角度 スケールの1度と0.3度の音響的ピークは、最初のピークと同程度の高さの2度目のピークとともに予測された[163]。データが来るたびに次々と 継続的に(successively)その振幅が削減された。ブーメラン気球由来の機器 [164] から新しく得られたデータは、非常に小さい又は無視できる 2番目のピークの信号を示し、そうして再び、宇宙論的パラメタは再一致した。明らかに、マイクロ波背景輻射の歴史は、観測に一致しない予測 の集りであるが、モデルの修正を許して、それらにad hocに一致する。これを"標準モデルの成功した(successful)予測"という。

そして再び他の事例と似て、我々は他の代替的理論の成功した予測の集合をもつ。それらのほとんどは、また ad hoc にである。Narlikar達{165] は、観測された非等方性を疑似定常状態理論によって説明する。最初のパワースペクトルのピーク l〜200 (標準理論では最初の音響的ドップラー ピークに一致する)は、銀河の豊富なクラスタの見地で説明し、また他のピークも予測された。角度のゆらぎは周波数に依存しない。しかし、疑似 定常状態理論では関連する不透明さ(炭素ウィスカー等)は、周波数に強く依存する。ダークマターなしに第2のピークの先験的な予測がMOND(修正 ニュートン力学)によってなされる[166]。そして、その一致度は良好である:非常に低いこのピークの振幅の値。

宇宙論的仮説を離れて、可能な非等方性の源は、多彩である (地球の静止空間に対する運動によるダイポール成分をまた離れて):背景の光子の経路 に沿ったポテンシャルの変動、Sunyaev-Zel'dovich 効果 (光の経路に沿った逆コンプトン効果)、再イオン化、他の非常に低い温度の源からの光子、 銀河の汚染、銀河間雲の汚染、等。現在は、全ての汚染が管理されるように主張され、非常に低く主張され、そして多分、そうであろう。

1999年に[167]、銀河の汚染は、主に、マイクロ波の塵による放射のゆらぎの計算に、異なる空の領域の違った温度を考慮にいれずに、遠赤外の塵 の放射が引き写されて、使われているという事実によって、正しく計算されていないという主張があった (マイクロ波の銀河の塵の地図は赤外の 銀河の塵の型紙に同じくとられ、周波数に依存するが方向に依存しない係数を掛けた同一物である)。実際に観測されたように[167]、平均の温度 より低い温度のいくらかの雲があるということを考慮にいれて、<TT>は、大きさのオーダーを増加するかもしれない。回転する塵の放射を加え ると50-90GHzの範囲[167]での黒体の周波数温度の非等方性は、COBE-DMR によって観測されたと同じに、模倣することができる。 明かに、これらの言及は、成果に乏しい。なぜなら、銀河の汚染の全ての訂正は、実行が継続中であるから、同じような間違った方法で:型紙を 使って、そして/又は、一定のスペクトルの銀河の塵の汚染のインデックスを使用するという。それでもなお、ブーメラン風船由来[164]のような 後続の観測が、証明したのは、少なくとも銀河の汚染が低いいくらかの領域では、マイクロ波背景輻射非等方性は、大きな周波数範囲にわたって、 周波数に独立である。そのため、なにか塵でないものがこれらの非等方性を生成していなければならない。多分、それが平均CMBRを放射している 同じ源であろう。


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4. 核合成

標準モデルでは、4He と 他の軽元素(重水素、3He. 9Be, 7Li)が原始宇宙で創られ、これらの元素の存在が過去の熱い宇宙の必要性の証明であると 主張されている。しかしながら、代替がある。代替は、全ての観測を正確に説明するには何か警告をもつかもしれないが、ビッグバンも問題がな いわけではない。

