かぐや姫-昔話に物申す-
* * *
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さかきの造(みやつこ)となむいひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。(今となっては昔のことだが、竹取の翁という人がいた。
野山に分け入っては竹を取り、いろいろな事に使っていた。
名前を、さかきの造といった。
その竹の中に、根元の光っている竹がひとつあった。
不思議に思って寄って見ると、筒の中が光っていた。)
上に書いたのは、かの有名な「竹取物語」の冒頭部分である。
それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうて… (それを見ると、9cmほどの人がたいそうかわいらしく…)
ちょっとまて!
いつもここで思うのだが、かぐや姫はどうやって竹の中から出てきたのであろう。子供の頃に絵本に載っていたような、下の絵のような登場だったのだろうか?
一般的に考えられている、かぐや姫の登場シーン の図
どうだろう?上の絵には若干無理がないだろうか?
いや、かぐや姫が三寸の割りにはでっかく見える(あるいは、翁が小さすぎ?)という事ではない。
竹の切り口をごらんいただきたい。
オレには、かぐや姫の頭よりも下に切断面があるように見えてならない。つまり、このような竹の切り方ではどう考えても、竹と一緒にかぐや姫の後頭部(延髄の辺り)から首前面(鎖骨の上部)にかけてまでもが切断されてしまうのではないか?
これではもう、”いとうつくしうてゐ(たいそう可愛らしく座ってい)”たのだかどうだかも、判別不能である。
よって”竹取の翁”こと”さかきの造”、第二級殺人容疑で有罪。
コレニテドロン
初出:1999/10/19
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