サザエさん
火曜日版OP-2-


前のフレーズから引き続いていた違和感はここにある。つまり「お向かいさん」は磯野家ではありえないのにも関わらず、「サザエさん」を「呼んでみましょう」と指示している事だ。そしてこの違和感は、もっとも恐ろしい形でその存在を正当化されるのである!

♪にこにこ顔出す 愉快な家族

!!
オレはあまりのショックに言葉を失った。なぜだ!なぜなんだ!!この「お向かいさん」は先述した通り磯野家では無いのだから、「サザエさん」という呼びかけに対しての返答は無いはずである。仮にたまたま「お向かいさん」に「サザエさん」という名前の人がいたとしても、返事をするのは一人のはずである。 それなのに、「にこにこ」と顔を出したのは「愉快な家族」なのだ。「サザエさん」と呼んだのに、家族全員がぞろぞろと出てくる。この事実が如実に物語っているのは、"「お向かいさん」が家族全員、『サザエさん化』させられている"という恐ろしい計画の存在以外に考えられない!

♪うちと同じね 仲良しね

きゃーっ!
な、な、なんと言うことだ!「うちと同じね」!!!?そう、「うちと同じ」なのである!家族全員が『サザエさん化』させられてしまっている「お向かいさん」と「うち」は「同じね」なのである!この家ももはや『サザエさん化』させられてしまっているのだ!政府がこの町全体を使って、大規模な『サザエさん化計画』の臨床実験を秘密裏に行っているに違いない!

♪私もサザエさん あなたもサザエさん

あばぴょーん!!
ついに恐れていた通りになってしまった!先ほど「一種の催眠」と記したが、これは、もはや"催眠"の域を越えた"洗脳"である。それも、「私も」「あなたもサザエさん」などと現実では有り得ないことを高らかに歌い、他人の一個のパーソナリティーである"サザエさん"と自分が同一化しているという事実を疑うことなく受け入れ、自らのアイデンティティーの崩壊をも見過してしまうほどの完全な洗脳である!

3へ続く
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