ヘリウムは、幾つかの爆発で作られ得る。 (疑似)定常状態理論のなかのそれらのような。または、銀河の核領域のなかで進化する重い天体のなか で合成される得る[168]。銀河形成の最初のひとときのなかにある重い星の存在、それは数億年間で、我々が現在観測する24%のヘリウムを作り出し、 これが超新星爆発で星間を通して散布されるだろう。実際、Burbidge & Hoyle[169] は、星々の全ての光の核を作るために、いまも作られている事 例であると、さらに最近議論している。集団III という星々が、いま観測される近赤外の背景と、銀河間媒体の重元素の汚染とに、寄与していると 信じられている。そして、それは、初期の He量にも貢献しているかもしれない {170]。幾人かの理論家は、その場合、観測されているより多くの 酸素と炭素があるべきであると反対する:この疑問は解けるだろう。もし、最小の重い星がその(純粋ヘリウムの)外層を爆発させたのでなく、吹き 消したのなら[41] (6章)。ある希元素の同位元素は、この方法では作られ得ない、しかし、初期の星々によって発生されている宇宙線、背景のプラ ズマと衝突して、それらを生成するだろう。プラズマ宇宙論は、またよい一致をつくる[45]。それゆえ、ビッグバンには代替がある。これらの元素 のどれを作ることにおいても。しかし、もちろん、現在までの詳細の提案において標準理論がもっとも完全である。

4He と 7Li の量は、現在の宇宙がバリオン密度が0.018<Ωb h^2<0.022の範囲なら、ビッグバンの後1分に期待されるものと全て一致している[171]。 知られる最も良い存在量は、4Heで、 金属性ゼロであるとき 0.24 近辺である。しかしながら、金属内容に乏しい銀河は、星の汚染の最小化を意味し、 4Heの質量比率が0.21まで下がる[172]。誤差の範囲を許しても、これは低く過ぎて、到底ビッグバンの予測に合致しない。始源的な設定の非一様性の その場限りの説明だけがビッグバン核合成におけるこの結果を隠すのである。我々の銀河系のなかにまた、その大気にヘリウム量の少ない星々もある: 副矮星B型星である。しかし、これらは、燐とそのような元素の奇妙さもまた示され、それらは、集団Iの化学的に奇妙な星々に付属していることが示 された[173]。信じられることは、これらのしろものは正常なヘリウム量を示さないし、それらを計算にいれてもいないことである。

重水素進化とビッグバンからの可能な重水素生成のメカニズムは、いまだに適切に理解されていない[174, 175]。ベリリウムについては、星々のなか で過剰な量が観測されている[176]。しかし、これらはそれらが金属性セロでないこととその量が始源宇宙では少ないに違いないという議論で正当化さ れる。また、我々の銀河がベリリウムを生成し、物質の膠着[176]という議論もある。又は、始源的核生成が、事後的に、非一様な核生成によって置き 換えられるべきという議論がある。


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もうひとつの問題が数年前に持ちあがった。しかし、それは今日もう解けたと主張されている。銀河クラスタ内のバリオン比の最小下限は、大体、 Ωb/Ωm = 0.07 +-0.007 である[178]。そのため、宇宙の密度がΩm = 1よりもずっと低い[179,180,181]か、又は元素量の標準解釈に誤りがあるか 元素量が誤測定されたか、のいずれかである。今日の解決は、Ωm〜 0.3 と0でない宇宙論的定数、ΩΛ〜 0.7 が Ω= 1 を得るという合致に由来する (5.3節参照)。

それゆえ、我々は標準モデルが警告を受けないわけではなく、多くのデータが直接のものでなく、元素生成と進化の他のモデルに依存していること を見る。多分、批判の最も重要な側面は、原始の核生成のテストの方法論そのものである[182]:観測によってテストされる予測を試みるのではなく、 集団IIの物質の量の測定のように、宇宙論者がある特定のモデルに適する必要な答えを先に知っていて、観測を手に取って欲しいままに、原始の量 を決定しようとすることである。そのとき、彼らは導出した量を使って、循環性が保証されるように、そのモデルを調整してさらに近く一致するよう にする。この方法によって、導かれたバリオン密度は、後の宇宙の大規模構造を説明するにはあまりに低く、一時凌ぎの冷たい非バリオンマターを 付け加え、宇宙定数を導入しなければならなくなる。

