Cornell University−コーネル大学

ホームページをきっかけにつながりができました。My Bookのところにも掲載していますが、ニューヨークのコーネル大学(コーネルはニューヨーク州の北の方の大学です。毎年180人ほどの学生がそれぞれ小さいクラスで日本語を話したり、読んだりしているそうです。)
そのクラスの教授をされている、セルデン恭子先生、川崎由花先生、そして学生の皆さんとのつながりです。
ひとつのきっかけがここまで発展するとは、まったく考えてもいませんでした。その川崎先生が、セルデン先生からの紹介で、私の詩・「ありがとう、ごめんなさい」に共鳴してくださって、それを教材としてウェブサイトに載せてくださいました。サイト<こちら>に載せてくださると思っていなかったので、驚き、感激しました。そして、受けもちのクラスの授業にも使ってくださっているそうです。
心から嬉しく、本当に感謝しています。
また、セルデン恭子先生は、授業の前に、そして、私の本・「マイナスからのスタート」を読まれ、子どもにとって、発病の意識がどんなふうに、どのように徐々に来るものか、想像し、母のことにも、考えをめぐらせてくださったうえで、授業に使ってくださいました。


2002.4.19・授業で使ったという報告をしてくださった時のメールです。
鈴木信夫さん、今週に月曜日と水曜日に、ご本の第一章から33ページの終わりのところから53ページまでを、各自ひとセクションづつ受け持って、発表しあいました。とてもよかったと思います。みな、いろいろな感想を述べましたが、とくに、与えられる人から与える人にという姿勢に感動しました。このような部分には、個を超えた普遍的な意味合いがあります。学生の一人は、ここを読んでいてたいへん共鳴し、筋ジストロフィーのことが意識になかったことに気づいた、と言いました。前に図書館の脇の桜のまだ固い蕾の写真をお送りしたかと思います。一昨日の同じ場所での写真をお送りいたします。それと、同じキャンパス内ですがすこし南へ行ったところで、大きな枝垂れ桜を見ましたので、それも一緒にお送りしましょう。

セルデン恭子


4年生のクラスの授業風景 キャンパス内にある枝垂れ桜

その後、学生の皆さんがその感想を書いてくれました。感想は文集としてまとめられて届けられました(私の返信も入っています)。HP掲載のお許しをいただいたので、以下に掲載させていただきます。


セルデン恭子先生】
鈴木信夫様
四年のクラスの学生八人のうち、まず五人がお手紙を書きました。まとめてお送りいたします。
李應済くんと同じように、金さん(署名を忘れています)も韓国出身、YvonneTangは香港出身の天文学専攻生で高校時代イギリスに留学したことのある人、PeterBrodskyはロシア系アメリカ人で言語学とコンピューターを勉強中、池谷仁は日本人の父親とビルマ人の母親を持つ学生です。仁くんはまずしいビルマの人々の一助になりたいと思い、そのためにはお金を作らなくてはと考えて、そこから経済を勉強しはじめたようすですが、去年あたりから、いろいろ考えることがでてきたようです。鈴木信夫さんにふれたことは、また一つの契機だったに違いありません。皆それぞれに心豊かなものをいただきました。ありがとうございます。


【イ・ ウンジェさん】
こんにちわ。お送りくださった手紙、うれしくいただきました。 どうもありがとうございました。そして、 鈴木さんがお書きになった本の出版,先ず本当におめでとうございます。それを送ってくださって本当に感激しました。 僕の名前が書いてあるカードで 見た時どんなに嬉しかったか知れません。 最近は学校の事で本当に忙しいのでその本を全部は読めなかったんですけれども、もうすぐ春休みなのでその時ゆっくり読むつもりです。 でも、 第一部はほとんどよみましたよ。.特に最初の部分を読みながら僕も心が辛かったんです。 とにかくこのほん本当に大切にしています。僕の日本語の授業の先生が鈴木さんの文章を読んだり、 歌とか詩を読んだり、聞いたり、ウエブサイトに行ったり、画を見たりしています。 先生は鈴木さんのファンになったんじゃなにかなあと思いました。 でも、一つお聞きしたいものは鈴木はキリスチャンでいらっしゃいますか。 僕はそうなので"神様"というと自分が想像出来る神様だけなので、 鈴木さんの場合はどうお考えになっているか知りたいです。
どうあろうとも, お体大事にしてお元気でいてください。 僕は鈴木さんの完治に出来るようにお祈りしています。