幾つかの自由なパラメタがある:中性子崩壊時間、ニュートリノの種類の数、バリオンと光子の比;多分、最初のふたつは、多かれ少なかれ知られて いるだろうだけれど。しかしながら、始源的核生成への観測とのずっと良い合致は、ニュートリノの種類の数が粒子の標準モデルから予測される3で はなく2であるときに得られるのである[183]。

まだ、我々が見るように、幾らかの未解決問題がモデルのなかで議論され、これが代替モデルによって取り替えられるかどうかが残されている。 これを見ていこう。


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5 銀河形成とダークマター問題

5.1 大規模構造

すべての他の章と同じく、ボイドと銀河の形成を説明する他の理論がある[96]:原始銀河とQSOからの放射の乖離[182];他の銀河を銀河が生む[96]; 磁場と電流のただなかのプラズマがフィラメントを生み、これがフィラメント宇宙を説明する[41, 184, 185, 186, 187];疑似定常状態理論[188]、 それは、観測された2点相関関数を再現する;そして、他の理論。

もし我々が代替シナリオを無視しても、我々はひとつの標準のなかの全てをよく理解しているとは言えない。警告又は未解決問題は、まだ存在する。 もちろん、問題は予想される、なぜなら現象の全体的理解はあまりに難しい。大規模構造の特性の違いを確認するために実行する数値シミュレーション は、十分でないだろう。ディズニー[1]によって冗談っぽく言われたように:"ガスの動力学については、初期状態、星形成の物理、進化、塵、バイアス、 固有の相関の統計、放射と物理の間のフィードバック...は? すべてのこれらの影響に対するよい企てなしに、'うすのろ宇宙論' は、もはや現実の 宇宙論に関するものでなく、コンピュータゲーム 'ライフ'が、進化生物学に対するものであろう"。非線型のレジーム(制度?) のなかでの構造の進化 の計算をする分析的方法[189, 190]は、またそれらの限界をもつ。

標準理論は、10Mpcよりも大きいスケールの大規模な一様性を要求するだろう。銀河と銀河クラスタの分布は、大規模に乱数的でなければならない。 しかしながら、一様性からの脱却は、フラクタル宇宙と頻度高い構造の規則性を要求する。ペンシル・ビーム探索は、我々からふたつの反対方向に 1Gpcを超える距離の外に拡がる大規模構造を示している。これはかなりの規則的な間隔をもった、壁のような銀河の特徴の継続として現れている。 その特徴スケールが128 h^-1 Mpcである[191]。その最初のものが 130 Mpcの距離の"グレートウオール"と呼ばれる。その一様に離れた銀河の"壁"の 幾つかが見出された[192]。他の方向の明らかな周期性の欠乏は、初期の報告の統計異常[193]と考えられたが、その後、銀河クラスタの 120 +-15 h^-1 Mpc の周期が再度確認された(例えば[194])。


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幾つかの観測は、大規模な非一様性と、少なくとも100Mpcまでに、スケールのフラクタルから来る典型的な奇妙な速度を示している。そのため、 フラクタル非一様性セルの内部の密度ゆらぎが純粋なフリードマン振舞からの強い擾乱を導くだろう[195, 196, 198, 199]。それゆえ、宇宙は、 100Mpc未満ではフリードマン=ラメトル=ロバートソン=ウオーカーに近くさえない。Las Campanas 赤方偏移調査では一様分布からの統計的な 差異が少なくとも200Mpcのスケールを超えて見出された[200]。構造は、このレベルのフィラメントとボイド[201]と、宇宙論的背景に対する大 きな速度の流れ[202]とによってに支配されている。しかしながら、他の観測は反対の結論を示唆する:2と25Mpcの間の範囲の距離における ハッブルの法則の衝撃的な線型性[203, 149]。これは、非一様性のパラドックスである[4]。パラドックスだけでなく、銀河と銀河クラスタの我 々からの視線速度が完全にハッブル流によって完全に支配されるスケールの H0, q0, Ω0 パラメタが知識なしに決定される[204]。ほとんどの 宇宙論者は、マイクロ波背景輻射の高度な一様性を、宇宙が大規模には一様であるという仮定の原理的正当性のひとつであると主張する。 それ自身によって、いくらかの観測者が等方的背景輻射を結論的でないとみる事実:なぜなら、静的な非一様宇宙だけでなく、そのなかに 我々が中心の近くにいる球対称な非一様な宇宙[204]では、これは真実であり得る。そのため、未解決問題は、明かに存在する。

銀河の局所的な流れの運動は、どこも均一であるべき有限宇宙にそれが想定されるよりはあまりに高い。1990年代の早期に、銀河の赤方偏移が 空の反対方向では異なることを我々は学んだ[205, 206, 207, 208]。CMB双極性から推定される局所群の絶対空間速度との流れの不一致がある[209]。 標準モデルは、これを少なくとも130Mpcのスケールのマイクロ波放射に対する銀河の群の不思議な流れの存在として解釈した。以前には、この 流れは、"グレートアトラクタ"がすべてのこれらの銀河をその方向に引いているという仮説に導いた。しかし、より新しい研究では、仮説的特徴 の反対側に逆側の落ちこみが見出されない。それでは、銀河の大規模な流れの明らかな結果に対する標準モデルのなかで唯一の代替は、背景放射が 我々に対して運動しているということである。いずれにしても、この結果は、正統的な解釈にとって問題の結果である。

一様等方の宇宙のなかで我々はまた銀河外部天体の赤方偏移の分布が、連続的で、非周期的な分布をしていると期待している。しかしながら、 Tifft[210, 211, 212, 213]は、銀河の赤方偏移に 70 - 75 Km/s の周期性があることを確言する。また、周期性のΔz = 0.031 または 0.062 は、 QSOについて見出された[214, 215]。QSOの赤方偏移分布のなかの非均一性、ピーク、又は周期性、そして Tifft 効果は、現在、ふたつの関係しな い現象である。しかしながら、宇宙論的仮説の見地からは誰も理解できない。最適な太陽速度への改良された較正のなかの周期性が 37.22 Km/s で あることが見出された。この周期を偶然によって見出す確率は、2.7 x 10^-5 である[216]。


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5.2 反物質

現在までの粒子物理の実験から我々の知る限りにおいて、陽子は崩壊しない。それゆえ、宇宙は、標準理論に従って物質と反物質と等量だけで作り 上げられていなければならない。明らかに物質が現在の宇宙に支配的であるのは、CP対称性違反のような、何かの形式の非対称性が原因であろう。 それがほとんどの反物質を物質とともに消滅させたが、物質をより多く残した。実験は、非対称の証拠を探しているが、現在まで成功していない。 他の銀河が反物質ではあり得ない、なぜなら、それは銀河間の媒質に、物質ー反物質の境界を作りガンマ線を出すが、それは見られない[217]。もう ひとつの未解決問題である。


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5.3 ダークマター

星と冷たいガス、銀河のなかの和のバリオン物質、全体の 8+4-5% というビッグバンのバリオン物質予測[218]、その残りはどこにある? ここから、 もうひとつの未解決問題が由来する。そして、バリオン物質は、物質全体のたった約1/10の部分である[219]。現在の値のΩm〜 0.3を達成するため の推定上の非バリオンダークマターの本性はどれなのか?