【イヴォンヌさん】
鈴木さん:
本をくださってどうもありがとうございました。私はイヴォンヌと申します。Selden先生のコーネルの学生です。
私は鈴木さんのHPを見ました、そして本を読みました。やっぱり鈴木さんはとても楽観的な人ですね。積極的な態度を持って自分の運命を対抗する人私は尊敬してい ます。それに、鈴木さんが書いた詩と歌詞も綺麗で深い意味があると思います。私は特に「一千億年の孤独」が大好きです。私はその詩が伝える宇宙の無限と静寂をに憧れています。やっぱり思いは肉体に限られないのではないでしょうか。これからも大切にしてくださいね。

【金さん】
鈴木信夫さん初めまして。
私はCORNELL UNIVERSITYで日本語の授業を受けています。その授業で鈴木さんのHPを知りました。
そして今週、あなたの本を先生からもらいました。ありがとうございます。私はあなたの本をまだ全部読んでいませんが、私が本を読んでから一番心に残った単語は「個性」です。そうです。私達は精神的にあるいは身体的に個性を持っています。ある人は、自分の個性に満足するし、ある人は自分の個性に不満を持って生活します。私は、その差は自身をどのくらい理解して愛するかにあると思います。私はあなたの本を読んでから、個人的に悟ったこともありました。私も鈴木さんのように、自分の人生についてもっと自信が必要だと思いました。何よりお元気でいて下さい。それでは。

ブロドスキ・ピータさん
拝啓
自己紹介させて頂きます。私はセルデン・きょうこ先生の学生ブロドスキ・ピータと申します。最近、御存じように、セルデン先生の生徒は鈴木氏について話して勉強致しました。
手紙を書き送る理由は二つあります。先ず、誠の感謝を表したいと思います。『マイナスからのスタート』を頂いて有り難うございました。非常に残念ですが今学期は授業の為に少し忙しかいのでまだ最初の三十ペイジしか読む機会がありませんでした。けれども、今まで読んだ十章は本当に気に入りました。特に学校の思い出は興味深いと思います。 まだ授業で本について話し合っていないのですが、先生と同級生の意見をもっと本を解る為に聞く事を楽しみにしています。 又、お礼を差し上げたいとおもいます。
敬具

池谷仁さん
こんにちは鈴木信夫さん、お元気ですか?私の名前は池谷仁です。鈴木さんが書いた本“マイナスからのスタート”をいただき心から感謝しております。あなたが四年生の運動会で最後まで走ったことは大変感動的な光景でした。あなたの中学校の経験を読んだとき、人間の人生に優しい友達や、気を遣う先生達や、愛してくれる両親がどんなに大事なのかと正確に理解できました。あなたはとても素晴らしい心を持っています。私の一番親しい子供の頃からの友達は今神経学者の治療を受けています。彼と時々話すと彼はもう人生をあきらめたいと言います。ですから私はあなたの詩、“マイナスからのスタート”、“人として”、と“ありがとう、ごめんなさい”を友達に読ませたい気持になります。私によれば、人に真剣な感動や自信を与えられることは人間の特質の中で一番大切なことです。そしてあなたは哲学者みたいにすべての物を違う観点から理解することが出来る純粋な心をもっていると私は感じます。ですから、あなたの詩“雨”を読んで、私は自分の人生に学ぶことがまだたくさんあると感じました。
私は今コーネル大学の三年生です。専攻は経済です。なぜ経済を選んだのかと言うと、若い頃から経済に深い興味があったからです。子供の頃経済的に恵まれていない東南アジアのビルマに住んでいて、国の経済はとても大事なもだと今でも考えています。しかし、たとえどんなに貧乏でも人を幸せにするのはお金だけでなく、愛してくれる人、または愛せる人が周りに居る事だと思いました。お金より大事な物はたくさんありますけれど、私はお金を稼ぐ目標に一生懸命追求するので他の大事なものを見失うことが常にあります。鈴木さんの本を読んでからは、自分の人生に対し前向きに考える大切さを習いました。鈴木さん、これからも病気に負けず明るい人生をおくってください。

【スー・ジョージさん】
鈴木さん:【マイナスからのスタート】をいただいて、本当にありがとうございます!私の日本語は下手なので、辞書を引きながら、読みました。とても感動しました。私は、鈴木さんの人間の「生」についての理解、非常に賛成します。「機械的に一日一日過ごすことではなく」ということです。これは、障害者にも、健常者にも同じです。私は、健常者ですが、人生の目標をそんなに持っていない。これから、どういうふうに人の役に立つのか、どういうふうに、家族の皆と一緒にもうと充実な生活を過ごすのか、商業社会の問題を、どういうふうに考えるのか、私の重要な課題になっています。
鈴木さん、「生きる意味」を考えさせていただき、ありがとうございます。