現在のCDMモデルは各銀河にダークマターハローの存在を予測する、その密度のプロフィールが近似的に r^-2 である。その元のアイデア[220]は、 CDMとの階層構造に関係していたが、それが現在のモデルを生み出した、それは、ダークマターが内部的構造なしに分布して、ハーローの伴う銀河 よりも銀河を伴うハーローに似ている[221]。[42, 222] のなかのシナリオに類似する何かのもの。幾らかの著者は、この銀河スケールのダークマ ターの存在自体の問いに導かれた。なぜなら、その証拠は弱く[221, 223, 224, 225]、予測は観測に合わない:ハーローは予測されるように先端を もたない。予測される角運動量は、観測されるものよりずっと少なく、銀河の周りの衛星(銀河)は予測よりずっと少ない、等々。マイクロレンズ探索[226] は我々の銀河内の暗い星と褐色矮星の形のハーローの質量を制約し、ダークマターハーローに必要なものよりずっと少ないと制限する。幾らかの観測 は、主要なダークマター成分が衝突性がないことと矛盾する[227]。矛盾のないシナリオはブラックホールハーローでもない[228]。ダークマターの 性質が調査されてきて[229]、どれもそれに適する候補がいない。それだけでなく、幾らかの力学的問題はダークマターなしに解ける:銀河の安定性 [230]、曲がりの作成[222]、回転曲線[221, 231]。銀河の対又は衛星のなかの速度は、銀河に付随するダークハーローの質量ではなく、対の成員の 間の空間を満たす銀河間媒体の質量の測定かもしれない[42, 222]。

クラスタ内の力学的質量は、またダークマターの存在と主張されたものだが、そしてそれは、豊富なクラスタ、又はまた局所群のような小さいクラ スタの幾らかのなかで、ダークマターの多くはクラスタ間の物質であるらしい[42]。銀河クラスタに適用されたビリアルの定理は、大量のダークマ ターがあるに違いないことを意味したが、クラスタの質量の多分、90% が適用できない。なぜなら、ビリアル定理は、これらのクラスタに適用でき ないからである[182]。しかし、X線観測と重力レンズ効果は、これらのビリアル定理によって導出されたものからあまり違くない質量を与えるから、 これは真に間違っているという訳ではない。また、多くの数値シミュレーションのなかで、矮銀河は、巨大銀河より弱くクラスタされている[149]: バイアス効果がある。銀河は、Ωm 推定の目的にはよい追跡子であるから、クラスタ観測から Ωm を得るのに力学的研究は、適切でないだろう。 いずれにしても、我々の見ないある質量があることは、明らかであると思える。幾らかのダークマターがあることは、明らかであるが、しかし、 どれだけであり、その性質は何か? 仮説を堅固な理論に変換する標準モデルの成功は、これらの解かれない疑問の答えに強く依存している。


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5.4 宇宙論的定数

宇宙論的定数の疑問[232]、アインシュタインの最大の愚かな失敗は、いま考えればさほど失敗ではなかったことは、非常に面白い。数年前、ほとんど の宇宙論者は、宇宙論的定数に主導されるシナリオを考えることを好まなかった[233]。80年代に宇宙論的定数は、不必要な厄介者だとして、何度も 無視されるか、又は、その価値を0にされた[234]。そして、全ての観測が0又はほとんど0の値を与えた。しかしながら、他の宇宙論的問題が持ち上 がり、多くの宇宙論者がΩΛ= 0.70 - 0.80が CDM宇宙論のなかのそれら多くを解決するかもしれないと悟るのは90年代の始めである[235]。数年遅 れて、宇宙論的定数の値の証拠がやって来はじめた。優れた予測又は偏見は、実際の測定はどちらの状態であるか? もうひとつの未解決問題である。

宇宙論的定数の測定は、今日、超新星からくる。それは遠方の源の輝度の幾らかの損失を与え、それは宇宙論的定数の導入によって正当化できる。 それは銀河間の塵による可能性によって批判される[236, 237]。灰色の塵の存在は、必ずしもz= 1.7 の超新星(SN1997ff)の測定と矛盾しない[237]。 Ia型超新星は、また、金属性依存の可能性があり、これは、宇宙論の効果と同じだけの金属性の較正をすることを条件に、SNIaのハッブルダイアグラ ムからの、非ゼロ宇宙論的定数の証拠を意味するかもしれない[238]。また、ホスト銀河の吸収の効果の過小評価もあった:高いzの超新星のみかけの 暗さに貢献するかもしれない要素は、zに伴うホスト銀河の吸収の進化[239]:それゆえ、ホスト銀河の吸収と最大光度の前の観測前の超新星の消去と の矛盾のない扱いによって、正のΛの証拠はあまり重要でない。

ΩΛ測定の他の源がある:マイクロ波背景輻射の非等方性[240, 241](3.1章をみよ)例えば、この6-7年、宇宙論が確定的にΩΛ〜0.7をもつことを確信 させる多くの証拠がコミュニティに与えられた。それは、観測的宇宙論の歴史の残りで、証拠はずっとΩΛ〜0に与えられたことを計算にいれれば、驚 くべきことである。まだ幾らか最近のテストは文献では他の値が使われることを指摘している。例えば、超コンパクト電波源の、角度対赤方偏移からは、 Λの反対の符号が得られた[242]。

観測的事実以外に、代替理論は測定値を予言できる。例えば、疑似定常状態宇宙論もまた負のエネルギーC-場からもたらされる斥力によってそして、 金属性のウィスカーの形の宇宙の塵が長い距離を渡って来る放射を消滅させ、ΩΛ= 0.7を支持するデータへのよい一致が議論されている[243, 244]。

さらには、実際のΩΛの値は、インフレーションビッグバンの標準シナリオのなかで、幾らか一貫性の問題をもつ。量子場理論によって予測された 宇宙論的定数は、観測的宇宙論から導かれたものよりずっと大きい。これは量子場理論のなかの真空のエネルギーは、アインシュタイン方程式の なかの宇宙論的定数の形式をとるという事実による。もし、インフレーションがGUT時期に行われたのであれば、現在の値はあまりに低い〜10^-108 の倍率でそして、そしてもし、インフレーションが量子重力の時期に実行されたのであれば、上のファクターは、もっと低く、〜10^-120 になる。

もう一度いえば、全てのことが適切に理解され、そして、よい抑制のパラメタとともにということからは、ほど遠いのである。


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5.5 遠方の銀河と進化

ビッグバンは、初期の宇宙の星々に、QSOに、そして銀河に、"原始的"であることを要求する。その意味のほとんどは、メタルを含まないということ である。なぜなら、星々を金属に満たすには超新星の多くの世代を必要とするからである。しかし、最近の証拠は、太陽の金属性さえよりも"初期の" QSOと銀河のなかに高い金属性の存在を示す[55, 246, 247]。鉄とマグネシュウムの比は、より高い赤方偏移で増加する[248]。そしてさらに驚くのは: z= 0 と z= 6.5 の間で鉄を含む量の線の比の進化がないことである。また、高い赤方偏移の銀河とQSOの塵の量は、期待されるものよりずっと高い[253]。 これらの証拠をみて正統的な宇宙論者はいま主張している。星の形成が非常に早期に始まり、太陽の量までの金属が急に生成された、おおまかに Gyr の半分でと。しかしながら、それは、そのような驚くべき主張は、十分ではない。それは、説明されるべきだ。そして、私は、そのような急速な進化 を指向するどのような証拠も、局所銀河団のなかにみない。