日本語を勉強しているジョージ スー

ジョーニー・コーさん
鈴木さんの「マイナスからのスタ-ト」という本をクラスでもらった時、「それはすてきな本かも」と感じました。身体障害者として感じる世界はどういうことか、僕はいつも興味をもっています。乙武洋匡さんの「五体不満足」をよむと、いつも面白い挑戦を待っている楽観的な性格を見つけられます。英国の有名な天文家ホーキングの伝記を読んで、彼は鈴木さんのような筋肉萎縮症と闘うあつい奮闘心があると感じられました。そして、鈴木さんの本を読むと、いつも鈴木さんを支える友だちへ感謝を渡す気持ちと強い印象をあたえられました。ある上級日本語の教科書によると、日本の社会には「身体障害者の人間を欧米なみに維持する上での障害になり兼ねない」ような差別がまだ広くいわれています。乙武さんと鈴木さんの共通する願いは、「無差別社会」を建てることだと思います。鈴木先生はその思いを、本の中の詩の一つ「人として」によく描きました。「私は普通です/私は人です/障害はあっても個性のようなものです」この二人の著者のただ一つの違いは、乙武さんはマスコミをとおしてインタビューと自分の行為でその思いを他人に示し、鈴木さんは詩集に感情を込める簡潔な詩でその願いを広めることです。

学生さんの感想に対しての私の返信メールです
セルデン恭子先生、李應済さん、金さん、YvonneTangさん、PeterBrodskyさん、池谷仁さん、
その他の学生の皆さんへ


お手紙、ありがとうございます。学生の皆さんに「マイナスからのスタート」の本が届いた様です ね。皆さんのお手紙をひとつひとつ心踊らせながら大切に読ませて頂きました。それぞれの人が私の 文章や詩に何かを感じてくれていると思うと、嬉しい気持ちが心の奥底から、まるで水源から水が湧 き出すようにあふれてくるのを感じます。また、皆さんの手紙の文章をじっくり読んでいると、こん なふうに思うのです。たとえ、生まれ育った国や環境が違い、考えが違うとしても、根底に流れてい るものは同じですし、神様から頂いた大切な生命であることには変わりないのだと…。
私はクリスチャンではありません(イ- ウンジェさんは、クリスチャンだと書いておられましたね)が、様々な本との出会い、そして、多くの素晴らしい方々との出会いが、この世界に、神様(Creator)という大きな存在がいらっしゃることを確信させてくれたのです。そう確信しているからこそ、肉体的に厳しい人生であっても前向きに歩んでくることができたのです。もちろん、絶望し たり、心がどうしようもなく苦しい時もあるのは事実です。でも、多くの人々の愛と優しさがあり、支えがあるから、頑張り続けることができるのだと思います。私が一生懸命に生きることが少しで も、世の中を良くする助け・力となれば、といつも考えて日々を過ごしています。そう考えて生きる ことが大切だと思います。それは、私だけに言えることではなく、誰にでも言えることです。みんな が世の中を良くする助け・力となれば、といつも考えて生きていけば、世界は変わります。良い方向 へ。皆さんの手紙を読んで、暗いことが満ちているように見えても、未来は明るい方向へ向かうとい う確信のようなものを感じました。本当にありがとうございます。
アメリカに私のことを知ってくれている人がいるだけで、嬉しいですし、勇気が湧いてきます。
これからもよろしくお願いします。

お二人の写真を
頂きましたので、
ご紹介します。
右端がセルデン先生 川崎先生(真ん中・下)とスタッフの皆さん

2002.6.14・「お母さん」の曲についてもメールにてお知らせしました。こちらは その返信です。
鈴木信夫様

すてきなお知らせ有難うございます。「お母さん」に曲がつくよし、ほんとうに嬉し いことです。「お母さん」を読みました。やさしさにあふれた詩ですね。一見あたりまえに見えることに大きな奇蹟を感じ取った、その発見に心を動かされます。

それは、世界でいちばんの奇蹟だったのですね
あたりまえのことが奇蹟だったのですね

というリフレインに、それ以上にも以下にも言葉に出して言えない万感の思いが籠められているように思います。
春学期が終わりましたので、学生の作文集を、たいへん短いものですが、作りました。その中に以前の学生の通信文がまた出てきます。事後報告になって申し訳ありませんが、学生宛のご返信も引用させていただきました。よろしかったでしょうか? 今、コピーに出したところです。来週ごろ戻ってきましたら、一部お送り申します。

日本の小学校や中学校ではよく文集を作りますね。それが念頭にあって毎学期文集をまとめています。考えてみると、ことばの勉強は地味ですから、文集などで一人ひとりに晴れがましい気分を感じてもらうことができれば、みんなの平生の努力に報いることになるかもしれません。

ではまた来週お便り申します。曲のでき上がるのを楽しみにしています。

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