観測は予測と、常には一致しない。最初の水素の雲の位置も、銀河においても。例えは、早期の宇宙における、巨大な水素のガスのパンケーキかもし れない発見である[254]。それは、CDMに従っては、存在してはならない物体である:そして、ハッブルディープフィールドの最も遠い銀河は、不十分 な進化の証拠を示した。それらの幾つかは、非常に高い赤方偏移(z= 6 - 7) を示した。その拡散した中性水素の存在は、QSOの Lyman-α放射の線の 短い方向に吸収のくぼみを作らなければならない。Gunn-Petersin 効果である。水素の Gunn-Petersin くぼみは、赤方偏移 z〜 6.1 にあると予測 された[255, 246]。本当に、完全な Gunn-Peterson くぼみは、z= 6.28 [246] に見出され、それは宇宙が再イオン化時期に z〜6 [246] で近付いて いることを意味する。しかしながら、銀河は z= 6.68 [256] 又は z= 6.56 [257] に観測された、再イオン化の不透明の特徴なしに。そして、再イオ ン化時期は、z= 6.6 の向うに移動された[257]。非一様な再イオン化{246] は、異なるデータの外見上の不一致を説明する可能性はある。最近の CMBR 非等方性の WMAP の観測による測定は、再イオン化時期を zr= 20+10-9 (95%CL) [240] を与える。もし、我々が標準宇宙論の見地からCMBRの非等方性 が正しく解釈されていると信じようとするなら、我々は、再び新しい矛盾をもったのであろう。

進化自体の話題について、このレビューで私は議論しない。というのは、今日まで多くの異なった主張が文献にあって、明解な共通見解を見出せない からである(例[258])。今日は誰かが進化を証明し明日は誰かが進化がないと証明する。それが現在のシナリオである。もちろん、進化の研究は、確定 的な結論を避ける本来的な難しさをもつ:それらは銀河間吸収などの宇宙論的モデルへの仮定に依存する。それはまた、確定的な結論を抽出することが 難しい領域である。


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5.6 宇宙の年齢

宇宙の年齢にも反論が取り囲んでいる。宇宙論者は、宇宙が80〜150億年という。最近のWMAPの測定 [240]によれば 137億年である一方、星の天文学者は、 最も年老いた星は、160から190億年又はそれ以上の年齢と主張する[259]。いずれにしても、私が考えるのは、それはまだビッグバンにかなり有利な議論 である。測定の不確かさがあるのに、年齢の大きさのオーダーが、大まかに等しいからである。現在我々は、星々の年齢が標準モデルによる宇宙の年齢 よりも大きいという確実な証拠をもたない。

6 結論

主張する結論はない。この論文を読む誰もが彼ら/彼女自身の結論をもつことができると考える。私は、好きな Peckerのいくらかの文章の引用をしたい。

"そして、我々は、全体の宇宙に関係する宇宙論の全てを知ったか振りをするだろうか。我々は、それを開始する準備さえできてない。できることは、 思索の領域に入ることだけである。私に関する限り、わたし自身でどの宇宙論の理論にもコメントしない。'標準理論' と呼ばれるものについても、他の 多くについてはなおさら。実際、私は、ドアを開けておきたい。"[260]

私は同意する:ドアは広く開いている。標準シナリオにはまだ幾つか警告が存在し、ここにレビューした多数の観測の多くが誤りであったとしても、 まだその他の多くが残っている。我々の手のなかに最終的な理論があって、いくらかの調整パラメタが残されるだけであると、考えるにはまだ多くの 未解決問題がある。多分、標準理論の基礎は間違っている、又は多分、彼らはよい方向に向かっている。もちろん、批判は理論を建てるよりも容易で あって、標準理論の達成は過小評価されるべきでない。しかし、我々の背後のドアを閉じるのは早すぎると思う。

謝辞: 感謝を捧げるのは、Carlos M. Gutierrez (Inst. Astrof. Canarias, Tenerife, Spain), Niranjan Sambhus (Astr. Inst. Basel, Switzerland), Juan E. Betancort-Rijo (Inst. Astrof. Canarias) そして、Halton C. Arp (Max Planck Inst., Garching, Germany) 彼は、手稿を 読み助けになる意見を与えた。私はまた、この論文の校正に対して Anna Maria D'Amore (cetet@ciu.reduaz.mx, CETET, Mexico) と Niranjan Sambhus に謝辞を捧げる。

(参考文献は、翻訳を省略)